三回忌は故人の死から満2年後(数え年で3年目)の命日に行う法要です。三回忌以降は数え年で数えるため三回忌は一周忌の翌年に行います(一周忌は満で数えます)。香典の金額相場は、個人が親族の場合は1〜5万円、友人や知人、職場関係の場合は3千〜1万円が目安です。
三回忌とは仏教の追善供養の一つです。「忌」には死者の命日という意味があります。 故人の死から満2年(数えて三年目)の命日、またその法要(法事)のことを指します。 三年忌ということもあります。「三周忌」という表現は誤りとなります。 仏教では初七日から百回忌まで全18回の法要があります。 初七日から百か日までの法要を追悼(忌日)法要、一周忌から百回忌までの法要を年忌法要といいます。 一般的には年忌法要は百回忌まで行うことが正式ですが、最近では三十三回忌や五十回忌で切り上げ、「年忌明け」とすることが一般的になっています。 最後の年忌法要を「弔い上げ(とむらいあげ)」といいます。最後の法要をもって故人の霊は先祖霊になるといわれています。 年忌法要の中で混同されやすいのが「周忌」と「回忌」の違いです。 「一周忌」は「満」で数えるため、故人が死亡した翌年の祥月命日に行います。 「三回忌」からは死亡した年を含め「数え年」で数えます。つまり亡くなった日が1回め、1年後が2回め、2年後が3回めの忌日となります。 よって一周忌の次の法要は一周忌の翌年の三回忌となり、三回忌の次の七回忌は6年目、十三回忌は12年目の祥月命日に行います。 2つ以上の年忌法要を同時に営むことを「併修(へいしゅう)」や「合斎(ごうさい・がっさい)」といい、命日の早いほうに合わせて行います。 しかし三回忌は故人の記憶が強く残っているため、単独で行うのがよいでしょう。 仏教の法要(法事)は下記の表で解説しています。
「香典」は香の代わりに死者の霊前に供える金品のことを指します。仏教用語ですが、仏教以外の宗教でも便宜上「香典」を用いることが多いです。 「香奠」が正しい漢字ですが、「奠」は常用漢字ではないため「香典」と代用して書くのが一般的です。 「香」には「仏前で焚く香料」という意味が、「奠」には「神仏などへの供え物」という意味があります。 三回忌の法要でお供えする金品を「香典」という人がいますが、これは誤りです。「香典」はお通夜や葬儀で渡す金品のみを指します。 正しくは品物を「供物(くもつ、そなえもの)」、現金を「供物料(くもつりょう)」とよびます。 「供物」には「神や仏に供養のために供えるもの」という意味があります。 「供物」や「供物料」は仏教用語ではないため、神道(神式)でも使います。キリスト教には「供物」という概念がないため使いません。
「三回忌」は仏教の追善供養です。 上記でもご紹介したように三回忌は故人の死から2年後(満2年)に行います。 神道でも「三年祭」という儀式がありますが、これは故人の死から3年後(満3年)に行います。 キリスト教にはカトリックとプロテスタントの2つの宗派があります。 カトリックでは毎年の祥月命日に「追悼ミサ(命日祭)」を行います。 プロテスタントでは故人の死から3年後(満3年)に「召天記念日」を行います。 無宗教の場合は、故人や遺族の意向に沿った儀式を行いますので、供養がある場合とそうでない場合があります。
三回忌法要は重要な法要の一つで、友人や知人、職場関係の人などを招き大々的に行うが一般的ですが、最近では身内だけで執り行うことも増えています。 招待された参列者は法要当日に供物もしくは供物料を持参します。 三回忌に包む供物料は、通夜や葬儀で包んだ香典の額よりも少なく包みます。 目安としては、香典(不祝儀)で包んだ金額の約半額を包むと良いでしょう。 地域や家庭によっては三回忌法要で会食がある場合に、会食費として5,000円〜10,000円を上乗せすることもありますので事前に確認しましょう。 夫婦で三回忌に参列する場合、連名で供物や供物料を包むと思いますが、金額は2人分で包むのがマナーです。 会食がある場合も2人分の御膳料を包みます。 また学生や社会人歴が浅い20代の人は自身の収入相応の金額を包んで問題ないです。 無理をせず、少額ずつを出し合って孫や兄弟姉妹などと連名で包んでも良いでしょう。 学生の場合は収入がないため、包む必要はないといわれています。 供物料の金額相場は後ほど詳しく解説します。
基本的に法要などの弔事では新札は使いません。新札だと前々から用意をされていたようで失礼な印象を与えるからです。 よって供物料では汚れやシワが目立たない古いお札を包むのが正式なマナーとされています。 しかし法要は予め日程がわかっているという点や新札の方が清潔で失礼がないという点から新札を使用する人も増えつつあります。 新札を使う場合はわざと折り目を入れて包むと良いでしょう。 供物料を包む時、「4」や「9」を含む金額は避けましょう。「死」や「苦」などを連想させるからです。 またかつては「奇数は吉、偶数は凶(数が割り切れることが縁が切れると連想させるため)」といわれていたため、金額やお札の枚数を偶数にするのも避けるべきです。 しかし最近では数字をあまり気にしない人も多くいるので、相手や状況に応じて判断しましょう。
本来は現金ではなく供物(お供え物)を持参するのが正式なマナーでした。 しかし同じ種類の品物が数多く集まってしまう可能性があったり、重さや嵩があり運ぶことが困難になってしまうなどの理由から、供物の代わりとして現金(供物料)を包むことが増えています。 三回忌法要に参列する際に、供物と供物料の両方を持参すべきか迷う人がいますが、どちらかのみで基本的には問題ありません。 ただし地域や宗派などによって風習が異なりますので、事前に確認をしましょう。 三回忌法要に招かれない場合の供物や供物料を贈ることは必須ではありません。 故人との関係が深かったりする場合は渡しても良いでしょう。
<供物の具体例>
<避けるべき物>
故人が親(実父母、義父母)である場合は、通夜や葬儀で包む金額相場は5万円〜10万円です。 身内の中でも一番繋がりがある相手なので、三回忌法要では5万円前後包むことが多いです。 金額の目安は3万円〜5万円程度でしょう。 ただし自身が施主(法要を行う家のあるじ)を務める場合は必ずしも供物や供物料を用意する必要はありません。 なぜなら基本的には施主が法要費用を負担することが多いためです。
故人が子供の場合の香典の金額相場は10万円前後とされています。 子供も関係性が深いため三回忌法要で包む金額相場は3万円〜5万円程度です。
故人が兄弟や姉妹である場合、香典の金額相場は1万円〜5万円が目安です。 兄弟姉妹も自身との関係性が深いため三回忌法要でお供えする供物料は3万円〜5万円ほど包みます。
故人が祖父母の場合、香典の金額相場は約1〜3万円ほどといわれています。 親族の中でも関係性が深いので、三回忌法要でも最低1万円は包むことが多いです。 金額の目安は5千円〜3万円ほどと覚えておくと良いでしょう。 供物料を包む人が20代、30代などであれば3,000円でも良しとされています。
ここまでにご紹介した以外の親戚(おじおば、いとこ、姪甥など)に関しての金額相場をご紹介します。 香典では5千円〜5万円ほど包むことが多いため、三回忌法要でお供えする金品は5千円〜3万円ほどが目安です。 最近は血縁関係が近い身内のみで三回忌法要が行われることも多いですが、招待がなくても気持ち程度供物料を用意すると良いでしょう。
故人が友人や知人の場合、香典の金額相場は〜1万円となります。 そのため、三回忌法要の供物料の金額相場は3千円〜1万円が目安です。 友人や知人は親族ではないため、故人が親族の時ほど多く包む必要はありません。 三回忌法要に招かれない場合は供物料を用意しなくても問題はありません。
故人が職場関係の人である場合、香典には5千円〜1万円を包むことが多いです。 よって三回忌法要では3千円〜1万円程度の金額を包むと良いでしょう。 最近の法要は身内のみで行われることも多いため、法要に呼ばれていない場合はお供えしなくても問題ありません。
上記でご紹介したように、仏教の年忌法要は三回忌の他にも一周忌、七回忌、十三回忌、二十三回忌、三十三回忌、三十七回忌、五十回忌、百回忌があります。 三回忌以外の年忌法要の香典の金額相場ですが、基本的には同額を包みます。 地域や宗派、家庭などにより金額が変わる場合がありますので、法要前に遺族や身近な人に相談をすることをおすすめします。
三回忌の供物料を包む封筒の絵柄をご紹介します。 仏教の場合は菊の花や蓮の花、もしくは無地の封筒を使います。 これら以外の柄は仏教以外の宗教のものになりますので注意が必要です。 キリスト教では百合の花や十字架が印刷された香典袋(不祝儀袋)を、神道では無地の香典袋(不祝儀袋)を使用します。
水引きの本数は、「凶」とされる偶数(2・4・6)本と決まっていましたが、最近では慶事兼用で「吉凶」とされる5本が主流となっています。 水引きは封筒に印刷されているタイプと紐タイプの水引きが付いているタイプの2種類があります。(これらの使い分けは次に解説しています。) 水引きの色は黒白もしくは双銀のものを選びましょう。 包む金額が3万円までの場合は黒白、それ以上は双銀の水引きを使うのが一般的です。 関西地域などでは黄白の水引きを使う場合もあります。
包む金額に見合った香典袋(不祝儀袋)を選ぶことも大切です。 香典袋(不祝儀袋)は大きく分けると2つの種類があり、水引きが印刷されている「印刷多当」タイプと、水引きが印刷でなく付属されている「金封」タイプがあります。金封タイプには4種類があり、違いは袋の大きさ、水引きの種類や色、そして包む金額です。 金額が1万円以下の場合は印刷多当を、1万円以上の場合は金封の袋を使用します
「熨斗( のし)」とは、贈答品につける飾り物のことを指します。 結婚などの慶事のみに使い、弔事では不要です。 熨斗には「伸ばす」という言葉を重ね相手の繁栄を祝うという意味合いがあります。 「悲しみを引き伸ばす」ということになってしまうため、供物や供物料に熨斗は付けません。
一般的に供物料を持参する際は袱紗(ふくさ)を使用します。 袱紗とは、祝儀袋や不祝儀袋を包む布のことを指します。 弔事の場合はグレーや紺、濃い緑などの寒色系の袱紗を使用します。 紫は慶事・弔事兼用です。赤やピンクなどの暖色系は慶事専用の袱紗となります。 袱紗が無い場合は小さい風呂敷でも代用が可能です。その場合も寒色系のものを使うようにしましょう。 袱紗を使った香典袋(不祝儀袋)の包み方は後ほどご紹介します。
香典袋は基本的に薄墨を使って書くのが正式なマナーです。 なぜなら薄墨には「悲しみの涙で墨が薄れる、突然のことで墨をする時間がない」という意味が込められているからです。 法要で持参する供物料の香典袋(不祝儀袋)も薄墨で書くのが基本ですが、三回忌は忌明け後の法要であるため墨の濃さは通常の黒でも構いません。 香典袋の全ての記入事項を毛筆や筆ペンで書きますが、金額や住所は正しく伝えるためにボールペンで書くのも良しとされています。 表書きや名前は手書きするのがマナーとされていますが、最近では印刷やはんこを使用する人も増えています。 遺族によっては良い印象を持たない人もいるため注意が必要です。
三回忌の供物料(香典)の表書きは「御仏前」が一般的です。旧字体で「御佛前」とも書きます。 御仏前以外には「御供物料」や「御香料」などの表書きもあります。 「御仏前」と「御霊前」の違いですが、仏教では四十九日法要までは「御霊前」を使い、四十九日法要以降では「御仏前(御佛前)」を使います。 故人の死から49日間はまだ御霊としてこの世にいらっしゃるという考えがあり、四十九日で成仏すると考えられているためです。 (浄土真宗では、亡くなった人はすぐ仏様になるという考えから通夜・葬儀から「御霊前」は使わず「御仏前(御佛前)」を使用します。) ちなみに神道の「一年祭」での表書きは「御榊料」「御玉串料」「御神前」と書きます。 キリスト教ではお供え物という概念がないため供物や供物料は必須ではありませんが、持参する場合はカトリックは「御ミサ料」、プロテスタントは「忌慰料」などと書きます。 無宗教の場合は「御霊前」や「御供物料」などと書くのが一般的です。
香典袋(不祝儀袋)に書く名前は、香典を包む人の名前です。送り先の名前(宛名)は書きません。 名前は表書きよりもやや小さい字で書きます。基本的にはフルネームで記載します。 親子など家族で出席する場合や職場関係の人と連名で包む場合の連名は最大3名程度にしましょう。 氏名を並べる順番は、目上の人が一番右側です。特に上下の区別がない場合は五十音順で右から左へと記載します。 連名が4名以上の場合は上包みに代表者のみ氏名を記載し、左側に「外一同」と書き添えます。 全員の氏名は白無地紙(半紙や奉書紙など)に目上の人順に右側から書き中包み(中袋)に入れます。 夫婦連名の場合は香典袋中心の右寄りに夫の氏名を、その左に妻の名のみを記載します。 旧姓で書く場合は、上包み(外袋)に現在の氏名を書き左側に(旧姓 ○○)と記載するか、上包み(外袋)には現在の氏名を書き中包み(内袋)には旧姓で氏名を書くという方法があります。
供物料で包む金額は大字(旧字体)で書きます。 大字とは漢数字の「一・二・三」などの代わりに用いる「壱・弐・参」などの漢字のことで、主に改ざんを防ぐ目的で使われる漢字です。 例えば1万円は壱萬圓と書きます。 金額を書く場所は、中袋(中包み)ありの場合は中包み(中袋)の裏面に、中袋なしの場合は香典袋(上包み)の裏面左側に金額を記入します。 金額を漢数字を使って書く人もいるようですが、厳密にはマナー違反になりますので注意しましょう。 また金額を書く際に「也(なり)」をつけることがありますが、「也」は銭単位のお金を使っていた時代にそれ以下の端数のないことを表す際に使われていたものですので現在は不要です。
漢数字 | 大字 |
---|---|
一 | 壱 |
二 | 弐 |
三 | 参 |
四 | 肆 |
五 | 伍 |
六 | 陸 |
七 | 漆・質 |
八 | 捌 |
九 | 玖 |
十 | 拾 |
百 | 陌・佰 |
千 | 仟・阡 |
万 | 萬 |
円 | 圓 |
香典袋には住所や電話番号なども合わせて書くとより丁寧です。 中袋を使用する場合は中袋の裏面左側に、中袋なしの場合は香典袋(上包み)の裏面左側に記入します。 封筒に記入欄がある場合は、欄に沿って記載していきます。 上記でもご紹介したように毛筆や筆ペンを使って書くのが一般的ですが、中袋に書く住所や電話番号などに関してはボールペンでも可能です。
お札は人物の肖像画が印刷されている面が表とされています。 弔事では「顔を伏せる」ように入れるのが一般的です。 お札の人物像を伏せるように入れることで、故人に対する悲しみやお悔やみなどの気持ちを表します。 封筒の「表」に対してお札が「裏」を向くように入れますが、その際人物の顔が底を向くように入れます。 中包みや中袋を使わない場合は上包み(香典袋)に直接お札を包みます。 複数枚お札がある場合は、お札の向きを全て揃えて入れます。 遺族の手間を考え、中包みや上包みは糊付け(のりづけ)したり「〆」のシールを使って封を閉じる必要はありません。 奉書紙や半紙などでの包み方は下のイラストを参考にしてください。 弔事では包んだ紙の三角の部分が右下にくるようにするのがポイントです。
水引きの結び方には主に「結び切り」と「蝶結び」の2種類があります。 弔事など一度切りで二度と起こってほしくないことには「結び切り」を使います。 結び切りには「淡路結び(あわじ結び)」や「老いの波」などの応用編があります。 淡路結びは慶弔どちらにも使うことができますが、基本の真結びを使用することが多いです。 水引きの色が2色の場合、右に濃い色、左に薄い色がくるように結びます。 なお最近では、予め結ばれた状態で封筒にくぐらせるだけのタイプが販売されていることも多く、その場合は淡路結びタイプが多いです。
上包みの折り方は慶事と弔事で異なります。 弔事では「悲しくてうつむいている」という意味で、上の折返しが上面にきます。(上の折返しを最後に折ります) 結婚などの慶事では「幸せがたくさん入ってくるように」という意味で、下の折返しが上面にきます。(下の折返しを最後に折ります) 折返しの向きを外から見て「喜びは上向きに、悲しみは下向きに」と覚えておくと便利です。
上記でご紹介したように、供物料を持参する際は袱紗(ふくさ)という1枚の布を使います。 袱紗が無い場合に風呂敷を代用する時も折り順は同じです。 袱紗の折り方は慶事と弔事で異なり、弔事の際は右→下→上→左の順番で折ります。 袱紗につめが付いている場合は、つめが左側にくるように広げます。 ポケット(台付き)タイプの袱紗の場合は、左開きの状態で香典袋(不祝儀袋)を入れます。
三回忌法要でお供えする供物や供物料は法要が始まる前に施主に渡すのが基本です。 受付が設けられている場合は受付時に係に渡します。自身で直接仏壇にお供えする場合もあります。 供物や供物料をお供えする際、袱紗に包んだまま渡すのはNGです。相手から袱紗が返ってくることを「不幸が返ってくる」として捉えられるためです。 必ず袱紗から取り出して渡すようにしましょう。 供物料の渡し方は下記の通りです。
三回忌法要に参列できない場合の供物や供物料は、後日直接遺族にお渡しするか郵送で送ります。 欠席の理由、お詫びの言葉を添えた手紙を同封するのがマナーです。 郵送で香典(不祝儀)を送る際の注意点は下記の通りです。
供物や供物料を手渡しする場合でも、先に手紙を送るとより丁寧です。
受付係や施主、遺族が参列者から供物・供物料を受け取る時の挨拶の例は以下の通りです。 弔事ですので「ありがとうございます」と直接的な言葉の使用は避けましょう。(不謹慎な表現になってしまうため)
故人の意向などの理由で供物や供物料の受け取りを遺族が辞退することもあります。 その場合は無理に渡すのは控えるべきです。 それでも故人や遺族に気持ちを伝えたい場合は、供物料以外の形でお供えをする(供花や供物など)という方法があります。 しかし遺族がこれらの受け取りも辞退するようであれば、無理に贈らないようにしましょう。
三回忌でいただく供物や供物料に対するお礼の品は「引き出物」です。 よく「香典返し」という人がいますが、「香典返し」とは、通夜や葬儀で渡した香典に対する御礼品のことを指します。 引き出物の金額相場は3千円程度が目安です。 高額な供物料をいただいた場合は後日別途返礼品を送るなどして対応します。
引き出物は後に残らない消耗品がよいとされています。 引き出物の例は下記の通りです。
引き出物には熨斗(のし)がない掛け紙をつけます。 水引きの色は黒白もしくは双銀の結びきりのものを使うのが一般的です。 掛け紙の表書きは「志(こころざし)」「粗供養(そくよう)」、「三回忌 志」と書き、施主の名前を名字のみもしくはフルネームで書きます。 併修や合斎で三回忌法要と執り行う場合の掛け紙は、表書きの右側に「亡○○七回忌」「亡△△三回忌」と亡くなった順番に右から書きます。 ただし上記でもご紹介したように、三回忌までの法要は単独で行う方が良いとされています。
三回忌法要の挨拶状では、法要参列や供物・供物料に対するお礼を書きます。 法要を終えたらスムーズにお渡しできるように事前に準備をしておきましょう。 法要に参列できなかった人には後日郵送をします。
<挨拶状の例文> この度は 亡○○儀三回忌法要に際しまして御厚志を賜り有難く御礼申し上げます 供養の印までに心ばかりの品をお届けいたしましたので何卒御受納くださいますようお願い申し上げます まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます 令和○年○月○日 〒123-4567 東京都豊島区○○○○ 施主 涌井 太郎 親族一同
引き出物は三回忌法要当日に渡すのが一般的です。 会食を設ける場合、対象の参列者の膳の前に最初から置いておくか、会食(お斎)がお開きに近づいたころ接待係や遺族が手渡しします。 会食を設けない場合は、法要が終了した後に渡します。 なお引き出物は僧侶にもお渡しをするのがマナーです。 参列者と同じ引き出物で構いませんので「御本尊様にお供えください」と一言添えてお渡しします。
引き出物を受け取った際のお礼は、「不幸が重ねて起こらないように」という理由から控えるのが一般的です。 ただし品物を受け取ったという報告であれば、はがきで簡潔にすませることが多いです。 あくまで引き出物を受け取ったという報告なので、「ありがとうございました」と書かないようにしましょう。 親しい間柄であれば、励ましの電話などもよいでしょう。
<香典返しを受け取った報告の手紙例> 拝復 このたびはご丁寧にご芳志の品を賜り、恐縮存じます。お送りいたしました品、○月○日に届きましたことをご報告させていただきます。 その後、皆様はいかがお過ごしでしょうか。悲しみが癒えるまでは時間がかかるかと存じます。 ご家族の皆様には、どうかご自愛のほどお祈り申し上げます。 敬具
三回忌法要に招かれたら、できるだけ参加しましょう。 案内状が届いたら、速やかに出欠の返信を出すのがマナーです。 返信用はがきを出すとともに、電話で一言挨拶をするとより丁寧です。 参列する場合は「当日はご一緒にご供養させていただきます」など一言添えると良いでしょう。 弔事のため「ありがとうございます」など感謝の言葉は避けましょう。 欠席する場合は欠席の理由やお詫びの言葉を添えて返信しましょう。 参列ができない場合は案内状の返信とは別にお詫びと慰めの手紙や電話をし、供物や供物料を郵送します。 もしくは施主や遺族の都合に合わせて、三回忌法要の前にお参りさせてもらうという方法もあります。
〈出席する場合の返事例〉 ごていねいな案内状をいただきまして恐れ入ります 当日はご一緒にご供養させていただきます 〈欠席する場合の返事例〉 本来ならばお伺いすべきところ遠方に住んでおりますため参列できませんことを大変申し訳なく存じます
三回忌法要が平日に執り行われる場合は、仕事を休む必要があります。 仕事を休むこと自体は可能ですが、慶弔休暇や忌引き休暇を適用することはできませんので注意しましょう。 基本的に慶弔休暇 (忌引き休暇)は、親族が亡くなった時に取得できる休暇とされています。 取得できる日数は故人との関係性や会社によって異なり、1〜10日前後であることが多いです。 三回忌法要は有給休暇を取得して休む形となります。 三回忌法要の開催が決まったら、早めに上司や担当者に相談しましょう。 会社の規則に従い休暇申請を提出すれば問題なく法要に参列できるでしょう。
三回忌法要では喪服を身につけることが正式なマナーとされています。 喪服には正喪服(正礼装)・準喪服(準礼装)・略喪服(略礼装)の3種類があり、格式ごとに分けられています。 参列者は準喪服(準礼装)もしくは略喪服(略礼服)を身につけるのが一般的です。 参列者は遺族よりも格式高い服装を身に着けるべきではないため、正喪服(正礼装)や和装の着用は避ける方が無難でしょう。 準喪服(準礼装)に関しては、男女ともに冠婚葬祭用のブラックスーツを着用します。 漆黒に近い黒で光沢や柄がないものを身につけます。 略喪服(略礼装)は、男女ともに冠婚葬祭用ブラックスーツ以外の黒・グレー・濃紺などのダークカラーのスーツです。(緑や茶色は避けます。) 柄は細いストライプ柄などであれば着用可能です。 子供が法要に参列する場合は、準喪服や略喪服などに関わらず学校の制服、または制服がない場合は地味な色のズボンやスカートを身に着けます。 遺族から「平服でお越しください」と案内があった場合や、身内だけの三回忌では略喪服(略礼装)を着用することもあります。 平服とは「普段着」と辞書には載っていますが、冠婚葬祭では略喪服(略礼装)のことを指します。私服は喪服には含まれないので注意しましょう。 アクセサリーは男女ともに結婚・婚約指輪はつけて問題ないですが、それ以外の指輪は外します。色のある石がついている指輪は石を内側に隠します。 男性の場合はネクタイピンはせず、カフスボタンはシルバー系かオニキス、黒曜石などのカフスボタンをつけます。 女性の場合は、ネックレスやイヤリングやピアスはパールやオニキス、黒サンゴ、黒曜石などの光らない黒の石ものが正式です。 二重や三重のネックレスは、「不幸が重なる」などという理由で弔事では避け、一重のネックレスのみを身につけます。 メイクは薄化粧にし、マニキュアやネイルアートをしている場合は落とすのがマナーです。 ペディキュア(足のネイル)はストッキングを履いても透ける可能性があるので落とすと良いでしょう。 髪が長い場合はワックスでまとめたり、結んでまとめ髪にします。
三回忌の法要当日は、法要開始時刻の30分前には会場に到着するようにしましょう。 到着後に施主への挨拶と供物や供物料のお供えを済ませ、自分の席に着きます。 当日何かしらの事情で遅れる場合は、速やかに施主や遺族などに連絡をしましょう。 途中から参加する際は、進行の妨げにならないように気をつけましょう。
三回忌法要の後に会食(お斎)の場を設けてあることがあります。 会食では遺族や僧侶、参列者が集まり、故人を偲んで食事をします。 会食の目的はあくまで故人を偲ぶことです。 故人と無関係の話に夢中になったり、お酒を飲みすぎたり、騒ぎすぎたりしないように過ごしましょう。 また遺族や世話係が準備や片付け等で忙しそうにしていたら、手伝う気遣いをするとより丁寧です。
いかがでしたか? 今回は三回忌の香典(供物・供物料)について詳しくご紹介しました。 記事の主な内容は下記の通りです。