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三回忌のお返しの選び方・金額相場・包み方・渡し方・書き方を解説

三回忌に香典(供物・供物料)を持参した人にはお返しとして引き出物を渡します。引き出物の金額相場は3,000〜5,000円が目安です。引き出物の品物は後に残らないお菓子や食品、飲料、洗剤などが定番です。最近は自身で好きな商品を選ぶことができるカタログギフトも人気です。

三回忌のお返しとは?

「三回忌」は故人の死から満2年の命日に行う法要

三回忌とは仏教の追善供養の一つです。「忌」には死者の命日という意味があります。 故人の死から満2年(数えて三年目)の命日、またその法要(法事)のことを指します。 三年忌ということもあります。「三周忌」という表現は誤りとなります。 仏教では初七日から百回忌まで全18回の法要があります。 初七日から百か日までの法要追悼(忌日)法要一周忌から百回忌までの法要年忌法要といいます。 一般的には年忌法要は百回忌まで行うことが正式ですが、最近では三十三回忌や五十回忌で切り上げ、「年忌明け」とすることが一般的になっています。 最後の年忌法要を「弔い上げ(とむらいあげ)」といいます。最後の法要をもって故人の霊は先祖霊になるといわれています。 年忌法要の中で混同されやすいのが「周忌」と「回忌」の違いです。 「一周忌」は「」で数えるため、故人が死亡した翌年の祥月命日に行います。 「三回忌」からは死亡した年を含め「数え年」で数えます。つまり亡くなった日が1回め、1年後が2回め、2年後が3回めの忌日となります。 よって一周忌の次の法要は一周忌の翌年の三回忌となり、三回忌の次の七回忌は6年目、十三回忌は12年目の祥月命日に行います。 2つ以上の年忌法要を同時に営むことを「併修(へいしゅう)」や「合斎(ごうさい・がっさい)」といい、命日の早いほうに合わせて行います。 しかし三回忌は故人の記憶が強く残っているため、単独で行うのがよいでしょう。

お供え物へのお返しは「引き出物」

三回忌法要では参列者が香典を持参します。厳密には三回忌でお供えする品物は「供物」、現金は「供物料」といいます。(香典は通夜や葬儀にお供えする金品のみを指します。) 参列者から供物や供物料を頂いた場合、遺族はそのお礼として「引き出物」をお返しするのが正式なマナーです。 よく「香典返し」という人がいますが、「香典返し」は通夜や葬儀の香典に対するお礼です。 「香典返し」と「引き出物」が混同しないように注意しましょう。

三回忌とは?香典・お布施・お供え・挨拶・服装のマナーを完全解説

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三回忌のお返しの金額相場

引き出物の金額相場は3,000円〜5,000円

引き出物の金額相場は3,000円〜5,000円が目安といわれています。 いただいた供物や供物料の金額に関わらず、一律の品物を用意します。 高額のお供え物をいただいた場合でも当日に引き出物を渡すだけで良いですが、気になる場合は後日別途お礼の品を贈ると良いでしょう。

香典返しの金額相場は香典の約半額が目安

通夜や葬儀でいただく香典に対するお礼である香典返しの金額相場は香典の3分の1〜半額が相場です。 例えば一万円を香典でお供えしてくださった方には3,000〜5,000円程度の品物で香典返しをします。 香典の額には幅があることが予想されるため、段階に応じた香典返しの品物を用意します。 しかし最近では、香典の金額に関わらず同額の品物を贈るケースも増えています。 香典をいただいた方全員に同じ品物を渡し、高額な方に関しては忌明けに別途返礼する流れとなります。

三回忌のお返しの選び方

消耗品や日用品を選ぶ

引き出物に適しているのは、

  • 食べるもの
  • 後に残らないもの

を選ぶのが一般的です。 弔事に対するお返しは「消え物」が適しているためです。

殺生を連想させる品物は避ける

仏教で殺生(生き物を殺すこと)は最も悪いこととされています。 そのため、引き出物で肉や魚などの生臭物を贈ることは避けましょう。 ちなみに神道(神式)では生臭物をお供えしても問題はありません。 キリスト教はお供え物自体をしない宗教です。

重たいものは避ける

重さやかさがある引き出物を贈ることも避けるとより丁寧です。 会場からそれぞれの自宅に持ち帰ってもらうため、軽いものや小さい物が持ち運びやすくて良いでしょう。 参列者にご迷惑や負担がかからないように配慮しましょう。

引き出物で商品券やカタログギフト券を贈るのはあり?

最近は三回忌の引き出物として商品券やギフト券、カタログギフトを贈ることも多いようです。 ただし商品券やギフト券などは金額が記載されているため避ける方が良いでしょう。 カタログギフトとは、受け取り側が自身で商品を選ぶことができるのでおすすめの引き出物の一つです。

三回忌のお返しの具体例

上記でご紹介したように、引き出物には消耗品を選ぶのが一般的です。 引き出物の具体例は下記の通りです。

  • せんべい、クッキー、羊羹などのお菓子
  • お吸い物、佃煮、海苔、調味料、乾麺、飲料などの食品
  • タオル、ハンカチ、洗剤、石鹸などの日用品
  • カタログギフト、商品券、ギフト券

三回忌のお返しの書き方

お返しには表書きと名前を書きます。 三回忌のお返しは薄墨でなく墨の濃さは通常の黒で構いません。

表書きは「志」が一般的

引き出物の表書きは「」と書くのが一般的です。 他には「御礼」茶の子」などと書くこともあります。 表書きは掛け紙の中央上部(水引きの内側)に書きます。

宗教別の表書きとしては、

  • 神式:偲草(しのびぐさ)、志
  • キリスト教:感謝、偲草、志、お礼、御禮

などがあります。 ただしキリスト教に関しては香典(供物・供物料)をお供えすることや引き出物を贈るしきたりはないため、引き出物は必須ではありません。

名前

引き出物には施主の名前を記入します。 名前を書く場所は掛け紙の中央下部、表書きの真下です。 名前は施主の名字もしくはフルネームを書きます。

三回忌のお返しの包み方

熨斗(のし)がない掛け紙で包む

引き出物には熨斗(のし)がない掛け紙を用います。 熨斗とは、贈答品につける飾り物のことを指し慶事のみに使います。 よく引き出物にはのし紙をつけると言う人を見受けますが、贈答品の上面や前面に掛ける紙は「掛け紙」というのが正式です。 熨斗紙とは熨斗のついた掛け紙のことを指し、慶事には熨斗紙を、弔事には熨斗なしの掛け紙を使うのが正しいマナーとなります。 掛け紙の水引きの色は黒白もしくは双銀のものを使用します。 関西など地域によっては黄白の水引きを使うこともあります。

三回忌の掛け紙は「内のし(内掛け)」が適している

掛け紙のかけ方には下記の2種類があります。

  • 内掛け(内のし):品物の箱の上に掛け紙をし、その上から包装紙をかける
  • 外掛け(外のし):包装紙の上に掛け紙をかける

掛け紙のかけ方に厳密なルールはなく、引き出物を郵送する場合は内掛け(内のし)、引き出物を直接渡す場合の掛け紙は外掛け(外のし)が一般的です。

包装紙は地味な色や柄のものを選ぶ

引き出物を包む包装紙はなるべく地味な色や柄のものを選びましょう。 グレーや黒、紫などの色が一般的です。柄は「菊」「小花」「雲」などが例です。 弔事用の引き出物であることを店に伝えると三回忌法要にふさわしい包装紙で梱包してくれます。

三回忌のお返しの渡し方

法要当日より前

三回忌法要に参列できない人の中には、法要日より前に直接お供え物を持参する方がいます。 その際に引き出物の準備が出来ている場合は、直接引き出物を渡します。 引き出物の準備が出来ていない場合は、後日郵送で引き出物を贈ります。(郵送方法はこの後ご紹介します。)

法要当日

三回忌の引き出物は、三回忌法要に当日にお渡しするのが一般的です。 渡すタイミングは参列者が帰宅する時ですが、三回忌法要の後に会食を設ける場合と設けない場合とで渡し方が異なります。 会食がある場合の引き出物は、お供え物をいただいた参列者の膳の前に最初から置いておくか、会食(お斎)がお開きに近づいたころ、接待係や遺族が手渡しします。 会食がない場合は、三回忌の法要が全て終了し参列者が帰るタイミングで手渡しします。 また引き出物は僧侶にも参列者と同じ引き出物を渡します。その際は「御本尊様にお供えください」とお伝えしましょう。

法要後日(郵送する場合)

三回忌に欠席された人や、高額のお供え物をいただいた人などには郵送で引き出物を贈ります。 三回忌の引き出物は法要当日から1ヶ月以内に渡すのが一般的です。 郵送の手配は引き出物を依頼する百貨店やギフト専門店が行ってくれることもあるので確認をしてみましょう。 遺族自身で郵送の手配をする場合は、挨拶状(お礼状)を添えることを忘れないようにします。 送り先の住所や氏名、名前、電話番号、荷物の中身などを送り状に書きます。 日付指定をする場合は、先方の都合に合わせた日程に設定をしましょう。

三回忌の挨拶状(お礼状)

引き出物には挨拶状を添える

三回忌法要の挨拶状(お礼状)では、法要参列や供物・供物料に対するお礼を書きます。 直接渡す場合も郵送する場合も、引き出物と一緒に渡します。 特に供物や供物料などのお供えがなかった人に対しても挨拶状(お礼状)のみを渡します。

挨拶状の書き方

三回忌法要の挨拶状には、

  • 葬儀のお礼
  • 法要を執り行う旨(事前報告)もしくは終えたことの報告(事後報告)
  • 書面でのご挨拶についてのお断り
  • 引き出物について(ある場合のみ)

を書きます。

<三回忌法要より前に挨拶状を送る場合の例文> 謹啓 御尊家御一同様には ますますご清祥にお過ごしの御事と存じます 先般 亡○○儀死去に際しましてはご多忙中にもかかわらず御厚志を賜り有難く御礼申し上げます 早いもので ○○が亡くなってから一年の歳月が流れようとしております  本来であれば皆様にご臨席賜り三回忌法要を営むところではございますが 諸事情により家族のみにて法要を営みたく存じます 甚だ勝手で失礼とは存じますが何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます 失礼ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます 謹白 令和○年○月○日 〒123-4567 東京都豊島区○○○○ 喪主 涌井 太郎    親族一同

<三回忌後に挨拶状を送る場合の例文> 謹啓 先般 ○○死去の際はご丁重な御弔詞を頂き その上御香志まで賜りまして誠に有難く厚く御礼申し上げます 御陰をもちましてこの度○○○○三回忌法要を滞りなく相営みました つきましては供養の印までに心ばかりの品をお届けいたしましたので何卒御受納くださいますようお願い申し上げます まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます 謹白 令和○年○月○日 〒123-4567 東京都豊島区○○○○ 喪主 涌井 太郎    親族一同

挨拶状の返事の仕方

三回忌の引き出物を受け取った際のお礼は、「不幸が重ねて起こらないように」という理由から控えるのが一般的です。 ただし品物を受け取ったという報告であれば、はがきや電話などで簡潔にすませることが多いです。 あくまで引き出物を受け取った報告なので、「ありがとうございました」と直接的な言葉を伝えるのは避けます。

<三回忌の引き出物を受け取った報告例>

  • 拝復 このたびはご丁寧にご芳志の品を賜り、恐縮存じます。お送りいたしました品、○月○日に届きましたことをご報告させていただきます。 その後、皆様はいかがお過ごしでしょうか。悲しみが癒えるまでは時間がかかるかと存じます。 ご家族の皆様には、どうかご自愛のほどお祈り申し上げます。 敬具
  • 本日、三回忌の引き出物を受け取りました。 ご丁寧なお心遣いに恐れ入ります。 その後、皆様はいかがですか? どうかご自愛ください。

まとめ

いかがでしたか? 今回は三回忌の供物や供物料に対するお返しである「引き出物」について詳しくご紹介しました。 主な内容は下記の通りです。

  • 三回忌は故人の死から満2年の命日に行う仏教の追善供養のことを指す。一周忌は「満」で三回忌以降は「数え年」で数えるため一周忌の翌年に三回忌を行う。
  • 三回忌のお供えに対するお返しを「引き出物」という。「香典返し」は通夜や葬儀の香典に対するお礼となり「引き出物」とは別物になるので注意。
  • 三回忌の引き出物の金額相場は3,000〜5,000円が目安。香典返しの金額相場は香典の3分の1〜半額が目安といわれている。
  • 引き出物には後に残らない消耗品を選ぶのが基本。例えばお菓子や食品、日用品など。殺生を連想させる肉や魚、金額がはっきりとわかる商品券は避ける方が良い。
  • 引き出物の表書きは「志」と書くのが一般的。施主のフルネームか名字のみを書く。
  • 掛け紙は熨斗(のし)なしのものを選ぶ。水引きの色は黒白か双銀のもの。関西などでは黄白の水引きを使用することもある。郵送の場合は内掛け(内のし)、直接渡す場合は外掛け(外のし)にする。
  • 三回忌の引き出物は法要当日に渡すのが一般的。法要に欠席した人には法要前もしくは後に直接渡すか郵送する。
  • 挨拶状とは三回忌法要を終えた報告をする通知のこと。お礼状ともいう。引き出物と合わせて渡すのが一般的。供物・供物料をいただいていない方には挨拶状のみを渡す。

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