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「伽藍」の意味と使い方、語源、読み方とは?代表的な伽藍配置には何がある?

「伽藍(がらん)」の意味は「寺」「寺院内の建造物」です。語源はサンスクリット語「サンガーラーマ」で「僧があつまり仏道修行をする清らかで汚れのない静かな場所」という意味です。「伽藍配置」とは、寺院内の金堂や五重塔などの配置方式を指します。

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伽藍とは

「伽藍」の意味は「寺」

「伽藍」の読み方は「がらん」です。 「伽藍」の漢字は「伽檻」とも書きます。 「伽藍」とは、「僧があつまり仏道修行をする清らかで汚れのない静かな場所」という意味です。 そこから転じて、「寺。寺院」という意味も持ちます。 ただし「伽藍」といった場合、単に「寺」という意味合いではなく、寺の敷地内にあるお堂や塔、門などの集合体としての建築物を指すことが多いです。 「大きい寺」のことを「大伽藍(だいがらん)」といったりします。 「がらん」という言葉は「銅、銅貨」を意味する場合もありますが、この意味で使うのは極めて稀です。 また「伽藍」という苗字の方が日本国内に約20人いると言われています。

「伽藍」の語源はサンスクリット語

「伽藍」は、サンスクリット語「saṃghārāma(サンガーラーマ)」の音写「僧伽藍摩(そうがらんま)」の略です。 サンスクリット語で「寄り合い」「集まり」は「サンガ」といい、その音写は「僧伽(そうぎゃ)」と書きます。 同じくサンスクリット語語源で、「寺院」を意味する日本語には「精舎(しょうじゃ)」があります。 「精舎」は「vihāra」が由来です。 「伽藍」は「衆園(しゅおん)」「僧園(そうおん)」「僧院(そういん)」などと漢訳されます。

「伽藍」由来の比喩表現「がらんどう」「がらんと」

「伽藍」という言葉はあまり馴染みがないように感じますが、実は日常生活で使っている言葉でも「伽藍」が由来なものがあります。 「伽藍堂」とは、寺院の中で伽藍神(がらんじん)を祭ってある堂を指します。 「伽藍神」とは、寺院の伽藍を守護する神のことで、それぞれの寺院によって異なります。 「伽藍堂」はひらがな表記の「がらんどう」の形で、「広々としている状態」を指す時に使います。 また、「がらんとしている」などと「広くて空虚なさま」をいうことがありますよね? この「がらん」も「伽藍」が由来です。 「空洞のある金属が物に叩かれた音」を形容するときにも「がらん」は使いますが、これも「伽藍」が由来で、何もないところで音が広がる状態を表現したものです。

例文

  • この空き地には人ひとりいない、がらんどうだ。
  • 父を亡くし、心が虚しく、がらんどうのようだ。
  • 社員が帰宅した後のがらんとしたオフィスで、一人残業している。
  • あの鐘をがらんと鳴らすのはあなた。

「伽藍」の英語は「temple」「monastery」

「伽藍」の英語は「temple(寺)」で問題ありません。 「temple building(寺院の建造物)」「grand Buddihist temple(広い仏教の寺)」などと表現することもできます。 「monastery」も「僧院」「修道院」を意味する英語で、「伽藍」の英訳として使うことができます。

伽藍に関連する語

伽藍配置・七堂伽藍・伽藍建築

「伽藍配置」は中学生の日本史で習っているはずですが、忘れてしまっている方も多いと思います。 「伽藍配置」とは、寺院における主要な堂塔の配置の方式を指します。 「七堂伽藍」は「七堂」と同義で、寺院の中にある主要な7つの建造物を指します。 具体的には塔・金堂(こんどう)・講堂・鐘楼・経蔵・僧房・食堂(じきどう)の7つですが、宗派によって「七堂」が指すものは異なります。 「伽藍建築」という言葉は厳密にはありませんが、仏寺の日本建築を総称して「伽藍建築」という場合があります。

伽藍石

「伽藍石」は「がらんせき」または「がらんいし」と読みます。 「伽藍石」とは、沓脱石や飛石の分岐点に置く踏分石として再利用される、廃寺の基礎石です。

伽藍鳥

「伽藍鳥」は「ペリカン」の別名です。 ペリカンのことを伽藍鳥と呼ぶのには諸説ありますが、有力なのはあご袋が大きいのを大寺院にたとえたという説です。

伽藍配置の変遷(古い順)

伽藍配置は時代と共に変化しています。 代表的な伽藍配置は飛鳥寺式・法隆寺式・四天王寺式・薬師寺式・東大寺式などと寺の名称が付けられています。

飛鳥寺

538年の仏教伝来後、約50年あまりで本格的な寺院が建造されるようになりました。 6世紀末に蘇我馬子によって建造された飛鳥寺が、本格的な伽藍を備えた日本最古の仏寺です。 奈良県高市郡明日香村にあり、現在は安居院と呼ばれます。 塔(五重塔)を中心とし、その北に中金堂、東に東金堂、西に西金堂が建つ、一塔三金堂式伽藍配置です。 さらに、一塔三金堂が回廊で囲まれており、回廊の南正面には中門、回廊の外の北側には講堂があります。 飛鳥寺式伽藍配置では、仏の空間である回廊内の聖域と、僧の研鑚や生活の場である講堂その他の建物を明確に区切っていたことがわかります。

四天王寺

四天王寺は大阪市天王寺区四天王寺にある和宗の総本山で、聖徳太子によって建造されたと言われています。 『日本書紀』によれば推古天皇元年(593年)に造立が開始されたと言われます。 四天王寺の伽藍配置は、中門、塔、金堂、講堂が南から北へ一直線に配置されているのが特徴です。 四天王寺式伽藍配置と呼ばれています。 四天王寺の軸線は真北で取っており、これは中国に習った測量法です。

法隆寺

法隆寺は奈良県生駒郡斑鳩町にある仏教寺院で、聖徳太子によって607年に建造されたと言われています。 境内の広さは約18万7千平方メートルです。 回廊の南面に中門があり、回廊内には東に金堂、西に塔(五重塔)があります。 上図には掲載していませんが、東側には聖徳太子が亡くなった際に建造された夢殿などがあります。 金堂と五重塔を中心とした西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分かれており、西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物群と言われています。 「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」は正岡子規の俳句です。

川原寺

川原寺は、奈良県高市郡明日香村にあった仏教寺院です。 建造された年は明確には分かっていませんが、670年前後とされています。 川原寺の伽藍配置は、一塔二金堂式という特殊なもので、「川原寺式伽藍配置」と称されます。 飛鳥寺伽藍配置の東金堂を省略したものとも考えられています。 廻廊内に仏堂と塔が左右に並んで建つ点は法隆寺西院伽藍と似ていますが、法隆寺金堂が南を正面とするのに対し、川原寺西金堂は東を正面とし、塔のある方向に向いて建てられている点が違います。

興福寺

興福寺は、奈良県奈良市登大路町にある法相宗大本山の仏教寺院です。 寺の中心部には、南から北に、南大門、中門、中金堂、講堂が一直線に並んでいます。 境内東側には、南から、五重塔、東金堂、食堂(じきどう)があります。 境内西側には、南から、南円堂(なんえんどう)、西金堂、北円堂(ほくえんどう)が建っていました。 興福寺は669年に建造されており、ここまでくると伽藍がどんどん複雑化していることがわかります。

薬師寺

薬師寺は、680年に建造された、奈良県奈良市西ノ京町に所在する寺院で、興福寺とともに法相宗の大本山です。 中央に本尊を祀る金堂と東西に二基の塔を配する伽藍配置は、薬師寺が日本で最初で「薬師寺式伽藍配置」と言われています。 また堂塔の各層に裳階をつけた壮麗な姿は「龍宮造り」と呼称され、薬師寺の伽藍の特徴です。 薬師寺東塔は、米国の美術史家アーネスト・フェノロサによって「凍れる音楽」と評されたと言われています。

東大寺

東大寺は、8世紀前半に建造された、奈良県奈良市雑司町にある華厳宗大本山の寺院です。 南大門を入って参道を進むと、正面に中門(南中門)、その先に「金堂」があります。 中門からは東西に回廊が伸び、金堂の左右に達しています。 現在回廊は金堂の南側にしかありませんが、当初は北側にもあり、回廊北面の中央には「北中門」がありました。

大安寺

大安寺は、8世紀前半に建てられた、奈良市中心部にある高野山真言宗の寺院です。 主要伽藍は南大門・中門・金堂・講堂が南から北へ一直線に配され、小山の大官大寺と配置が同じになりますが、塔は六条大路を挟んで南大門の南にあり、しかも東西に二基並んでいました。 大安寺の伽藍配置は壮大で、「大安寺式伽藍」といわれています。

まとめ

いかがでしたか? 「伽藍」の意味と語源について、ご理解いただけたでしょうか。 「伽藍」は単に「寺」を指す場合もあれば、寺院内の建造物の総称としても使われます。 お寺について調べると、必ず「伽藍配置」の項目があり、時代によって大きく変化している点がおもしろいです。 語源は他の仏教用語と同じように、サンスクリット語です。

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