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香典の金額相場は関係と年齢で変わる!多いと失礼?偶数はOK?書き方も解説

香典の金額相場は地域や故人・遺族との関係性、自身の年齢によって違います。自身の年齢が上がるほど、また血縁関係が近いほど不祝儀(香典)の金額は高くなるのが特徴です。金額に迷う時は自分と同じような立場の人と相談して決めると良いでしょう。葬儀後の法要で包む金額は香典の約半額が目安です。

香典とは?

「香典」とは「香の代わりに霊前に供える金品」

「香典」の読み方は「こうでん」です。 「香典」の意味は「香の代わりに死者の霊前に供える金品」です。 「香典」は「香奠」と書くのが正式ですが、「奠」は常用漢字ではないため「香典」と代用して書くのが一般的です。 「香」には「仏前で焚く香料」という意味が、「奠」には「神仏などへの供え物」という意味があります。 お通夜や葬儀で渡す金品のこと「香典」と言い、四十九日などの法要で渡す金品は「供物(くもつ)」や「供物料」と言います。

香典」の語源は仏教用語

「香典」の語源は仏教用語に由来します。 「香典」の発生には諸説があり、元々は故人にお香を焚いて供えていた、お香は仏教的に「仏様の食べ物」とされており、それがが転じて食料になったという考えなどもあります。 昔は葬儀のために米や野菜、香などの品物は全て弔問者が持ち寄っていました。 現在では葬儀に関する全てのものを故人の遺族が用意するため、弔問客はその料金として現金を供えるようになりました。 現在でも地方や地域、人によっては米や線香などを贈る場合もあります。

「香典」の正しい呼び方は「不祝儀」

上記でご紹介したように、「香典」は仏教用語です。 通夜や葬儀などで贈る現金のことを仏教以外でも「香典」といいますが、正式には「不祝儀(ぶしゅうぎ)」といいます。 しかし「香典」の方が広く知られているため、仏教以外の宗教でも便宜上「香典」を用いることが多いのです。

香典のマナー|金額相場・選び方・書き方・お札包み方・渡し方【完全版】

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香典(不祝儀)の金額に関するマナー

新札や汚れ・シワが目立つ古いお札は避ける

通夜・葬儀などの弔事には新札は使いません。 新札だと前々から用意をされていたようで失礼な印象を与えるからです。 香典(不祝儀)には古いお札を包むのが正式なマナーです。 ただしあまりにも汚れやシワが目立つお札は避けましょう。 昨今では新札の方が清潔で失礼がないという理由から新札を使用する人も増えつつあります。 新札を使う場合はわざと折り目を入れて包みます

「4」・「9」・偶数(枚)は避ける

香典(不祝儀)を包む際、「4」・「9」・偶数(枚)は避けましょう。 「4」や「9」という数字は「」や「」を連想させ縁起が悪いとされているためです。 また偶数は「数が割り切れる=縁が切れる」と連想させるためこちらも避けるべきです。 しかし最近では数字をあまり気にしない人も多くいるので、相手や状況に応じて判断をしましょう。

金額は故人や遺族との関係を考えて設定する

香典(不祝儀)で包む金額は、故人や遺族との関係性を考慮して決めましょう。 特徴としては自身の年齢が上がるほど、また血縁関係が近いほど不祝儀(香典)の金額が高くなります。 高額になっても遺族は困惑しますので、相場に応じた金額を包むようにしましょう。 金額相場は後ほど詳しく解説いたしますのでご参考になさってください。

金額に迷う時は同じような立場の人と相談して決める

香典(不祝儀)の金額で迷う際は、同じ立場の人と相談して金額を決めると良いです。 少額、高額になることを防ぐことができます。 また次の場合は、金額相場よりも多めに出しましょう。

  • 故人が近親者や親しい友人等の場合
  • 故人が世帯主など一家の中心的存在だった場合
  • 自分が肩書きのある立場である場合

法要で包むお金は香典の約半額が目安

 通夜や葬式で包む金品を「不祝儀、香典」と言うのに対して、葬式後の四十九日(仏式)や追悼ミサ(キリスト教)などの法要で包むお金は「御供物料(おくもつりょう)」と言います。 よく法要で包むお金を「香典」と言う人がいますが、これは厳密には誤りになります。 法要に招かれ参加する場合は、線香や果物などの「供物(くもつ)」もしくは供物料を持参します。 法要の際に包む供物料は、不祝儀(香典)で包んだ金額の約半分を目安にすると良いです。 御供物料の包み方は香典(不祝儀)と同じです。 上包みに書く表書きの書き方が変わりますので下記で詳しく解説します。

香典の金額相場

不祝儀(香典)の金額は故人との関係性や立場、また自身の年齢によって決まります

親族

故人が親族の場合、香典(不祝儀)の金額相場は5,000円〜100,000円程度です。 自身の年齢や地域などよって相場は異なりますが、下記の金額を包むことが多いです。

  • 祖父母:1万〜3万円
  • 両親:5万〜10万円
  • 子供:10万円前後
  • 兄弟姉妹:1万〜5万円
  • 子供の配偶者の親:3万〜5万円
  • 孫:1万〜3万円
  • おじ、おば:1万〜3万円
  • いとこ:1万〜3万円
  • 上記以外の親戚:5千円〜2万円
不祝儀(香典)の金額相場一覧表
贈り先 20代 30代 40代 50代 60代以上
祖父母 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
両親 〜50,000円 50,000円 50,000円 100,000円 100,000円〜
兄弟姉妹 10,000円 30,000円 30,000円 50,000円 50,000円
おじ・おば 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
上記以外の親戚 5,000円 5,000円 10,000円 10,000円 10,000円

参考:全日本冠婚葬祭互助協会

職場関係

故人が仕事関係の場合、香典(不祝儀)の金額相場は3,000円〜10,000円程度です。 上司、同僚、取引先などの関係性に応じて金額は異なります。 職場の仲間と連名で香典を包む際は事前に金額を相談しましょう。 上司よりも高い金額にならないように包むのが無難です。

不祝儀(香典)の金額相場一覧表
贈り先 20代 30代 40代 50代 60代以上
職場関係 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円
勤務先社員の家族 3,000円 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円
取引先関係 3,000円 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円

参考:全日本冠婚葬祭互助協会

友人・知人

故人が友人や知人の場合、香典(不祝儀)の金額相場は2,000円〜10,000円程度です。 親しい友人は10,000円以上を包む場合もあります。 隣人や学生時代の友人などは少額を包む傾向があります。

不祝儀(香典)の金額相場一覧表
贈り先 20代 30代 40代 50代 60代以上
友人・その家族 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円
隣人・知人 3,000円 5,000円 5,000円 5,000円 5,000円

参考:全日本冠婚葬祭互助協会

香典袋(不祝儀袋)の選び方

故人の宗教・宗派に合わせる

弔事で使用する封筒のことを「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」または「香典袋」と言います。 一般的な不祝儀袋(香典袋)は下記の3点がセットになっていて、スーパーマーケットやコンビニなどで購入が可能です。

  • 上包み(外包み、香典袋、外袋、表袋とも)
  • 中包み(封筒の場合は中袋、内袋とも)
  • 水引き(ヒモのようなもの、印字されている場合もある)

不祝儀袋(香典袋)は故人の宗教や宗派に合わせたものを用意しましょう。 選ぶポイントは、 ①上包み(外袋)の絵柄 ②表書き ③水引きの色 です。 下記の表にまとめてみましたのでご参考になさってください。

宗教・宗派 水引き 表書き
仏教(仏式) 菊の花・蓮の花 黒白・双銀 御香典・御霊前・御香料・御供料・御仏前(御佛前)
※「御仏前」は浄土真宗のみ、「御霊前」は使わない
神道(神式) 無地 白一色
(黒白・双銀も可)
御榊料・御玉串料・神撰料・供物料・御神前・御霊前・御供物
キリスト教 百合の花・十字架 つけない 【カトリック】御ミサ料・御霊前
【プロテスタント】忌慰料
【共通】御花料(お花料)・御白花料
無宗教 無地 黒白・双銀・双白 御霊前・御供物料・御花料・志
※「志」は会費制の場合に用いる

包む金額に見合った袋を使う

香典袋(不祝儀袋)は故人の宗教・宗派に合わせたものを使用する必要があることは上記でご紹介しましたね。 それに加えて、包む金額に見合った香典袋(不祝儀袋)を選ぶことも大切です。 香典袋(不祝儀袋)は大きく分けると2つの種類があり、水引きが印刷されている「印刷多当」タイプと、水引きが印刷でなく付属されている「金封」タイプがあります。金封タイプには4種類があり、これらの不祝儀袋の違いは、袋の大きさ、水引きの種類や色、そして包む金額です。 金額が、1万円以下の場合は印刷多当を、1万円以上の場合は金封の袋を使用します。

  • 1〜3万円水引金封
  • 〜10万円中金封
  • 10万円前後大金封
  • 10万円〜100万円〜特大金封

を使用します。 水引きの色は宗教や宗派によって異なりますが、〜3万円までは黒白それ以上の額は双銀のものを使うのが一般的です。

不祝儀袋の種類 特徴 水引きの色 包む金額
印刷多当 表書きや水引きが印刷されているもの
一般的なサイズ
黒白 〜1万円
水引金封 水引きが印刷でないもの
一般的なサイズ

黒白 1万円〜3万円
中金封 水引きが印刷でないもの
一般的なサイズ

双銀 5万円〜10万円
大金封 水引きが印刷でないもの
一般的なサイズより少し大きめ

双銀 10万円〜
特大金封 水引きが印刷でないもの
一番大きいサイズ
双銀 10万円〜100万円

香典(不祝儀)の書き方

香典袋(不祝儀袋)に金額などを記入する際は必ず薄墨を使用しましょう。 薄墨とは文字通り「薄くすった墨」のことです。 「悲しみの涙で墨が薄れる、突然のことで墨をする時間がない」という意味合いが込められています。 最近では毛筆ではなく薄いインクを使用した弔事用の筆ペンを使うのが一般的となっています。 基本的には全ての記入事項を薄墨の毛筆や筆ペンで書くのがマナーですが、金額や住所を相手にわかりやすく書くために中包み(中袋)はボールペンで書くのも良しとされています。

上包み|表書き

「表書き」とは、上包みの表面に書く「御霊前」などの言葉です。 表書きは故人の宗教や宗派に合わせて書く必要があります。事前に遺族に確認を取りましょう。 仏教(仏式)では「御香典」や「御霊前」と書くのが一般的です。 忌明けの四十九日法要まではまだ御霊(みたま)としてこの世にいらっしゃるという考えから「御霊前」を使い、それ以降に「御仏前(御佛前)」を使います。つまり「御仏前(御佛前)」は御供物料の表書きとして使います。 ただし仏教でも浄土真宗は、亡くなった人はすぐ仏様になるという考えから「御霊前」は使わず「御仏前(御佛前)」を使用します。 神道(神式)では「御玉串料」「御榊料」「御神撰料」などの表書きを使います。 「御霊前」も使用することができますが神式の場合は「みたまえ」と読みます。 「玉串(たまぐし)」とは神前に供える榊(さかき)の枝に紙や布の垂(しで)をつけた供物のことを指します。 「神撰(しんせん)」は神に供える飲食物の総称です。 キリスト教のカトリックでは「御ミサ料」「御霊前」、プロテスタントでは「忌慰料」の表書きを使います。 宗派が不明な場合は「御花料(お花料)」もしくは「御白花料」と書きます。 無宗教や宗教が不明な場合は「御花料」や「御供料」と書くのが無難です。 「御悔(おくやみ)」という表書きもありますが、あまり一般的ではないので避ける方が良いでしょう。 表書きを表にまとめましたのでご参考になさってください。

宗教・宗派 表書き
宗教・宗派問わず使用可能 御花料・御供料・御霊前(浄土真宗、プロテスタントを除く)
仏式 御香典・御霊前・御香料・御供料・御仏前(御佛前)
※「御仏前」は浄土真宗のみ、「御霊前」は使わない
仏式(浄土真宗) 御仏前(御佛前)・御香料
神式 御榊料・御玉串料・御神撰料・供物料・御神前・御霊前
キリスト教共通 御花料(お花料)・御白花料
キリスト教(カトリック) 御ミサ料・御霊前
キリスト教(プロテスタント) 忌慰料
無宗教 御霊前・御供物料、御花料、志
※「志」は会費制の場合に用いる

上包み|名前

香典袋(不祝儀袋)に書く名前は、香典を包む人の名前です。送り先の名前(宛名)は書きません。 基本的にはフルネームで記入します。 上包みに書く名前は表書きよりもやや小さめの字で書きます。 結婚したことを知らない相手に香典を包む場合は旧姓も合わせて書くと良いです。 上包みに現在の氏名を書き、左側に(旧姓 ○○)と書くか、上包みには現在の氏名を中包みには旧姓で氏名を書くという方法があります。 香典袋(不祝儀袋)の上包みに書く連名は最大3名程度にしましょう。 氏名を並べる順番は、目上の人が一番右側です。特に上下の区別がない場合は五十音順で記載します。 連名が4名以上の場合は上包みに代表者のみ氏名を記載し、左側に「外一同」と書き添えます。 部署などの団体で香典を包む際は「○○部一同」「○○会社有志」などと上包みに書きます。 全員の氏名は白無地紙(半紙や奉書紙など)に目上の人順に右側から書き中包み(内袋)に入れます。 夫婦連名の場合は中心より右寄りに夫の氏名を、その左に妻の名のみを記載します。

名前の書き方 説明
個人 基本的にはフルネーム。表書きよりもやや小さめの字で書く。
夫婦連名 中心右寄りに夫の氏名、左に妻の名のみを記入する。
連名(3名の場合) 目上の人が一番右側に来るように、上下関係がない場合は五十音順で右から記入する。
連名(4名以上の場合) 代表者のみ氏名を記入し左側に「外一同」と書き添える。
全員の氏名は白無地紙に目上の人順に右側から書き中包みに入れる。
旧姓 上包みに現在の氏名を書き左側に(旧姓 ○○)と記載する。
もしくは上包みには現在の氏名を中包みには旧姓で氏名を書く。
団体・グループ 上包みには「○○部一同」「○○会社有志」と書く。
全員の氏名は白無地紙に目上の人順に右側から書き中包みに入れる。

中包み|金額

上記でもご紹介したように、金額は大字(だいじ)で書くのが正式なマナーです。 最近は漢数字を使って書く人もいるようですが、厳密にはマナー違反になりますので注意しましょう。 金額は中包み(中袋)の裏面に書きます。 最近では遺族が見やすいようになどの理由で金額を表面に書く人も多いようです。 裏面に書く場合は右側の上か下に縦書きします。すでに記入欄が印刷されている場合は枠内に金額を記入します。 中包み(中袋)を使用しない場合は、上包みの裏面縦左半分の左側に金額を記入します。(縦左半分の右側には住所を書きます。) 香典袋の金額を横書きで記入する場合は大字や漢数字ではなく算用数字を使います。 例えば5,000円であれば「金 5,000圓(円)」となります。 算用数字を使う際は、3桁毎にカンマで区切ることも忘れないようにしましょう。 金額を書く際に「金 ○○圓也」と「也」をつける人がいますが、現在は「也」は不要です。 「也」は円以下に銭(せん)や厘(りん)というお金の単位があった時代に、それ以下の端数のないことを示す際に使われていたものです。 現在では円以下の単位はないので「也」はつけなくても問題はないのです。 主な金額の書き方を下記の表でまとめましたのでご参考になさってください。

不祝儀(香典)の金額の書き方一覧表
金額 書き方
3,000円 金 参仟圓
5,000円 金 伍仟圓
10,000円 金 壱萬圓
20,000円 金 弐萬圓
30,000円 金 参萬圓
50,000円 金 伍萬圓
100,000円 金 壱拾萬圓
300,000円 金 参拾萬圓
500,000円 金 伍拾萬圓
1,000,000円 金 百萬圓
5,000,000円 金 伍百萬圓
10,000,000円 金 壱仟萬圓

中包み|住所

住所は中包み裏面、縦左半分の中心寄りに縦書きで記入します。 中包み(中袋)を使用しない場合は、上包みの裏面縦左半分の右側に住所を記入します。(縦左半分の左側には金額を書きます。) 住所は氏名よりも小さめの字で書きましょう。 住所を書く理由は、遺族が後日礼状を贈るためです。 郵便番号は算用数字を用いて横書きする場合と、漢数字で縦書きする場合があります。 また「〒」の記号は使っても使わなくても良いです。 住所が長く一行に収まらない場合は二行で書いても構いません。 また故人と同郷の場合は都道府県名は省略することもあります。

中包み|名前

上包みにも名前は記入しますが、紛失等のトラブルを防ぐために中包み(中袋)にも名前を書きます。 中包み(中袋)に書く名前は中包み裏面縦左半分の左側に記入します。(名前の右隣には住所) 氏名は住所よりも大きめの文字で書きます。 中包み(中袋)に旧姓を書く場合は氏名よりも小さめの字で括弧書きで(旧姓 ○○)と記入します。

香典(不祝儀)の入れ方・包み方

お札は「顔を伏せる」ように入れる

不祝儀(香典)を包む際はお札の向きにも決まりがあります。 お札は人物の肖像画が印刷されている面が」とされています。 奉書紙や半紙などでの包み方は下記のイラストを参考になさってください。 弔事では包んだ紙の三角の部分が右下にくるようにするのがポイントです。 封筒にお札を入れる場合、弔事では「顔を伏せる」ように入れるのが一般的とされています。 封筒の」に対してお札が」を向くように入れますが、その際人物の顔が」を向くように入れます。 お札の人物像を伏せるように入れることで、故人に対する悲しみやお悔やみなどの気持ちを表します。 複数枚お札がある場合は、お札の向きを全て揃えて入れます。 遺族の手間を考え、中包みや上包みは糊付け(のりづけ)したり「〆」のシールを使って封を閉じる必要はありません。 なおお札の入れ方は、地域や宗教によって異なる場合があります。

水引きの結び方は「結びきり」が一般的

水引きの本数は、「凶」とされる偶数(2、4、6)本と決まっていましたが、最近では慶事兼用で「吉凶」とされる5本が主流となっています。 水引きの結び方には主に「結び切り」と「蝶結び」の2種類があります。 弔事など一度切りで二度と起こってほしくないことには「結び切り」を使います。 結び切りには「淡路結び(あわじ結び)」や「老いの波」などの応用編があります。 淡路結びは慶弔どちらにも使うことができますが、一般的には基本の真結びを使用します。 水引きの色が2色の場合、右に濃い色、左に薄い色がくるように結びます。 最近では、予め結ばれた状態で封筒にくぐらせるだけのタイプが販売されていることも多いです。

上包みの裏側の向きにも注意

上包みの折り方は慶事と弔事で異なります。 弔事では「悲しくてうつむいている」という意味で、上の折返しが上面にきます。(上の折返しを最後に折ります) 結婚などの慶事では「幸せがたくさん入ってくるように」という意味で、下の折返しが上面にきます。(下の折返しを最後に折ります) 折返しの向きを外から見て「喜びは向きに、悲しみは向きに」と覚えておくと便利です。

袱紗(ふくさ)の折り順は「右→下→上→左」

不祝儀袋(香典袋)を持参する際は袱紗(ふくさ)という1枚の布を使います。 袱紗の折り方も慶事と弔事で異なります。 布を折る順番は右→下→上→左です。 袱紗につめが付いている場合は、つめが左側にくるように広げます。 ポケット(台付き)タイプの袱紗の場合は、左開きの状態で不祝儀袋(香典袋)を入れます。 袱紗が無い場合に風呂敷やハンカチを代用する時も折り順は同じです。

香典(不祝儀)の渡し方

通夜・葬儀・告別式で渡す場合は受付時に渡すのが一般的

不祝儀(香典)は通夜や葬儀、告別式の受付で渡すのが基本です。 通夜や葬儀、告別式の両方に参列する場合、最初に弔問する通夜に不祝儀(香典)を渡すのが一般的です。 その場合葬儀や告別式で再度不祝儀(香典)を渡す必要はなく、受付で芳名帳への記帳だけを済ませます。 急な知らせで不祝儀(香典)の準備が出来ない場合は、告別式に渡しても問題ありません。 不祝儀(香典)をお供えする際、袱紗に包んだまま渡すのはNGです。 相手から袱紗が返ってくることを「不幸が返ってくる」として捉えられるためです。 必ず袱紗から取り出して渡すようにしましょう。 受付での不祝儀(香典)の渡し方の流れは、 ①不祝儀(香典)を袱紗から取り出し袱紗を手早く畳む ②畳んだ袱紗の上に表書きの正面を相手に向けてのせる ③「ご霊前にお供えください」「この度はご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」など御悔みの言葉を添えて両手で渡す です。 受付がない場合は、焼香の際に霊前にお供えするか遺族に直接渡します。 遺族に手渡しする時も相手に表書きの正面を向け、「ご霊前にお供えください」などと述べ両手で渡します。 祭壇にお供えする場合の流れは下記の通りです。 ①遺影に向かって一礼する ②不祝儀(香典)の正面を自分に向けて両手で置く ③焼香をする 焼香の後に遺族が霊前に向けて不祝儀(香典)を置き直すため、お供えする際は表書きの正面を自分に向けて置きます。 なお焼香は不祝儀(香典)を供える前に行っても構いません。

通夜や葬儀に参加できない場合は、後日直接渡すか郵送で送る

何かしらの都合で通夜や葬儀、告別式に参加できず不祝儀(香典)を渡せない場合は、後日直接遺族にお渡しするもしくは郵送で送ります。 仏式の場合だと、四十九日までの間に弔問を約束しお参りをさせてもらいます。 その際遺族に葬儀に参列できなかったお詫びをし、不祝儀(香典)をお供えします。 郵送で不祝儀(香典)を送る際の注意点は下記の通りです。

  • お悔やみの手紙を添える
  • 手紙は毛筆、薄墨色や濃紺色のインクで書く
  • 不祝儀袋に包んだ上で現金書留で送る
  • 訃報を聞いたらできるだけ早く送る

後日弔問に伺う場合でも、実際に弔問する前にお悔やみの手紙を送ると丁寧です。 お悔やみの手紙には下記の内容を記します。 ①訃報を聞いた驚きや悲しみ ②故人の冥福 ③遺族への慰めと励ましの言葉 ④参列できないことへのお詫びの言葉 ⑤末文 お悔やみの手紙を書く際の注意点は下記の通りです。

  • 白無地の便箋に縦書きし、一重の封筒を使う(二重の封筒は「不幸が重なる」と捉えられるため)
  • 忌み言葉は使わない(繰り返す、重ね重ね、たびたび、さらに、皆々様、死亡、四、九 など)
  • 「悲しみが重ならないように」という意味から「追伸」も使わない

お悔やみの手紙の文例は下記の通りです。

<お悔やみの手紙例> お父様の突然の訃報に接し、ただただ驚いております。 ご家族の皆様の悲嘆いかばかりかと心中拝察申し上げ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 お力落としとは存じますが、お体を損なわれることのないよう、どうぞご自愛くださいませ。 本来なら何をおいても参上してお焼香させていただくべきところですが、やむを得ない事情によりお伺いすることができず、誠に申し訳ございません。 いずれ機会を見てご挨拶に参りたいと考えております。 とり急ぎ書中をもって、お悔やみ申し上げます。 合掌

<お悔やみの手紙例> ご尊父様のご逝去の報に接し、ただ驚いております。 ご入院中とはうかがっておりましたが、ご家族様のご心中もいかばかりかと存じ、心よりお悔やみ申し上げます。 本来ならば、お参りさせていただくところですが、あいにく、遠方のため、伺うことがかなわぬ失礼をお許しください。 心ばかりのものを同封いたしますので、御霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。 お父上様を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

遺族が不祝儀(香典)を辞退することもある

家族葬など小規模の葬儀が主流になっている、また故人の意向などの理由で遺族が不祝儀(香典)の受け取りを辞退する場合もあります。 その場合は無理に渡すのは控えるべきです。 それでも故人や遺族に気持ちを伝えたい場合は、不祝儀(香典)以外の形でお供えをするという方法があります。 遺族に相談し、供花や供物などをお供えすることが可能です。 しかし遺族がこれらの受け取りも辞退するようであれば、無理に贈らないようにしましょう。

まとめ

●香典とは?

  • 「香典」とは「香の代わりに霊前に供える金品」
  • 「香奠」と書くのが正式だが、「奠」は常用漢字ではないため「香典」と代用して書くのが一般的。
  • 「香典」は仏教用語で正式には「不祝儀」。ただし「香典」が広く使われているため仏教以外でも「香典」と言うことが多い。

●香典(不祝儀)の金額に関するマナー

  • 新札や汚れ・シワが目立つ古いお札は避ける
  • 「4」・「9」・偶数(枚)は縁起が悪いとされているため弔事で使うのは避ける。
  • 金額は故人や遺族との関係を考えて設定する。
  • 金額に迷う時は同じような立場の人と相談して決める。
  • 法要で包むお金は香典の約半額が目安。

●香典の金額相場

  • 故人が親族の場合の相場は5,000円〜100,000円程度。
  • 故人が職場関係の場合の相場は3,000円〜10,000円程度。
  • 故人が友人や知人の場合の相場は2,000円〜10,000円程度。

●不祝儀袋(香典袋)の選び方

  • 選ぶポイントは①柄、②表書き、③水引きの色。
  • 故人の宗教や宗派に合わせた不祝儀袋を選ぶ。

●不祝儀(香典)の書き方

  • 必ず薄墨で書く。印刷やスタンプも可。
  • 表書きは故人の宗教や宗派に応じる。不明な場合は「御花料」や「御供料」と書く。
  • 上包みの氏名は表書きよりも小さめに書く。
  • 連名は最大3名、それ以上の場合は「外一同」とし別紙に全員の住所と名前を書く。
  • 金額、住所、氏名等は中包みの裏面に。金額は旧字体で書くのが一般的。
  • 会社名は名前の右横に名前より小さめに書く。
  • 代理の場合は芳名帳に(内)や(代)と記載する。

●不祝儀(香典)の入れ方・包み方

  • 新札を避け、お札の顔を伏せるように包む。
  • 上包みの裏面は上の折返しが上にくるように包む。
  • 袱紗の折り順は「右→下→左→上」。

●不祝儀(香典)の渡し方

  • 通夜の受付で渡すのが一般的、受付がない場合は直接遺族に渡すか祭壇にお供えする。
  • 通夜や葬儀に参列できない場合は後日弔問するか郵送で送る。
  • 遺族が受け取りを辞退する可能性もある、その場合は無理にお供えしない。

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