女性の四十九日の服装は遺族は正・準喪服を、参列者は準喪服を着用します。和装の正喪服は黒無地の染め抜き五つ紋付き、洋装はブラックフォーマルドレスです。準喪服の場合は洋装の着用が多く、光沢感のない黒無地のスーツ、ワンピース、アンサンブルが基本です。ファッション小物は黒で統一しアクセサリーは控えめにします。
「四十九日」とは仏教の法要の名称のひとつです。 故人の死後49日目の法要のことを指し、本来は「七七日(なななのか)」と呼ぶのが正式ですが、便宜上「四十九日」を用いることが多いです。 仏教では次の生を受けるまでの49日間に、故人の生前の罪の裁きが冥界(死後の世界)の神々によって、7日ごとに計7回行われるという言い伝えがあります。 最後の審判が49日目に行われるといわれているため、四十九日法要(七七日法要)は、一周忌までの法要の中で最も重要な追善供養の儀式です。 また四十九日法要(七七日法要)をもって忌明け(きあけ:忌み慎んでいた期間が終わること)となり、遺族は通常の生活へと戻ります。
四十九日法要では喪服を身につけることが正式なマナーとされています。 女性の喪服には下記の3種類があり、それぞれの違いは格式です。
3種類の喪服それぞれに和装と洋装があります。 和装と洋装で格式の差はないのですが、一般的に和装が洋装よりも格式が高いという印象を与えることが多いです。 最近は儀式や服装が簡略化されていることから、和装を身につけること自体が少なくなっています。 平服とは「普段着」と辞書には載っていますが、冠婚葬祭では略喪服(略礼装)のことを指します。 私服は喪服に含まれませんので注意が必要です。
四十九日法要で施主が着るのは正喪服(正礼装)が一般的です。施主以外にも世話役なども正喪服を着用することがあります。 施主以外の遺族は正喪服(正礼装)もしくは準喪服(準礼装)を着用します。 弔問客が正喪服(正礼装)を四十九日で着用することはほとんどありません。 女性の正喪服(正礼装)は、和装の場合は黒無地の染め抜き五つ紋付きの着物に黒喪帯です。 帯、帯揚、帯締、バッグなどの小物は黒で統一します。 なお喪章(喪中であることを示す印)は、和装には本来つけませんが、つける場合は蝶形にして胸につけます。 正喪服(正礼装)の洋装はブラックフォーマルです。 肌の露出がないよう、襟元が詰まっていて袖は長い袖のものを着用します。 スカートはひざ下丈〜くるぶし丈が正式です。黒の手袋もつけます。 女性の正喪服(正礼装)でパンツスーツはマナー違反とされていますので注意しましょう。 準喪服(準礼装)はブラックフォーマルスーツです。 男性のブラックスーツと同様に光沢感のない黒無地のものでスーツ、ワンピース、アンサンブルのことを指します。 正喪服(正礼装)ではパンツスーツはNGとされていますが、準喪服(準礼装)ではパンツスーツの着用も可です。 袖丈は5分袖・7分袖・長袖でスカートはひざ丈のものを身に着けるのがマナーです。 女性の準喪服(準礼装)は和装ではなく洋装を選ぶのが一般的です。
四十九日で弔問客(参列者)が着るのは準喪服(準礼装)が一般的です。 また施主以外の遺族も準喪服(準礼装)を身につけることがあります。 準喪服(準礼装)を身につける場合は、和装ではなく洋装を着用するのが一般的です。 理由としては、施主以外の参列者の服装は施主の服装よりも格式が高いものではあってはいけないからです。 身内だけの四十九日などでは略喪服(略礼装)を身につける場合もあります。 その場合は、グレーや濃紺などのダークスーツを着用します。
私服は喪服には含まれませんので、私服で四十九日法要に参列するのは基本的にはNGです。 一般的には遺族も弔問客も正式な喪服の着用がマナーとされています。 地域や家庭によっては私服での参列も可能な場合もありますが、その場合でもカジュアルな素材や服装は避けましょう。
四十九日に参列する際の化粧は控えめにします。 ファンデーションやアイメイクなどは薄くし、ナチュラルに仕上げるのがマナーです。 口紅はつけないのが基本ですが、派手な色でなければつけても構いません。 ネイルアートやマニキュアをしている場合は落とすのが原則です。 また髪が長い場合はまとめ髪にしますが、髪飾りはつけません。
妊婦が四十九日に参列する場合は、最低限のマナーは守りつつ体調を考慮した服装でも問題ないといわれています。 体を締め付けないようにワンピースを身につけることが一般的です。 妊婦用の喪服の販売やレンタルがありますので、それらを利用するのも良いでしょう。 肌の露出はマナー違反になりますので袖のあるワンピースが好ましいですが、袖なしのワンピースの場合は黒の羽織も合わせて着用します。 また体が冷えないように生地が厚めのストッキングを履きましょう。タイツは厳密にはマナー違反なのですが、妊婦さんの場合は履いても構いません。 靴はヒールの高さが低いパンプスを履きましょう。 ただし出産直前の妊婦さんは、体調を考慮し参列を辞退する方が良いでしょう。 無理をせず、参列が難しい場合はその旨を早めに施主側に伝えておきます。
四十九日法要が夏に行われる場合でも、肌の露出は避けましょう。 ノースリーブなど袖のない喪服、丈の短いスカート、深い胸開きなどはマナー違反となります。 また法要中に上着を脱いだり袖をまくって肌を見せたりすることも避けるべきです。 暑い中の参列は体調を崩してしまう可能性もあるので、通気性の良い夏用の喪服を着用したり、冷えたハンカチやタオルなどを持参することをおすすめします。
四十九日法要が冬に行われる場合は、喪服の上からコートを羽織ります。 会場内ではコートは脱いで法要に参列するのが一般的ですが、屋外で執り行われる場合は焼香時以外は着たままでも良いです。 注意すべき点はコートの色と素材です。 コートの色は黒、紺、グレーなどの暗い色が基本です。 皮革などの素材は殺生を連想させるため着用は控えます。 光沢のあるものやスポーティーな素材のものも避けるべきです。 またタイツの着用は正式にはマナー違反となりますので、厚めのストッキングが良いでしょう。 マフラーや手袋などを着用する際は、できるだけ黒やグレーのものにします。
四十九日法要に参列する際、結婚指輪や婚約指輪はつけていて問題ないですが、それ以外の指輪は外します。 石がついている指輪は石を内側に隠して目立たないようにします。 結婚(婚約)指輪でも、色やデザインが派手な場合は外す方が無難でしょう。
ネックレスをつける場合は、必ず一重のもののみをつけましょう。 二重や三重のネックレスは「不幸が重なる」と連想されるため弔事では使うべきではないためです。 ネックレスと一緒にイヤリング(ピアス)をつける場合は、同じ種類のものを身につけると良いでしょう。
靴は黒で光沢のないシンプルなデザインのパンプスが基本です。(和装の場合は鼻緒が黒の草履) ピンヒールやフラットシューズの着用は避けます。 また色や柄が派手なものやブランド品、金具のついた靴も四十九日には不向きです。
和装でも洋装でも、バッグは黒色のものを持つのが基本です。 布製が好ましく、革製やブランド品は避ける方が良いです。 また大きさは小型のものが一般的です。
一般的に、乳幼児の四十九日法要の参列は控えることがマナーといわれています。 法要中に泣いてしまい進行の妨げになる可能性があるためです。 ここでは、四十九日に子供が参列する場合の服装をご紹介します。
幼児園児や中学生、高校生などで学校の制服がある場合は、制服を着て四十九日法要に参列をします。 制服の色や柄が派手で法要に適さない場合は、制服以外を身につける方が良いでしょう。 スニーカーはマナー違反となりますので、黒の革靴を履きましょう。
小学生や大学生などで学校の制服がない場合は、地味な色の服を着用します。 色は黒、紺、グレーなどのダークカラーのものが好ましいです。 男児の場合は、白シャツにブレザーやズボンが一般的です。 女児の場合は、白ブラウスにブレザーやスカート、ワンピースなどを身に着けます。 靴下は白もしくは黒、靴は革靴が理想です。 派手な柄や装飾がついた服は法要には適さないので避ける方が無難でしょう。
●四十九日とは?
●女性の喪服について
●四十九日の女性の服装の注意点
●四十九日の女性のアクセサリーの注意点
●四十九日の子供の服装