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身内だけの四十九日法要の服装のマナー|私服や平服でOK?

身内だけで四十九日を行う場合も、基本的には正式な喪服を身につけるのがマナーとされています。喪服には正・準・略喪服(礼装)の3種類があり、四十九日では準喪服を身につけるのが一般的です。地域や家庭によっては身内だけで四十九日を行う場合、略喪服(略礼装、平服)でも良い場合がありますので、事前に遺族に確認を行いましょう。

四十九日とは?

「四十九日」とは仏教の法要の名称のひとつです。 故人の死後49日目の法要のことを指し、本来は「七七日(なななのか)」と呼ぶのが正式ですが、便宜上「四十九日」を用いることが多いです。 仏教では次の生を受けるまでの49日間に、故人の生前の罪の裁きが冥界(死後の世界)の神々によって、7日ごとに計7回行われるという言い伝えがあります。 最後の審判が49日目に行われるといわれているため、四十九日法要(七七日法要)は、一周忌までの法要の中で最も重要な追善供養の儀式です。 また四十九日法要(七七日法要)をもって忌明け(きあけ:忌み慎んでいた期間が終わること)となり、遺族は通常の生活へと戻ります。

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喪服の種類

喪服には3段階の格式がありますのでご紹介していきます。

正喪服(正礼装)

喪服の中で最も格式が高いといわれるのが正喪服(正礼装)です。 和装と洋装で格式の差はないのですが、一般的に和装が洋装よりも格式が高いという印象を与えることが多いです。 正喪服(正礼服)は主に喪主や世話役が葬儀や告別式で身につけます。

準喪服(準礼装)

正喪服(正礼装)の次に格式の高い喪服を準喪服(準礼装)といいます。 一般的に喪服と呼ばれるものが準喪服(準礼装)に該当します。 葬儀や告別式、法要などで遺族や弔問客が着用することが一般的です。 四十九日法要では準喪服(準礼装)を身につけるのがマナーとされています。

略喪服(略礼装、平服)

喪服の中で最も格式の低いものを略喪服(略礼装)といいます。 喪服の中では一番日常の服装に近く、平服とよぶこともあります。 平服とは「普段着」と辞書には載っていますが、冠婚葬祭では略喪服(略礼装)のことを指します。 主に弔問客が法要で身につけますが、初七日や四十九日などの重要な法要では略喪服(略礼装)ではなく準喪服(準礼装)の着用の方が一般的です。

私服は論外

私服は喪服には含まれませんので、身内だけの四十九日であっても私服で四十九日法要に参列するのは基本的にはNGです。 地域や家庭によっては私服での参列も可能な場合もありますが、一般的には正式な喪服(準喪服)の着用がマナーとされています。 身内だけの四十九日の服装に関しては、事前にしっかりと確認した上で失礼のないような服装を身につけるようにしましょう。

和装よりも洋装を着用することがほとんど

喪服には和装と洋装の2つのタイプがあります。 上記でもご紹介したように和装と洋装とでは元々格式の差はないのですが、一般的に和装の方が格式が高い印象を与えるといわれています。 格式の高い喪服を身につけるのは施主など限定的な人になり、それ以外の参列者の服装は格式低いものである必要があります。 よって身内だけの四十九日では洋装の準喪服(もしくは略喪服)を身につけることがほとんどです。

身内だけの四十九日の男性の服装

準喪服(準礼装)

上記で説明した通り、四十九日法要では洋装の準喪服(準礼装)を着るのが一般的です。 男性の場合はブラックスーツが準喪服(準礼装)になります。ブラックスーツとは冠婚葬祭用のスーツのことを指します。 一般的なビジネススーツとは異なります。色は漆黒に近い黒色で光沢や艶はありません。 ビジネススーツとして売られている黒色のスーツは準喪服(準礼装)には該当しませんので注意が必要です。 詳細は下記の表を参考にしてください。

男性洋装
正準略別 準礼装
呼称 ブラックスーツ
スタイリング 上着は背広型のシングルかダブル。ズボンは共地か地味な縞ズボン。ベストは上着と共地の黒
素材 黒のドレスウーステッド、バラシア、ドスキン、カシミヤ、タキシードクロス、モヘア、ポーラーなども可。ダークグレー、濃紺でも良い
コート 黒、ダークグレー、濃紺のチェスターフィールド、黒・ダークグレー・濃紺のレイントップコートなども可
シャツ 白のソフトカラー(並襟)のドレスシャツ
ネクタイ 黒の無地か紋織柄
あまり飾りのない黒の短靴
帽子 ダークグレー、濃紺のスナップハット(中折帽)
手袋 なくても良い
装身具 黒のポケットチーフ、黒台(オニクス、黒曜石など)のカフスボタン
禁忌 ・モーニングコートのベストの白べりは必ず外す
・グレー、ベージュ、タッタソールなどのファンシーベストは不可
・スポーティーな素材は不可
・ハンチングやベレー帽などは不可
・濃紺その他のカラーシャツは不可
・靴はエナメル皮、スポーティーなものは不可。大きな金具も不可
・四親等の親族までは喪章をつけ、それ以外の人は不要
・スポーツコートは不可

略喪服(略礼装、平服)

上記の準喪服(準礼装)に加えて、略喪服(平服)を身につけることもあります。 男性の場合の略喪服(略礼装、平服)は、紺色やグレーのダークスーツが基本となります。

男性洋装
正準略別 略礼装
呼称 ダークスーツ
スタイリング 背広型のシングルかダブルの上下、あるいは三つぞろい
素材 黒のドレスウーステッド、バラシア、ドスキン、カシミヤ、タキシードクロス、モヘア、ポーラーなども可。ダークグレー、濃紺でも良い
コート 黒、ダークグレー、濃紺のチェスターフィールド、黒・ダークグレー・濃紺のレイントップコートなども可
シャツ 白のソフトカラー(並襟)のドレスシャツ
ネクタイ 黒の無地か紋織柄
あまり飾りのない黒の短靴
帽子 ダークグレー、濃紺のスナップハット(中折帽)
手袋 なくても良い
装身具 黒のポケットチーフ、黒台(オニクス、黒曜石など)のカフスボタン
禁忌 ・モーニングコートのベストの白べりは必ず外す
・グレー、ベージュ、タッタソールなどのファンシーベストは不可
・スポーティーな素材は不可
・濃紺その他のカラーシャツは不可
・四親等の親族までは喪章をつけ、それ以外の人は不要
・スポーツコートは不可

身内だけの四十九日の女性の服装

準喪服(準礼装)

女性の準喪服(準礼装)はブラックフォーマルスーツです。 男性のブラックスーツと同様に光沢感のない黒無地のスーツ、ワンピース、アンサンブルのことを指します。 正喪服(正礼装)ではパンツスーツはNGとされていますが、準喪服(準礼装)ではパンツスーツの着用も可です。 袖丈は5分袖・7分袖・長袖でスカートはひざ丈のものを身に着けるのがマナーです。 メイクは薄化粧にし、マニキュアやネイルアートをしている場合は落として参列します。 髪が長い場合はまとめ髪にします。

女性洋装
正準略別 準礼装
スタイリング ワンピース、アンサンブル、セパレーツなど。丈はノーマルより長めにする。夏は半袖も可
素材 黒の無地。光沢のあるもの、透けるものは不可。地味な紋織、変わり織、レース、変わり素材の部分使いはよい。無彩色、濃紺も可。
コート セミフォーマルコート。無地で黒、グレー、紺などでもよい
靴下 黒または濃い肌色のストッキング
光沢や金具のない黒のパンプスかオックスフォード
帽子 黒でつばのないものをかぶる。夏はつばがあってもよいが、派手なものは避ける
手袋 黒。光らず、透けないもの。普通丈。ごく正式には革
バッグ 黒。小型で光沢のない布製か皮製でもよい
禁忌 ・ラメ、透けるレースは不可
・原色は全て不可。グリーン、ブランは避ける
・深い胸開き、袖なしはどんな場合でも不可
・四親等の親族までは喪章をつけ、それ以外の人は不要

略喪服(略礼装、平服)

身内だけの四十九日では略喪服(略礼装)を着用することもあります。 女性の場合の略喪服(略礼装)は準喪服(準礼装)よりも少しカジュアルめな服装です。 地味な色のワンピースやスーツ、アンサンブルなどを身につけ落ち着いた服装を心がけましょう。 詳細は下記の通りです。

女性洋装
正準略別 略礼装
スタイリング ブラウスとスカートでもよいが、なるべくクラシックかオーソドックスタイプのもの
素材 レース、変わり素材の部分使いはよい。無彩色、濃紺も可紺、グレー、紫などで地味なものは良い
コート 地味な色の無地か、無地に近いものを。カジュアルなものは避ける
靴下 肌色ストッキング
光沢や金具のない黒のパンプスかオックスフォード
帽子 かぶらなくてもよい
手袋 とくに必要なし
バッグ 小型であれば街着用でもよい
禁忌 ・ラメ、透けるレースは不可
・原色は全て不可。グリーン、ブランは避ける
・深い胸開き、袖なしはどんな場合でも不可
・四親等の親族までは喪章をつけ、それ以外の人は不要

身内だけの四十九日の小物・アクセサリーの注意点

アクセサリーは控えめにする

身内だけの四十九日に参列する際は、指輪やネックレス、時計などのアクセサリーは色も柄も控えめにするのがマナーです。 シルバー系のものをつけ、ゴールド系や派手な色のものは着用を避けます。 男性の場合はネクタイピンはせず、カフスボタンはシルバー系かオニキス、黒曜石などのカフスボタンをつけます。 女性の場合は、ネックレスやイヤリングやピアスはパールやオニキス、黒サンゴ、黒曜石などの光らない黒の石ものが正式です。

結婚指輪以外の指輪は外す

結婚指輪や婚約指輪はつけていて問題ないですが、色のある石がついている指輪は石を内側に隠します。 結婚指輪や婚約指輪以外の指輪は外して参列するのが一般的です。

ネックレスは一重のもののみ

ネックレスを着用する際は、一重のもののみを着用しましょう。 二重や三重のネックレスは、「不幸が重なる」などという理由で弔事では避けるのがマナーです。 またネックレスとイヤリング(ピアス)を一緒につける場合は、同じ石のものを身につけます。

派手な色や柄のものは避ける

アクセサリーと同様にネクタイやシャツ、バッグなども派手な色や柄のものは避けるのがマナーです。 基本的には黒、グレー、濃紺のものを身に付け、グリーンやブラウンなどの色や原色系は避けます。 また柄は無地や縞のものが理想で、それ以外の派手な柄は避ける方が無難でしょう。

革製品やブランド物は避ける

靴やバッグなどは革製品やブランド品は避けましょう。 またエナメルやメタリックなどの光沢のあるものも身に着けないのがマナーです。 靴やバッグに派手な金具がついているものも避ける方が良いでしょう。

帽子や手袋はなくても良い

ファッション小物として帽子や手袋などがありますが、身内だけの四十九日ではこれらは身に着けなくても良いとされています。 帽子を身につける場合は、光沢や装飾があるものを避け、小型な帽子を着用しましょう。 男性はスナップハット(中折帽)が一般的でハンチングやベレー帽などは避けます。 女性はつばのない帽子が一般的です。畳に座る四十九日の場合は帽子は身に着けない方が良いです。

身内だけの四十九日の子供の服装

子供が参列する場合は、基本的に学校の制服を身に着けます。 制服の色が派手で法要に適さない場合や制服がない場合は、グレーや濃紺などの地味な色のスーツやワンピースなどを購入しましょう。 靴がカジュアルになりすぎないよう、スニーカーではなく革靴を履いて参列します。

まとめ

●四十九日とは?

  • 「四十九日」とは故人の死後49日目に行う仏教の追善供養の儀式。正式には「七七日(なななのか)」と呼ぶが便宜上「四十九日」を用いることが多い。
  • 故人の死から49日目に閻魔大王の判決が下るといわれているため、四十九日法要は一周忌までの法要の中で最も重要。
  • 四十九日法要をもって忌明け(忌み慎んでいた期間が終わること)となり、遺族は通常の生活に戻る。

●喪服の種類

  • 喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類がある。
  • 正喪服(正礼装)は喪服の中で最も格式が高く喪主や世話役が葬儀や告別式で着用する。
  • 準喪服(準礼装)は一般的に喪服と呼ばれるもの。葬儀や告別式、法要などで遺族や弔問客が着用する。
  • 略喪服(略礼装)は最も格式が低く、平服ともいう。弔問客が一周忌や三回忌以降の法要で身につける。
  • 私服は喪服には含まれないので、四十九日法要に私服で参列するのは基本的にNG
  • 和装は施主など限定的な人のみが葬儀・告別式で着用するため、四十九日に参列する場合は洋装にすることが多い。

●身内だけの四十九日の男性の服装

  • 男性の準喪服(準礼装)は冠婚葬祭用のブラックスーツが主流。
  • 略喪服(略礼装)を着用する場合はグレーや濃紺のダークスーツ。

●身内だけの四十九日の女性の服装

  • 女性の準喪服(準礼装)は黒無地のスーツ、ワンピース、アンサンブルが主流。
  • 略喪服(略礼装)を着用する場合は地味な色のスーツやワンピース、アンサンブルなど。

●身内だけの四十九日の小物・アクセサリーの注意点

  • アクセサリーはシルバー系などの控えめなもののみを身につける。
  • 指輪は結婚、婚約指輪以外は外す。色付き石の場合は石を内側の手のひらに向けて隠す。
  • 重ねることを嫌う弔事では二重以上のネックレスは身につけない。
  • 靴やバッグなどのファッション小物は派手な色や柄物、革製品やブランド品を避ける。
  • 手袋や帽子は身に着けなくても良い。

●身内だけの四十九日の子供の服装

  • 学校の制服がある場合は、制服を着用するのが一般的。ただし派手な色や柄など法要に適さない場合は別途用意をする。
  • 制服がない場合はグレーや濃紺など地味な色のスーツやワンピースを購入し着用する。
  • 靴はスニーカーではなく革靴を履く。

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