夏の四十九日法要で注意すべき点は、肌を露出しないことです。夏は暑いですが、地肌を見せないことがマナーとされています。半袖は可ですがノースリーブなど袖なしの喪服は避けましょう。四十九日では施主や遺族は正喪服、参列者は準喪服を身につけることが一般的です。
「四十九日」とは仏教の法要の名称のひとつです。 故人の死後49日目の法要のことを指し、本来は「七七日(なななのか)」と呼ぶのが正式ですが、便宜上「四十九日」を用いることが多いです。 仏教では次の生を受けるまでの49日間に、故人の生前の罪の裁きが冥界(死後の世界)の神々によって、7日ごとに計7回行われるという言い伝えがあります。 最後の審判が49日目に行われるといわれているため、四十九日法要(七七日法要)は、一周忌までの法要の中で最も重要な追善供養の儀式です。 また四十九日法要(七七日法要)をもって忌明け(きあけ:忌み慎んでいた期間が終わること)となり、遺族は通常の生活へと戻ります。
四十九日法要が夏に行われる場合でも、肌の露出は避けるのがマナーです。 ノースリーブなど袖のない喪服、丈の短いスカート、深い胸開きなどはマナー違反となりますので注意しましょう。 半袖のワイシャツやワンピースなどは可ですが、五分袖や七分袖の方が好ましいです。 サンダルやミュールなどの着用もNGです。
夏は暑いですが、ジャケットは羽織るのがマナーです。 待ち時間や会食など、上着を脱いでも良い時もありますが、法要中は正式な服装で参列すべきです。 法要中に上着を脱いだり、袖をまくって肌を見せたりすることも避けましょう。
暑い夏でも正式な喪服の着用がマナーですので、夏用の喪服がおすすめです。 夏用は通気性や吸汗性の良い素材で作られているため、汗をかきにくいです。 夏用の喪服には麻のジャケットやシースルーカーディガンなどがあります。
夏場の四十九日であっても、ネクタイは身につけるのが基本です。 暑さを理由に、法要の途中にネクタイを外したりするのはマナー違反となります。 会食などではネクタイを外してもよい場合がありますが、必ず遺族などに確認をしましょう。
夏は汗をかきやすいので、ワイシャツや靴下などの着替えを持参することをおすすめします。 喪服を持参して会場で着替えるという方法もあります。 汗を放置すると体調を崩したり周囲に迷惑がかかる可能性があるので、しっかりとした対策を取りましょう。
暑さをしのぐために日傘や扇子を使用することがあると思います。 使うタイミングは考慮する必要がありますが、使うこと自体はマナー違反にはならないことがほとんどです。 日傘や扇子は基本的に黒のものがベストですが、グレーや白なども可能です。
汗を拭く際に使用するハンカチやハンドタオルは白無地か黒のものを用意しましょう。 派手な色や柄のものはマナー違反となります。 大きさはコンパクトなものが好ましいため、フェイスタオルなどの使用は控える方が良いでしょう。
四十九日法要の所要時間は約30〜1時間程度です。 夏場は暑いため、たとえ短時間でも体調を崩してしまう可能性があります。 飲料は遺族が用意していることが多いですが、念の為に持参しておくことをおすすめします。 法要の途中で気分が悪くなったら無理をせずにこまめに水分補給を行いましょう。
四十九日法要では喪服を身につけることが正式なマナーとされています。 男性の喪服には下記の3種類があり、それぞれの違いは格式です。
3種類の喪服それぞれに和装と洋装があります。 和装と洋装で格式の差はないのですが、一般的に和装が洋装よりも格式が高いという印象を与えることが多いです。 最近は儀式や服装が簡略化されていることから、和装を身につけること自体が少なくなっています。 平服とは「普段着」と辞書には載っていますが、冠婚葬祭では略喪服(略礼装)のことを指します。 私服は喪服に含まれませんので注意が必要です。
四十九日法要で施主が着るのは正喪服(正礼装)が一般的です。施主以外にも世話役なども正喪服を着用することがあります。 施主以外の遺族は正喪服(正礼装)もしくは準喪服(準礼装)を着用します。 弔問客が正喪服(正礼装)を四十九日で着用することはほとんどありません。 男性の正喪服(正礼装)は、和装の場合は黒羽二重の染め抜き五つ紋つき羽織と着物に仙台平(または博多平)の袴です。 帯や羽織紐、草履などの小物は黒で統一するのが正式なマナーです。 なお喪章(喪中であることを示す印)は、和装には本来つけませんが、つける場合は蝶形にして胸につけます。 正喪服(正礼装)の洋装はモーニングコートです。黒の上着と縞のズボンが一般的です。 ネクタイ、靴下、靴、ポケットチーフなどの小物は全て黒で統一します。
四十九日で弔問客(参列者)が着るのは準喪服(準礼装)が一般的です。 また施主以外の遺族も準喪服(準礼装)を身につけることがあります。 準喪服(準礼装)を身につける場合は、和装ではなく洋装を着用するのが一般的です。 理由としては、施主以外の参列者の服装は施主の服装よりも格式が高いものではあってはいけないからです。 男性の準喪服(準礼装)は、ブラックスーツです。ブラックスーツとは色は漆黒に近い黒色で光沢や艶がない冠婚葬祭用のスーツのことを指します。 ビジネススーツとして売られている黒色のスーツは準喪服(準礼装)には該当しませんので注意が必要です。 身内だけの四十九日などでは略喪服(略礼装)を身につける場合もあります。 その場合は、グレーや濃紺などのダークスーツを着用します。
四十九日法要に参列する際の指輪やネックレス、時計などのアクセサリーは控えめにするのがマナーです。 シルバー系のものをつけ、ゴールド系や派手な色のものは着用を避けます。 男性の場合はネクタイピンはせず、カフスボタンはシルバー系かオニキス、黒曜石などのカフスボタンをつけます。 結婚指輪や婚約指輪はつけていて問題ないですが、それ以外の指輪は外します。 金具などがついてベルトや靴の着用は避けるべきです。
男性と同じように、女性の喪服も3種類あります。
女性の喪服にも和装と洋装がありますが、男性と同様に洋装の着用が昨今は多いです。
男性と同じように、四十九日法要では施主や遺族は正喪服(正礼装)を身に着けます。 服装を簡略化する場合は準喪服(準礼装)を着用します。 女性の正喪服(正礼装)は、和装の場合は黒無地の染め抜き五つ紋付きの着物に黒喪帯です。 帯、帯揚、帯締、バッグなどの小物は黒で統一します。 正喪服(正礼装)の洋装はブラックフォーマルドレスです。 肌の露出がないよう、襟元が詰まっていて袖は長い袖のものを着用します。 スカートはひざ下丈〜くるぶし丈が正式です。黒の手袋もつけます。 女性の正喪服(正礼装)でパンツスーツはマナー違反とされていますので注意しましょう。 準喪服(準礼装)はブラックフォーマルスーツです。 男性のブラックスーツと同様に光沢感のない黒無地のものでスーツ、ワンピース、アンサンブルのことを指します。 正喪服(正礼装)ではパンツスーツはNGとされていますが、準喪服(準礼装)ではパンツスーツの着用も可です。 袖丈は5分袖・7分袖・長袖でスカートはひざ丈のものを身に着けるのがマナーです。
こちらも男性と同様に、四十九日法要で弔問客が着用するのは準喪服(準礼装)が基本です。 遺族が身に着ける場合もあります。 注意点としては、遺族の服装が参列者の服装よりも格下にならないようにすることです。 遺族の服装が最も格式高いものである必要がありますので、あまりにもカジュアルな服装は避けましょう。 また、準喪服(準礼装)ではなく略喪服(略礼装)を着用することもあります。 その場合は、ブラックフォーマルスーツ以外の地味な色(グレーや紺など)のワンピースやスーツ、アンサンブルを着ます。
妊婦が四十九日に参列する場合は、最低限のマナーは守りつつ体調を考慮した服装でも問題ないといわれています。 体を締め付けないようにワンピースを身につけることが一般的です。 妊婦用の喪服の販売やレンタルがありますので、それらを利用するのも良いでしょう。 肌の露出はマナー違反になりますので、袖のあるワンピースが好ましいですが袖なしのワンピースの場合は黒の羽織も合わせて着用します。 また体が冷えないように生地が厚めのストッキングを履きましょう。タイツは厳密にはマナー違反なのですが、妊婦さんの場合は履いても構いません。 靴はヒールの高さが低いパンプスを履きましょう。スニーカーや光沢のあるものは避けます。 ただし出産直前の妊婦さんは、体調を考慮し参列を辞退する方が良いでしょう。 無理をせず、参列が難しい場合はその旨を早めに施主側に伝えておきます。
四十九日で女性がアクセサリーを身につける場合は、パールやオニキス、黒サンゴ、黒曜石などの光らない黒の石ものが一般的です。 ネックレスをつける場合は、必ず一重のもののみをつけましょう。 二重や三重のネックレスは「不幸が重なる」と連想されるため弔事では使うべきではないためです。 ネックレスと一緒にイヤリング(ピアス)をつける場合は、同じ種類のものを身につけると良いでしょう。 男性と同様に結婚指輪や婚約指輪はつけていて構いませんが、それ以外の指輪は外して参列します。 石がついている指輪は石を内側に隠して目立たないようにします。
幼児園児や中学生、高校生などで学校の制服がある場合は、制服を着て四十九日法要に参列をします。 制服の色や柄が派手で法要に適さない場合は、制服以外を身につける方が良いでしょう。 スニーカーはマナー違反となりますので、黒の革靴を履きましょう。
小学生や大学生などで学校の制服がない場合は、地味な色の服を着用します。 色は黒、紺、グレーなどのダークカラーのものが好ましいです。 男児の場合は、白シャツにブレザーやズボンが一般的です。 女児の場合は、白ブラウスにブレザーやスカート、ワンピースなどを身に着けます。 靴下は白もしくは黒、靴は革靴が理想です。 派手な柄や装飾がついた服は法要には適さないので避ける方が無難でしょう。
四十九日法要に遺族・喪家が持参すべき物は下記の通りです。 会場が自宅以外の場合は、忘れ物がないよう入念にチェックを行いましょう。
参列者が四十九日法要に持参するものは下記の通りです。
お供え物を渡すことが正式とされていました。 本来は現金の代わりにお供えするものでも、現金と一緒にお供えするものでもないです。 お供え物の例は、果物、線香、ろうそく、菓子などが挙げられます。 最近では、遺族や参列者の負担を軽減する目的でお供え物(供物)の変わりに現金を持参することが多くなっています。 四十九日法要で渡す現金を「香典」という人がいますがそれは厳密には誤りで、正しくは「供物料(くもつりょう)」といいます。 よって四十九日にはお供え物(供物)もしくは供物料のいずれかを持参しましょう。 持参する際は袱紗(ふくさ)や風呂敷に包むのがマナーです。(渡す際は袱紗や風呂敷から取り出します。) 地域や家庭によっては両方をお供えする場合もありますので、事前に確認をしましょう。<
四十九日法要が冬に行われる場合は、喪服の上からコートを羽織ります。 会場内ではコートは脱いで法要に参列するのが一般的ですが、屋外で執り行われる場合は焼香時以外は着たままでも良いです。 注意すべき点はコートの色と素材です。 コートの色は黒、紺、グレーなどの暗い色が基本です。 皮革などの素材は殺生を連想させるため着用は控えます。 光沢のあるものやスポーティーな素材のものも避けるべきです。
寒い時期の四十九日ではタイツを着用する人も多いですが、厳密にはタイツはマナー違反となります。 そのため、タイツの着用は避ける方が無難といえます。厚めや冬用のストッキングの着用がおすすめです。 しかし上記でもご紹介したように、法要時の服装は簡略化されてきていますので、タイツを履いても良い場合もあります。 事前に確認すると良いでしょう。
防寒対策としてマフラーや手袋を着用することは問題ありません。 できるだけ黒やグレーなど暗めの色のものを使用するようにしましょう。 室内であれば暖房が効いていますので会場に到着したら防寒グッズははずすことが一般的です。 屋外での開催や、体調が優れない場合は、周囲の人に相談した上でそのまま着用していても良いでしょう。
降雪が多い地域では歩行が困難になりますので、会場に到着するまではレインブーツなどで向かっても良いです。 そして会場に到着次第、革靴に履き替えましょう。 雪で汚れたり濡れたりすることを考慮し、靴下やストッキングなどの着替えを持っていくことをおすすめです。 また寒さ対策のためにカイロなどを使用するのも良いかもしれません。
●四十九日とは?
●夏の四十九日に参列する際の注意点
●夏の四十九日の男性の服装
●夏の四十九日の女性の服装
●夏の四十九日の子供の服装
●四十九日に持参するもの
●冬の四十九日に参列する際の注意点