四十九日法要に参列する際、ネクタイの着用は必須です。色は黒で光沢のない素材のものが適しています。太さが細すぎるネクタイやネクタイピン着用は避けます。ネクタイ以外にも四十九日の服装にはマナーがありますので、詳しく解説していきます。
「四十九日」とは仏教の法要の名称のひとつです。 故人の死後49日目の法要のことを指し、本来は「七七日(なななのか)」と呼ぶのが正式ですが、便宜上「四十九日」を用いることが多いです。 仏教では次の生を受けるまでの49日間に、故人の生前の罪の裁きが冥界(死後の世界)の神々によって、7日ごとに計7回行われるという言い伝えがあります。 最後の審判が49日目に行われるといわれているため、四十九日法要(七七日法要)は、一周忌までの法要の中で最も重要な追善供養の儀式です。 また四十九日法要(七七日法要)をもって忌明け(きあけ:忌み慎んでいた期間が終わること)となり、遺族は通常の生活へと戻ります。
四十九日法要に参列する際のネクタイの着用は必須です。 いかなる時であっても、ネクタイはつけるのがマナーですので忘れずに用意しましょう。 夏場の四十九日であっても、ネクタイは身につけるのが基本です。 暑さを理由に、法要の途中にネクタイを外したりするのはマナー違反となります。 会食などではネクタイを外してもよい場合がありますが、必ず遺族などに確認をしましょう。
四十九日などの弔事に参列する際のネクタイの色は黒が基本です。 グレーや紺などの地味な色のネクタイが可とされる場合もありますが、基本的には避ける方が良いです。 弔事用のネクタイが販売、レンタルされていますので、専用のものを使うのが無難です。 慶弔兼用で使用できるネクタイもありますので、1本持っておくと便利でしょう。
ネクタイの柄は無地のものが一般的です。 派手な柄はマナー違反となりますので注意しましょう。 柄物でも目立たない紋織柄であれば良しとされています。
ネクタイの素材はシルク、ポリエステル、綿、麻、羊毛、レーヨン、アセテートなど様々ありますが、四十九日で身につけるネクタイの素材は光沢のないものを選びましょう。 おすすめの素材はシルクやポリエステルです。 シルクは天然素材なので高価ですが光沢がほぼありません。 ポリエステルは化学繊維素材なので安価ですし、最近は光沢が少ないものが多いです。
ネクタイの太さには様々な種類があります。 中には細身のネクタイがありますが、カジュアルすぎる印象を与えてしまうため四十九日での着用は避けましょう。 冠婚葬祭用のネクタイであれば細すぎることはありません。
基本的に四十九日に参列する際のネクタイの結び方に決まりはありません。 普段の結び方(プレーンノット・ウィンザーノット)で問題ありませんが、結び目にくぼみ(ディンプル)が出来ないように注意しましょう。 くぼみはネクタイを華やかに見せる効果がありますが、華やかさは弔事には不要となります。
通常はネクタイピンを着用すると思いますが、四十九日参列時は不要です。 弔事に参列する際のアクセサリーは極力つけない方が良いためです。 もしもつける場合は、黒色の目立たないものもしくは真珠付きの葬儀用のネクタイピンを身に着けます。
ネクタイには様々な種類がありますが、四十九日に蝶ネクタイをつけることはマナー違反となります。 蝶ネクタイは結婚式などの慶事では着用しても構いませんが、弔事ではつけません。 一般的なネクタイのみを使用するようにしましょう。
子供が四十九日に参列する場合、ネクタイはなしでも良いとされています。 学校の制服でネクタイをつけている場合は、四十九日でもそのまま着用して構いませんが色や柄が派手な場合は外します。 また大学生などでスーツを購入する場合はネクタイも身につける方が良いでしょう。
四十九日法要では喪服を身につけることが正式なマナーとされています。 男性の喪服には下記の3種類があり、それぞれの違いは格式です。
3種類の喪服それぞれに和装と洋装があります。 和装と洋装で格式の差はないのですが、一般的に和装が洋装よりも格式が高いという印象を与えることが多いです。 最近は儀式や服装が簡略化されていることから、和装を身につけること自体が少なくなっています。 平服とは「普段着」と辞書には載っていますが、冠婚葬祭では略喪服(略礼装)のことを指します。 私服は喪服に含まれませんので注意が必要です。
四十九日法要で施主が着るのは正喪服(正礼装)が一般的です。施主以外にも世話役なども正喪服を着用することがあります。 施主以外の遺族は正喪服(正礼装)もしくは準喪服(準礼装)を着用します。 弔問客が正喪服(正礼装)を四十九日で着用することはほとんどありません。 男性の正喪服(正礼装)は、和装の場合は黒羽二重の染め抜き五つ紋つき羽織と着物に仙台平(または博多平)の袴です。 帯や羽織紐、草履などの小物は黒で統一するのが正式なマナーです。 なお喪章(喪中であることを示す印)は、和装には本来つけませんが、つける場合は蝶形にして胸につけます。 正喪服(正礼装)の洋装はモーニングコートです。黒の上着と縞のズボンが一般的です。 ネクタイ、靴下、靴、ポケットチーフなどの小物は全て黒で統一します。
四十九日で弔問客(参列者)が着るのは準喪服(準礼装)が一般的です。 また施主以外の遺族も準喪服(準礼装)を身につけることがあります。 準喪服(準礼装)を身につける場合は、和装ではなく洋装を着用するのが一般的です。 理由としては、施主以外の参列者の服装は施主の服装よりも格式が高いものではあってはいけないからです。 男性の準喪服(準礼装)は、ブラックスーツです。ブラックスーツとは色は漆黒に近い黒色で光沢や艶がない冠婚葬祭用のスーツのことを指します。 ビジネススーツとして売られている黒色のスーツは準喪服(準礼装)には該当しませんので注意が必要です。 身内だけの四十九日などでは略喪服(略礼装)を身につける場合もあります。 その場合は、グレーや濃紺などのダークスーツを着用します。
四十九日法要に参列する際の指輪やネックレス、時計などのアクセサリーは控えめにするのがマナーです。 シルバー系のものをつけ、ゴールド系や派手な色のものは着用を避けます。 男性の場合はネクタイピンはせず、カフスボタンはシルバー系かオニキス、黒曜石などのカフスボタンをつけます。 結婚指輪や婚約指輪はつけていて問題ないですが、それ以外の指輪は外します。 金具などがついてベルトや靴の着用は避けるべきです。
私服は喪服には含まれませんので、私服で四十九日法要に参列するのは基本的にはNGです。 一般的には遺族も弔問客も正式な喪服の着用がマナーとされています。 地域や家庭によっては私服での参列も可能な場合もありますが、その場合でもカジュアルな素材や服装は避けましょう。
四十九日法要に参列する際、結婚指輪や婚約指輪はつけていて問題ないですが、それ以外の指輪は外します。 石がついている指輪は石を内側に隠して目立たないようにします。 結婚(婚約)指輪でも、色やデザインが派手な場合は外す方が無難でしょう。
靴は黒で光沢のないシンプルなデザインのパンプスが基本です。(和装の場合は鼻緒が黒の草履) サンダルやフラットシューズの着用はマナー違反です。 また色や柄が派手なものやブランド品、金具のついた靴も四十九日には不向きです。
和装でも洋装でも、バッグは黒色のものを持つのが基本です。 布製が好ましく、革製やブランド品は避ける方が良いです。 また大きさは小型のものが一般的です。
四十九日法要などの儀式では、肌の露出は避けるのがマナーです。 ノースリーブなど袖のない喪服、丈の短いズボン、深い胸開きなどはマナー違反となりますので注意しましょう。 半袖のワイシャツなどは可ですが、五分袖や七分袖の方が好ましいです。
女性も男性と同様に3種類の喪服があります。 女性の正喪服(正礼装)は、和装は黒無地の染め抜き五つ紋付きの着物に黒喪帯です。 洋装の場合はブラックフォーマルドレスです。女性の正喪服(正礼装)でパンツスーツはマナー違反とされています。 女性の準喪服(準礼装)の洋装は、ブラックフォーマルスーツです。 男性の準喪服(準礼装)のブラックスーツと同様に、光沢のない黒無地のもので、スーツ、ワンピース、アンサンブルのことを指します。 女性の略喪服(略礼装)は、ブラックフォーマル以外の地味な色のワンピースやスーツ、アンサンブルです。 濃紺やグレーなどダークカラーの色のものを着用します。(緑や茶色は避けます。) 正喪服(正礼装)以外は、和装ではなく洋装を選ぶのが一般的です。
学校の制服がある場合は、制服を着ます。 制服の色や柄が派手で法要に適さない場合は、制服以外を身につける方が良いでしょう。 学校の制服がない場合は、地味な色の服を着用します。 色は黒、紺、グレーなどのダークカラーのものが好ましいです。 男児の場合は、白シャツにブレザーやズボンが一般的です。 女児の場合は、白ブラウスにブレザーやスカート、ワンピースなどを身に着けます。 靴下は白もしくは黒、靴は革靴が理想です。 派手な柄や装飾がついた服は法要には適さないので避ける方が無難でしょう。
●四十九日とは?
●四十九日のネクタイの注意点
●四十九日の男性の服装
●四十九日のネクタイ以外の服装の注意点
●四十九日の男性以外の服装