四十九日法要で渡すお布施の金額は3〜5万円が相場です。お布施以外には御車代や御膳料を渡す場合があり、金額はそれぞれ5千〜1万が目安です。表書きは「御布施」「御車代」「御膳料」とし、喪主（施主）の名前を添えて渡します。これらとは別に僧侶に3,000円程度の引き出物を渡します。
「四十九日」とは仏教の法要の名称のひとつです。 故人の死後49日目の法要のことを指し、本来は「七七日（なななのか）」と呼ぶのが正式ですが、便宜上「四十九日」を用いることが多いです。 仏教では次の生を受けるまでの49日間に、故人の生前の罪の裁きが冥界（死後の世界）の神々によって、7日ごとに計7回行われるという言い伝えがあります。 最後の審判が49日目に行われるといわれているため、四十九日法要（七七日法要）は、一周忌までの法要の中で最も重要な追善供養の儀式です。 よって僧侶や近親者、友人、知人などを招いて盛大に行うのが一般的です。 また四十九日法要（七七日法要）をもって忌明け（きあけ：忌み慎んでいた期間が終わること）となり、遺族は通常の生活へと戻ります。
「お布施」とは仏式の謝礼の一つです。読み方は「おふせ」です。「布施」という言葉に接頭語の「お」「御」がついた言葉です。 主に読経いただいく際に僧侶に差し上げるお礼の金品のことを指します。お布施の金額に戒名料（戒名に対する謝礼）が含まれる場合もあります。 お布施は僧侶にお経をあげてもらう度、つまり儀式ごとに渡すのがマナーです。 一度渡せばいいというものではありませんので注意しましょう。 またお布施自体は仏教のしきたりですが、他の宗教でも謝礼を渡す習慣があります。 神道（神式）では、神官へのお礼を「御榊料（おさかきだい）」として渡します。 キリスト教はカトリックでは神父へのお礼を「御ミサ料」として、プロテスタントでは牧師へのお礼を「記念献金」として渡します。 無宗教の場合で僧侶を呼ばない場合は、お布施を渡す必要はありません。 お布施以外にも僧侶に渡す謝礼はありますので、後ほど詳しくご紹介します。 またお布施の金額は宗派や地域、仏事に応じて異なります。
お布施の金額相場は1周忌法要までは3〜5万円、それ以降の法要（三回忌や七回忌など）は1〜5万円が目安です。 よって四十九日法要で包むお布施の金額相場は3〜5万円となります。 上記でもご紹介したように四十九日法要は重要な法要の一つです。自宅もしくは法要会場に僧侶を招きお経をあげ供養をしてもらうため多めに包みます。
四十九日以外の法要で渡すお布施の金額相場は下記の通りです。
四十九日法要で、僧侶の送迎を遺族側がしない場合（僧侶が自らの足で会場に来た場合）には、「御車代（おくるまだい）」を包みます。 御車代の金額目安は5千〜1万円といわれています。 喪家が送迎車を用意する場合や寺院で四十九日法要を開催する場合は「御車代」は渡さなくてかまいません。
僧侶が会食に参加しないもしくは会食を設けない場合には、食事代として「御膳料（ごぜんりょう）」をお渡しします。 御膳料の金額の目安は5千〜1万円です。 先程ご紹介した「御車代」とは別の白封筒に包み、表書きを「御膳料」と書いて渡します。
卒塔婆（そとば）とは墓の後ろに立てる長い板のことで、僧侶が戒名や経文を書き込みます。 四十九日法要などの儀式の際に卒塔婆供養をする場合は、「卒塔婆料」が必要です。 金額の目安は1本3千円程度といわれています。
謝礼とは異なりますが、四十九日法要の参列のお礼として引き出物（手土産）を用意します。 引き出物の金額の目安は3,000円といわれていますが、地域などによって異なります。 表書きは「志（こころざし）」や「粗供養（そくよう）」、「七七日忌 志」と書きます。 一般の参列者に渡す引き出物と同じものを僧侶にもお渡しします。 その際は「御本尊様にお供えください」とお伝えします。
上記でご紹介した御車代・御膳料・卒塔婆料は、四十九日以外の仏事でもお渡しすることがあります。 金額相場は御車代と御膳料は5千〜1万円、卒塔婆料は1本3,000円と四十九日の際と同額なことがほとんどです。 これら以外で必要な謝礼に、戒名料と永代供養料があります。 戒名料とは僧侶に戒名をいだたくお礼として渡す謝礼です。主に通夜や葬儀、告別式の際に渡します。 戒名料の金額は、戒名の種類や寺院によってかなり差があり2〜100万円、100万円以上の場合もあります。 戒名料はお布施の代金に含まれる場合とそうでない場合がありますので、事前に寺院に相談しはっきりさせておくべきです。 永代供養料とは、遺族が供養できない場合に寺院に代わりに供養をしてもらう際に渡す料金です。 上記でご紹介したように御布施は仏事のたびに渡す必要がありますが、供養料は基本的には1回のみとなります。 永代供養料はお布施と異なり、御布施は僧侶に感謝の気持ちで渡すお礼で、供養料は供養にかかる費用のことです。 供養料は御布施とよく混同されますが、供養料は厳密にいうと謝礼ではありませんので注意が必要です。
葬儀でお布施を包む際は、白封筒もしくは奉書紙を使います。 白封筒を使うのが最も一般的です。封筒の表面に郵便番号欄などの印字がない無地のものを使います。 また不幸は一度きりということを示すため二重の白封筒は避け一重の白封筒を用います。 奉書紙とは、厚手で純白の和紙のことです。半紙やコピー用紙での代用も可能です。 奉書紙は文具店などで、白封筒はコンビニや100円ショップなどで購入可能です。 白封筒以外に、不祝儀袋（香典袋）を使う地域や宗派もあります。 封筒でもポチ袋はNGですので注意しましょう。 お布施の場合、熨斗（のし）や水引きは不要です。 地域や宗派によっては水引きを使用する場合があり、その場合は黒白、黄白、双銀の水引きを使う場合もあるので事前に確認を行いましょう。
基本的には弔事で包むお金で新札は使いません。新札だと前々から用意をされていたようで失礼な印象を与えるからです。 しかしお布施に関しては異なります。お布施は僧侶に対する謝礼ですので、包むお札は古札ではなく新札が好ましいです。 お布施に関しては偶数や奇数などを気にする必要はありませんが、「4」や「9」など不吉なことを連想させる数字は避ける方が良いでしょう。 お布施を包むときはお札の向きに注意しましょう。香典などのお札の入れ方とは異なります。 表書きや名前などを書く紙や封筒の表面にお札の肖像画の面が向き、肖像画が封筒の上を向くように入れるのがマナーです。 お布施を持参する際は汚れたり折れるのを防ぐため袱紗（ふくさ）という1枚の布を使います。 袱紗の折り方には決まりがあり、弔事の場合は「右→下→上→左」の順番で布を折ります。 袱紗が無い場合に風呂敷やハンカチを代用する時も折り順は同じです。
基本的に弔事で渡す金品は薄墨で書くのがマナーとされていますが、お布施は僧侶や寺院に対するお礼ですので、薄墨ではなく通常の濃さの毛筆や筆ペンで書きます。 お布施の表書きは「御布施」と書きます。「御礼」や「御回向料」と書くこともあります。書く場所は封筒の上部中央に書きます。 「読経料」や「志」という表書きは避けます。 表書きの下部にお布施の送り主の名前を書きます。 基本的には喪主や施主の名前をフルネームもしくは姓のみで書きます。 包んだ金額を書く際は大字（旧字体）で書きます。 大字とは漢数字の「一・二・三」などの代わりに用いる「壱・弐・参」などの漢字のことで、主に改ざんを防ぐ目的で使われる漢字です。 「お金」という意味を持つ「金」を添えて「金 壱拾萬圓」などと書きます。よく「也」をつける人がいますが、也は1円未満の単位がある時代に使われていたものなので現在は使いません。 住所や電話番号も合わせて書くとより丁寧です。 郵便番号や番地、電話番号などを書く際は漢数字で記入します。
お布施は会場まで袱紗に包んで持参しますが、袱紗に包んだまま渡すのはNGです。 相手から袱紗が返ってくることを「不幸が返ってくる」として捉えられるためです。 正式にはお布施を切手盆にのせて僧侶に渡すのがマナーとされています。 切手盆が手元にない場合は、袱紗を切手盆の代わりとして使います。また菓子折りと一緒に渡す場合は、菓子折りの上にお布施を置いて渡します。 お布施を渡す主なタイミングは、儀式の当日もしくは翌日以降です。最近では儀式当日に渡すことが多いようです。 儀式が始まる前に渡すのが基本で、施主が僧侶に挨拶をする際に手渡しします。儀式の前で僧侶が準備に追われている場合は、儀式の後に渡しても問題ありません。 お布施を渡す際は、「本日はお世話になります。」「昨日はありがとうございました。」などと一言挨拶を添えます。 お布施を渡す際に無理に笑顔を作る必要はなく、言葉で感謝の気持ちを伝えられれば問題ありません。 基本的には直接僧侶に手渡しするのがマナーですが、僧侶や遺族の都合で郵送する場合もあります。 郵送する際は必ず現金書留で行います。通常通り奉書紙や白封筒に現金を包んだ上で挨拶状を添えて現金書留用の封筒に入れます。
今回は四十九日法要のお布施について詳しくご紹介しました。 ご説明した主な内容は下記の通りです。
他にもお布施に関するマナーをご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
