LINEでは、同一アカウントでログインしているスマートフォン・PC・タブレット間でトーク履歴や友だちリスト、画像やスタンプなどのデータを自動で同期することができます。ただし全てのデータが同期されるわけではありません。本記事では、PC版LINEとスマホ版LINEで同期されないものや、自動同期がうまくできない場合の対処法などを詳しく解説しています。
PC版LINEとスマホ版LINEで「同期されない」こと
LINEにおける「同期」とは、複数端末間でデータや設定などを同じ状態にすることです。 例えばスマホとパソコンに同一アカウントでログインした場合に、同じ内容(友だちリスト、トークルーム、トーク内容など)が反映されます。 同期の機能があることで、スマホ以外のデバイスを使ってもほとんど同じ環境でLINEを使用することができます。
PC版LINEとスマホ版LINEで「同期する」こと
複数デバイスを使用してLINEにログインする場合、デバイス間の同期は自動で行われる仕様になっています。 そのため、手動で同期設定を行う必要は基本的にはありません。 また、自動同期の解除方法は現時点ではないため、同期をしないことは不可となります。
LINEはスマホやパソコン、タブレットなど複数のデバイスから同一アカウントでログインすることができます。 デバイスの種類が異なるものであれば同時ログイン可能です。例えばスマホとパソコン、スマホとタブレット、スマホとパソコンとタブレットなどの組み合わせであれば同時ログインができます。 同時ログインする際に、デバイス間でトークなどが同期されます。 同じ種類の端末を複数台利用した同時ログインは不可となります。例えばスマホとスマホ、パソコンとパソコン、タブレットとタブレットなどは同一アカウントに同時ログインすることはできません。 同時ログインではなく、2台以上のパソコンで同一アカウントにログインすること自体は可能です。 例えば家庭用PCと仕事用PCそれぞれで同じアカウントにログインする場合、1台のPCのみログイン可能で、もう1台のPCは強制ログアウトされます。
上記で、複数の端末間では自動で同期がされるとご紹介しました。 しかし、全てのデータや設定、動作などが同期されるわけではなく、一部同期されない内容もあります。 ここでは、同期されない項目をご紹介していきます。
画像(左)がPC、(右)がスマホの画面。 PC版LINEで削除したメッセージはスマホには表示されている。
トーク内のメッセージを「削除」する場合は、他のデバイスには同期されません。 「メッセージの削除」とは、メッセージ内容をその端末上のみで非表示させる機能となるため、他の端末上では反映されないのです。 またメッセージの削除を行っても、相手側のLINEで表示されているメッセージが削除されることはありません。あくまで自分の端末でのみメッセージが非表示になります。 しかし、メッセージの「送信取消」には同期されます。 「メッセージの送信取消」とは、送信した情報(メッセージ、画像、スタンプ、動画など)を24時間以内であれば取り消すことができる機能です。 送信取消機能を使うと、トーク内に「メッセージの送信を取り消しました」と表示され、送信した情報は自分側・相手側のトークから削除されます。 相手のLINEのバージョンによっては情報が消えないこともあります。
画像(左)がPC、(右)がスマホの画面。 PC版LINEで非表示にしたトークルームはスマホ版LINEでは表示されている。
トークルームを「非表示」にする場合、そのデータは同期されません。 「非表示」とは、トーク内容を削除することなくトークルームを隠すという機能です。 1つの端末で「非表示」に設定したトークルームは、他の端末では表示されている状態になっています。 ただしトークルームの「削除」は複数端末間で同期されます。 「削除」はトーク履歴、トークルームともにデータを削除するという機能です。相手側のトーク履歴やトークルームはそのまま残ります。 トークルームを削除しても、友だちとしては残ります。友だちを削除したい場合はブロックをする必要があります。
スマホ版LINEのみで利用可能な着せかえはPC版LINEには同期されません。 PC版LINEには着せかえ機能がなく、画面表示モードや後ほどご紹介する背景デザインのみ利用可能です。 画面表示モードでは、ライトモード(白)・ダークモード(黒)の2種類から表示方法を選択できます。 画面表示モード設定は、LINE画面左下【…】→【設定】→【基本設定】の順で進み、【画面表示モード】でライトモードかダークモードを選択します。 一部の画面ではダークモードが使用できない場合もあります。
画像(左)がPC、(右)がスマホの画面。
PC版LINEの背景デザインは「白」に選択しているが、スマホ画面には同期されていない。
背景デザインも複数デバイス間で同期されません。 背景デザインとは、トークルームの背景を好きなデザインに設定できる機能です。 テンプレートのデザイン以外に、アルバムの写真も使用することができます。 背景デザイン機能はスマホ、パソコン、タブレット版全てで利用可能ですが、設定した背景が同期されることはありません。 そのため、同じ背景にしたい場合は、それぞれのデバイスで設定を行う必要があります。 背景デザインの設定方法は、トークルーム画面右上【≡】→【⚙(歯車マーク)】→【背景デザイン】の順で進み、デザインを選択、写真を撮影、アルバムから選択、もしくは着せかえの背景を適用のいずれかから設定します。
画像(左)がPC、(右)がスマホの画面
LINEでは好きなフォントを設定できますが、フォントは複数のデバイス間では同期されません。 フォントの変更方法はスマホ版とタブレット版は同じで、PC版のみ異なります。 スマホ版とタブレット版のフォントの変更方法は、ホーム画面の【⚙(歯車マーク)】→【LINE Labs】の順で進み、【カスタムフォント】をオンにします。 そうすると設定の一覧に【フォント】が表示されますのでタップし、好きなフォントをダウンロードし選択します。 PC版のフォントの変更方法は、画面左下【…】→【設定】→【基本設定】の順で進み、【フォント】の一覧から好きなフォントを選択します。 PC版フォントは約270種類から選択できますが、一部フォントが反映されない文字もあります。 Chrome版LINEではフォントの変更はできず、フォントサイズのみの変更が可能です。
画像(左)がPC、(右)がスマホの画面
通知設定はスマホ、パソコン、タブレットそれぞれで設定できますが、複数デバイス間で通知設定が同期されることはありません。 そのため、通知設定はそれぞれのデバイスで行う必要があります。 通知設定は、スマホ版とタブレット版は【⚙(歯車マーク)】→【通知】の順で進み設定を行います。 PC版LINEは、【…】→【設定】→【通知設定】の順で進み通知設定をします。 「PC版を使用している場合はスマートフォン版への通知をオフ」にチェックを入れると、スマホとPCで通知が重なることがないのでおすすめです。
複数のデバイス間で、全てのトーク履歴が同期されるわけではありません。 PC版LINEをインストールし、初回ログインするより前のトーク履歴は同期されません。 例えば、スマホ版LINEで1月1日にやり取りをしていても、1月2日にPC版LINEに初回ログインした場合は、PC版LINEでは1月1日のトーク履歴は同期されません。
スマホの機種変更を行う場合、アカウントの引き継ぎが正常に行われていれば、PC版LINEはそのまま使用することが可能です。 アカウントの引き継ぎが行われずLINEアカウントを新規作成する場合、旧アカウントは消滅するわけではありません。 つまり、1つのパソコンで新・旧どちらのアカウントにもログインすること自体は可能です。 ただしPC版LINEではバックアップ機能がないので、トーク内容が毎回消えてしまいます。 そのため1つのパソコンで2つのアカウントを使い分けるのは実質不可能です。
LINEの同期は基本的に自動で行われますが、同期ができないもしくは同期が遅いことも稀にあるようです。 その場合の対処法を詳しく解説していきます。
上記でご説明したように、PC版LINEの同期は自動で行われますが、手動でも行うことができます。 何らかの原因で自動同期ができない場合は、これからご紹介する方法でパソコンとスマホのLINEを同期することも可能です。 ただし、iPad版LINEとChrome版LINEでは、手動同期はできません。
PC版LINEで手動同期を行うためには、まずPC版LINEにログインし、画面左下の【…(三点リーダー)】をクリックし、【設定】をクリックします。
画面が切り替わったら、【詳細設定】をクリックします。 「データを同期」の項目にある【⟳同期】をクリックします。
同期が完了次第、緑色の文字で同期完了日時が表示されます。 「同期が完了しました。」と表示されたら、【確認】をクリックして手動同期が完了となります。
PC版LINEの自動同期がうまくいかない原因の一つに、インターネット環境が考えられます。 ネット環境が不安定な可能性もあるので、下記のような対処法を試してみましょう。
PC版LINEの自動同期がうまくいかない場合、LINEアプリのアップデートが必要な可能性があります。 自動アップデートを設定している場合は、常に最新のバージョンに自動で更新されます。 手動でのLINEアプリのアップデート方法は、MacとWindowsで異なります。
Mac版LINEのアップデートの確認方法は、【App Store】→【アップデート】の順で進み、「入手可能」の項目にLINEアプリが表示されている場合は【アップデート】をクリックします。 「入手可能」の欄にLINEアプリの表示がない場合は、使用中のLINEは最新バージョンになっています。
Windowsのアプリのアップデート確認方法は、【Microsoft Store】→【…】→【ダウンロードと更新】の順で進みます。 [利用可能な更新プログラム]の欄にLINEが表示されている場合は、【↓】をクリックします。
PC版LINEの自動同期がうまくいかない場合に、LINEアプリを再起動するという対処法もあります。 LINEアプリの再起動方法は、MacとWindowsで異なります。 MacでのLINEアプリの再起動方法は、LINEアプリのアイコンをダブルタップし【終了】を選択します。 もしくは、LINEを開いた状態でデスクトップ画面左上の【LINE】→【終了】でも操作可能です。 一度LINEアプリを終了させた後に、再度LINEアプリのアイコンをクリックしLINEを起動させます。
WindowsでのLINEアプリの再起動方法は、画面右上の【✕】をクリックしLINEを終了させた後に、再度LINEアプリを開きます。
上記の対処法を試しても同期ができない・遅い場合は、LINEアプリをアンインストールし再インストールするという方法もあります。 アンインストール・再インストールとは、LINEアプリを一度PC上から削除した後に再度LINEアプリをダウンロードすることです。
MacでのLINEアプリの削除(アンインストール)は、【F4】キーでプログラム一覧を表示させLINEアプリをドラッグでゴミ箱に移動させる、もしくは【Finder】→【アプリケーション】からLINEアプリをダブルタップし【ゴミ箱に入れる】をクリックします。 LINEアプリの再インストールは【App Store】で可能です。
WindowsでのLINEアプリの削除(アンインストール)は、画面左下【スタートメニュー】→【⚙(歯車マーク】→【アプリ】→【アプリと機能】の順で進みます。 アプリ一覧にあるLINEをクリックし【アンインストール】をクリックします。 LINEアプリの再インストールは【Microsoft Store】で可能です。
LINEアプリが最新バージョンでも、PC自体のソフトウェアが古い場合に自動同期がうまくできない場合があります。 Macのソフトウェアのアップデート方法は、【システム環境設定】→【ソフトウェアアップデート】の順で進み、【今すぐアップデート】をクリックします。 ソフトウェアの自動アップデート設定は[Macを自動的に最新の状態に保つ]にチェックマークをつけることで可能です。
Windowsのソフトウェアのアップデート方法は、画面左下【スタートメニュー】→【⚙(歯車マーク】→【更新とセキュリティ】→【Windows Update】の順で進みます。 [利用可能な更新プログラム]の下部に表示されている【今すぐインストール】をクリックします。
PC版LINEの同期がうまくいかない時にPCを再起動させることで改善する場合もあります。 PCの再起動方法はMacとWindowsで異なります。
Macの再起動方法は、デスクトップ画面左上の【リンゴマーク】→【再起動】をクリックします。 「コンピュータを今すぐ再起動してもよろしいですか?」と表示されたら、【再起動】をクリックします。
Windowsの再起動方法は、画面左下【メニューバー】→【電源】→【再起動】をクリックします。
スマホのみでLINEを利用するよりも、サブ端末を使って同期する方が様々なメリットがあります。 ここでは、PC版LINEで同期することのメリットをいくつかご紹介します。
スマホの充電が切れたり、スマホを自宅や会社などに忘れてしまっても、パソコンでログインすればLINEを使用することができます。 そのため、友達や家族、職場の人などとの連絡が途切れることはありません。 PC版LINEのやりとりはもちろんスマホ版LINEにも同期されるので、LINEのやりとりが途中でなくなる心配は不要です。
PC版LINEでは、トークごとに画面を開くことができます。 つまり、画面を切り替えることなく、同時に複数人とのLINEのやりとりが可能なのです。 トーク画面を複数開く方法はとても簡単です。 トークを開き、表示名の横にある「別のウィンドウで開く」をクリックします。
PC版LINEを使えば、画面キャプチャ(スクリーンショット)の送信がとても簡単にできます。 トークルームの左下に表示される、四角のアイコンをクリックすると、画面キャプチャを撮ることができます。 スクリーンショットにおさめたい範囲を指定し、加工や編集などが完了したら【✔】をクリックします。 そうすると、トーク内に画面キャプチャがすぐに送信されます。 ファイルにアクセスして送信したい画像を選択する必要がないので、とても楽です。
スマホ版LINEでPDFなどの資料を送る場合、アプリにアクセスしたりと少々面倒ですよね。 しかし、PC版LINEなら、資料の送信もとても簡単にできます。 トークルームの左下に表示されるクリップのアイコンをタップします。 送信したいファイルを選択すると、トークルームで簡単にファイルを送ることができます。
PC版LINEにはバックアップ機能そのものがありません。 PC版LINEはあくまでもサブ端末で、スマートフォン版LINEよりも使用できる機能が限定的です。 パソコンを買い替えや紛失した場合は、新しいパソコンでログインした箇所からのトークしか閲覧できません。
スマートフォン版LINEアプリではバックアップ機能があります。 上記でご紹介したように、PC版LINEにはバックアップ機能がないため、復元機能もありません。 よってスマホでバックアップしたトーク履歴をPCで復元することもできません。 繰り返しになりますが、PC版LINEはその端末でログインした以後の自動で同期されたトークしか見ることはできません。