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「経験則」の意味と使い方、類語、対義語、英語を例文つきで解説

「経験則」は「経験的法則」の略で、「はっきりとした経験的事実に立脚して得た法則」「因果関係が明確ではないが、経験上ただそのようだというだけの法則」という二つの意味があります。「経験則上〜」という表現を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

「経験則」とは

「経験則」の意味は「経験から得られる法則

「経験則」は「けいけんそく」と読みます。 「経験則」は「経験的法則」の略です。 「経験則」の原義は「経験から得られる法則」です。 ただし、

  1. はっきりとした経験的事実に立脚して得た法則
  2. 因果関係が明確ではないが、経験上ただそのようだというだけの法則
という真逆の二つの意味合いが存在します。

「経験則」の語源は法律用語

「経験則」はもともと法律用語です。 裁判官は、経験則に従って事実認定を行います。 例えば、「契約書が存在しているので、契約は存在している」とするのは経験的法則にあたります。 ただし、専門的な内容は、専門家による鑑定や証拠調べが必要です。 経験に基づいているからといって、必ずしも「当てずっぽう」「非論理的」というわけではないので注意しましょう。

「経験則」の使い方

「経験則」はビジネスでも使う

法律用語以外で使う場合は、二つ目の意味で使うことがほとんどです。 ビジネスシーンでは、「経験上、この場合は○○となることが多いです」などと伝える場面や、経験してきたことを元に物事を判断する場面で多く使用されます。 「経験則」は、「上」をけて接続詞的に使用することができます。 例えば、「経験則上、○○であると言えます」「経験則上○○なので、○○だと判断しました」などと言い表します。

「経験則」の例文

例文

  • 経験則上、これから株価が上がる可能性が高いと判断しました。
  • 私は経験則的に食生活の改善で多くの病は治ると考えています。
  • 経験則から言わせてもらうと、あの企業はもって5年だね
  • 経験則を物差しにして決めつけるのは良くないと思いますよ。

「経験則」の類語

「帰納法」は「個別的な事例から普遍的な法則を見出す論理的推論の方法」

「帰納法」は、「きのうほう」と読みます。 「帰納法」の意味は、「個別的な事例から普遍的な法則を見出す論理的推論の方法」です。 例えば、「今まで自分が見てきたパンダの毛の色は黒と白だったので、パンダの色は白と黒である」というように、自分が見てきたことや経験したことから法則を見出すことを「帰納法」といいます。 「帰納法」は「帰納法推論」という別名があり、アンケートの結果などから論理展開していく場合などに使用されることが多いです。 ただ、「傾向」から結論を導き出して結論であるため、結論が必ず真実であるとは限りません。

「経験値」は「経験から得られる数値」

「経験値」は「けいけんち」と読みます。 「経験値」の意味は「経験から得られる数値」です。 例えば、ミュージシャンが人前で演奏することをくり返すことでミュージシャンとして力をつけたら「経験値を積んでいる」と表現することができます。 「経験値」は、自分が実際に経験することによって得られた力の度合いのことなので、「経験則」のようにそこから結論に結びつけたり法則を見つけ出すという意味はありません。

「経験則」の対義語

「論理則」は「論理や数字に基づいた法則」

「論理則」の意味は「論理や数字に基づいた法則」です。 数学や論理上の法則に基づいて「AだからB」と結論をだすことを「論理則」といいます。 ただ、「何に基づいて法則を得るか」の話であって、「経験則」が「論理則」の対義語だからといって、「論理的ではない」ということではありません。

「演繹法」は「帰納法」の反対語

「演繹法」は「えんえきほう」と読みます。 「演繹法」は、「事実や原理から論理的に結論を導く方法」です。 「AはBである」という前提を元にして、論理にのみにしたがい必然的な結論を出すのが「演繹法」なので、個別的な事例から普遍的な法則を見出す「帰納法」の反対語であるといえます。

「直感」「机上論」「思いつき」なども対義語

「机上の空論」は、「きじょうのくうろん」と読みます。 「机上の空論」の意味は「机上で考えただけで、実際には役に立たない案や意見」です。 「机上」は「机のうえ」で、「空論」は「実際とはかけはなれた無益な議論」を意味します。 実践をして経験したわけでもなく、頭の中で考えただけの現実には似つかわしくない理論や考えを指す言葉であるため、「経験則」の対義語であると言えます。 「机上論」は、「きじょうろん」と読みます。 「机上論」は、「机上の空論」を略したもので、意味も使い方も「机上の空論」と同じです。 「思いつき」は、「思いついたこと」です。 経験に基づいていたりするわけではなく、ふと頭に思いついた考えを「思いつき」といいます。

「株を守りて兎を待つ」は経験則が裏目に出た場合に使う

「株を守りて兎を待つ」は「かぶをまもりてうさぎをまつ」と読みます。 「株を守りて兎を待つ」は、古いやり方に囚われて融通がきかないことを意味することわざです。 「兎を守りて兎を待つ」は、中国の農民が木の切り株に突き当たって死んでしまった兎を見て、畑仕事をやめて切り株の前で兎が来るのを待ち続けたという故事からきています。 「経験上○○のはずだ」と経験則に囚われすぎて、反対に上手くいかなくなってしまった場合を「株を守りて兎を待つ」と言い表すことができます。

「経験則」の英語

rule of thumb

「経験則」の英語は「rule of thumb」です。 「実践的でだいたいのやり方」という意味です。 直訳すると「親指の法則」です。 昔は貿易をする際に、物資の量や大きさを親指の長さや太さとの比較で計測していたのが由来とされています。

A good rule of thumb is that you need two hours to finish this.

経験則上、これを完了させるのに2時間はかかる。

まとめ

いかがでしたか?「経験則」について理解を深めていただけたでしょうか。 簡単にまとめると...

  • 「経験則」の意味は「経験から得られる法則
  • 「経験則」の語源は法律用語
  • 「経験則」は「経験則上〜」といった形でビジネスでも使う
  • 「経験則」の類語は「帰納法」「経験値」など
  • 「経験則」の対義語は「論理則」「演繹法」など

となります。

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