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「繁忙期」の意味と使い方、類語、反対語「閑散期」、英語を解説

「繁忙期」とは「客や注文が特に多く、商売が忙しい時期」を意味します。「繁忙」は「用事が多くて忙しい」の意で、業務以外で忙しい時にも使うことができます。「繁忙期」は「はんぼうき」と読みます。「はんもうき」と誤読しないように注意しましょう。

「繁忙期」とは

「繁忙期」の読み方は「はんもうき」ではなく「はんぼうき」

「繁忙期」の読み方は「はんぼうき」です。 「忙」という字は「モウ」と読むこともありますが、「はんもうき」と読むのは間違いです。 「繁」は訓読みで「しげる」、音読みで「ハン」と読みます。 「忙」は訓読みで「いそがしい」、音読みで「ボウ」「モウ」と読みます。 「繁忙」だけで使われることもあります。

「繁忙期」の意味は「客足が多く業務が忙しい時期」

「繁忙期」の意味は「客足が多く業務が忙しい時期」です。 接客業務ではなくても、仕事が忙しくなる時期のことを指して使います。 主に一年の間で、忙しくなる時期のことを指して使います。 「繁」は「ごたごたしている」「むやみに多い」といった意味です。 そこに「忙しい」がつき「繁忙」は「やることが多くいそがしいこと」を表します。 そこに「くぎりの日時、定められた時期」の意味を持つ「期」がつき「仕事がいそがしい時期」といった意味になります。

「繁忙」の漢字は「煩忙」とも

「繁忙」の漢字は「煩忙」とも書きます。 読み方も「はんぼう」で、意味も同じになります。 「煩」は訓読みで「わずらう、わずらわす」、音読みで「ハン、ボン」と読みます。 意味は「ごたごたしていてうるさい」「面倒なこと」となります。 仕事が多くてごたごたしている様子を表します。

「繁忙期」の使い方と例文

「繁忙期を迎える/乗り切る/避ける」などと使う

繁忙期は仕事において、一年の中でお客さんの数や業務が増える時期を指します。 主な言い回しは

  • 繁忙期を迎える
  • 繁忙期を乗り切る
  • 繁忙期を終える
  • 繁忙期を避ける
  • 繁忙期が続く
  • 夏の繁忙期

などがあります。

例文

  • 我社は繁忙期を迎え、毎日職員が朝早くから業務にあたっている。
  • 臨時社員を採用し、どうにか繁忙期を乗り切る。
  • この業務は時間がかかるので、繁忙期を避けて計画しよう。

「繁忙」単体では「繁忙を極める」が定型句

「繁忙期」ではなく「繁忙」のみで使う場合は「繁忙を極める」が定型句になります。 「繁忙を極める」使います。 意味は「この上なく忙しいこと」です。 「極める」には「この上のないところまで行き着く」「極点に達した状態になる」といった意味があります。

「繁忙期」の類語と対義語

「書き入れ時」「稼ぎ時」が同義語

●書き入れ時 「書き入れ時」の読み方は「かきいれどき」です。 意味は「商売に忙しいとき」です。 元々は「最も多くの利益が期待されるとき」といった意味です。 これは、昔取引の数字などを帳簿に書き入れることから来ています。 商売の売れ行きが良いほど帳簿に書き入れることが多くなりますよね。 そのことから「利益が期待されるとき=商売が忙しいとき」が「書き入れ時」と言われるようになりました。 ●稼ぎ時 「稼ぎ時」の読み方は「かせぎどき」です。 意味は「商売繁盛する忙しい時期」となります。 お客さんがいっぱい来る時期は、その分稼げますよね。 忙しくなる時期だからたくさん販売したりサービスをしたりする時に「稼ぎ時だから頑張ろう!」などと使います。

「繁忙時間」「最繁時」「ラッシュアワー」は時間に使える

「忙しい時期」ではなく、「忙しい時間帯」を表す言葉もあります。 ●繁忙時間(帯) 意味は「仕事が忙しくなる時間(帯)」です。 例えば飲食店では「ランチタイムが繁忙時間」などと使います。 ●最繁時 「さいはんじ」と読みます。 意味は「通信回線などが混雑する時間帯」です。 電話をする人などが多くなり、電話網の通信回線や設備が最も混雑する時間を指します。 ●ラッシュアワー 意味は「交通期間が混雑する時間帯」です。 通勤者や通学者が多く電車などが混雑する朝と夕方の時間を指します。

「多忙」「立て込んでいる」が「繁忙」の類語

●多忙 「多忙」の読み方は「たぼう」です。 意味は「非常に忙しいこと」です。 「多忙」は仕事だけでなく日常生活においても使うことが出来ます。 「繁忙」と同様に「多忙を極める」と使われています。 ●立て込んでいる 「立て込んでいる」の読み方は「たてこんでいる」です。 意味は「様々な用事が一気に重なっている」です。 やらなくてはならないことが多い状態を指します。 「今いろいろ立て込んでて…」などと使います。

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「最盛期」「全盛期」「絶頂期」は意味合いが違う

類語のようですが、「最盛期」「全盛期」「絶頂期」は類語ではありません。 「最盛期」は「さいせいき」と読みます。 意味は「勢いが最も盛んな時期」です。 商売や仕事が忙しいといった意味合いはありません。 「全盛期」は「ぜんせいき」と読みます。

「閑散期」「閑古鳥が鳴く」が「繁忙期」の反対語

●閑散期 「閑散期」は「かんさんき」と読みます。 意味は「一年の間で暇な時期」です。 「繁忙期」と完全な対義語となります。 ●閑古鳥が鳴く 「閑古鳥」は「かんこどり」と読みます。 意味は「人が集まらずものさびしい様子」です。 特に商売などが流行らない時にさびれている様子を指します。

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「繁忙期」の英語

busy season

「繁忙期」の一般的な英語は「busy season」です。 単に「忙しい季節。多忙な時期」という意味合いです。 「high season」「peak season」などの表現もありますが、これは観光業界のみで使われる専門用語です。 日本でいうゴールデンウィークなど、多くの人が一斉に旅行に行き、ホテルや航空券の料金が最も高い時期を「high season」「peak season」といいます。

We're very sorry, but we can take no more appointments during the busy season.

申し訳ございませんが、繁忙期はこれ以上予約を取ることはできません。

You should avoid traveling during the high season.

繁忙期に旅行するのは避けた方がよい。

peak demand

「peak demand」は「需要の頂点」の意味ですが、これは「一日または一年において電力需要が最大になる時間帯・時期」を指します。 よって、日本語の「繁忙期」のような使い方はしません。

「繁忙期」っていつ?業界別に紹介!

飲食店の繁忙期は12月・3月・4月

飲食店の繁忙期は12月・3月・4月となります。 1番の繁忙期は12月です。 特に12月下旬にクリスマスパーティーや忘年会のため外食をする人が多くなります。 忘年会は人数も多く、飲食店はとても忙しくなります。 3月は送別会、4月は新年会があります。 これらも大人数での会合になることが多く、飲食店にとっては忙しい時期となります。 ちなみに1月・2月・8月が閑散期となります。 飲食店の閑散期として2月8月は「ニッパチ」とも言われています。 2月は年末年始の出費で財布の紐がかなるうえに、外気が冷え込むため外出しない人が多くなります。 8月はお盆の帰省によって、特に首都圏のオフィス街などは影響が出やすくなっています。

運送業界も12月・3月

運送業界も12月・3月が繁忙期となります。 まずはやっぱりクリスマス、大晦日、お正月などのイベントの時期は忙しくなります。 クリスマスカードやクリスマスプレゼント、年末にはお歳暮、そして年始には年賀状やお年賀があります。 運送業者は忙しくなりますね。 さらに、3月は引っ越しシーズンです。 新年度に向けて新社会人や学生などが一人暮らしを始めることが多い時期です。 卒業式から入社式・入学式までの間はとても忙しくなります。

旅行・ホテル業界は長期休暇のある時期

旅行・ホテル業界の繁忙期は、やはり春休み・GW・夏休み・年末年始など長期休暇のある時期となります。 昨今では秋のシルバーウィークで旅行をする人も増えてきています。 やはり、家族全員や友人同士・恋人同士が一緒に旅行できるほどの休みを取れるとなると、長期休暇のシーズンが多くなってきます。 それ以外は基本的に閑散期となります。 ホテルや飛行機などの料金も下がり、旅行をするには穴場となります。 同じように満喫できても、かかる費用が半分くらいになることもあります。 さらにテーマパークなどは空いているので、有給休暇が使える人はぜひ閑散期を狙って旅行をしましょう。

アパレル業界は夏と冬のセール

アパレル業界の繁忙期は、やっぱり夏と冬のセールの時期となります。 夏休みの時期である7月後半から8月の夏のセール、そしてクリスマスからお正月頃の冬のセールの時期は、セール期間の前も後も大忙しです。 特に、冬のセールでは福袋もあるうえに冬服はかさばるため在庫管理も大変なのだとか。 売上も1番伸びるとも言われており、アパレル業界にとって最大の繁忙期と言えるでしょう。 他にもセール前には値札の準備やポップの準備もしなければなりません。 そしてセール後には次のシーズンの服装も店頭に並び始めるため、セールの片付けをしながら次の準備を進めます。

IT業界は案件次第

IT業界と一言でいっても様々な業態がありますが、システム開発を例にとってみましょう。 システム開発などは、何月に忙しくなる、など決まった時期に繁忙期を迎えることはありません。 請け負った案件次第です。 システムエンジニアが特に忙しくなるのは、納期が遅れてる時です。 開発の途中からエラーが発生し手戻りしなくてはいけなかったり、開発と平行してテスト環境を作るのに時間を要したりと様々な要因があります。 スケジュールさえ守れれば、時間にも場所にも縛られないのがIT業界といえます。

求人業界は1月と10月

求人業界の繁忙期は1月と10月になります。 企業側は1月頃から求人を出し、4月の新年度に向けて準備を行います やはり4月入社を希望する人が多くなります。 年度末で区切りをつけて退職する方が多いため3月いっぱいで退職し4月から新しい会社へと希望します。 求人広告を出し、書類選考や面接を実施し、最終的に新規入職者を選びます。 となると、逆算して1月に求人を出す企業が多くなります。 年末は決算など忙しいことも多く、また心理的にも年始という一新する時期に求人が増える傾向があります。 また10月も、ちょうど上期から下期に切り替わる時期です。 上期で退職する人も多く、社内の調整をしたり年が変わる前に新規入職者を選考するためにも10月に求人を出し始めます。

広告業界は10月下旬〜12月上旬と、1月下旬〜3月上旬

広告業界の繁忙期は10月下旬〜12月上旬と、1月下旬〜3月上旬となります。 というのも、広告業界は年末と年度末の仕事が忙しくなります。 そのため年末の案件への業務をする10月下旬〜12月下旬、そして年度末の案件への業務をする1月下旬〜3月上旬が最も忙しくなります。 もちろん、広告業界も広いため部署によって繁忙期は異なりますが、全体的に見るとその傾向が強くなります。 また長期休暇などにも広告は増加するためGWの前や夏休み前なども忙しくなるでしょう。 シーズンごとに広告が変わるものもありますので、それを考えると年中繁忙期とも言えます。

最後に....繁忙期の退職ってOK?

いかがでしたか? 繁忙期について理解を深めることはできたでしょうか? 繁忙期でも退職ってしていいの?と疑問に思っている人も多いかもしれません。 繁忙期に会社をやめるのは全く問題ありません。社内規則に則って、正式な手続きを踏めばよいでしょう。 しかし業界が狭い場合は、「無責任だ」という噂が広がってしまう可能性も否めません。 今後も同じ狭い業界で働く場合は、なるべく繁忙期が終わってから退職した方がよいでしょう。

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