「ルーティン」には大別して2つの意味があります。「1日ですることを事前に全て決定すること」「あることをする前に毎回決まったジェスチャーをすること」です。本記事では前者について詳しく解説していきます。
「ルーティン」は大別すると2種類あります。 1つ目は、1日ですることを事前に全て決定することです。 朝起きたら顔洗う→着替える→朝食というように、頭で考えずとも自然と体が動くようになっている習慣化された行動を「ルーティン」と言います。 生活の中や仕事をしていく上でルーティンを取りいれているのは経営者に多いです。 2つ目は、あることをする前に毎回決まったジェスチャーをすることです。これは「験担ぎ(げんかつぎ)」といわれます。 例えば、「試合の前は左足から靴を履く」といったことです。 スポーツ選手に多いですね。 スポーツ選手はルーティンを実行することで、精神を落ち着かせていることが多いです。 また、「ルーティン」のことを「ルーチン」という場合もあります。
ルーティン化して同じことを同じ時間に毎日繰り返すことで、精神状態が安定するというメリットがあります。 やっぱりイレギュラーなことをしている時って気持ちが落ち着かないですよね。 自立神経を乱さないためには「平常でいること」が重要なポイントになります。 どんなに忙しい毎日であっても、ルーティン化してることをすることによって普段と変わらないことができるので精神的に落ち着くことができます。 そのため、自律神経が乱れず、いつでも落ち着いた精神状態を保つことができるのです。
朝食は何を食べるか、服は何を着るか、ヘアスタイルはどうするか、午前中は何の仕事から始めるか、仕事帰りは何の映画を観ようか、週末の予定はどうするか・・・といったように生活をしてると意思決定をしなければいけない場面って沢山ありますよね。 ルーティン化しないと、毎日意思決定しなければ無限にあります。 特に経営者など大切な意思決定をしなければならない仕事の人は、それらに集中するために、「どーでもよい意思決定」は排除する必要があります。 だからこそ「朝食は必ずパン」というようにルーティン化することにより、意思決定の回数を減らしてるのでしょう。
仕事をパターン化すると体が作業を覚えているため、ミスが少なくなります。 ミスを減らすことができるだけで、仕事の効率がかなりあがりますよね。 それだけではなく、作業スピードも上がるというメリットもあります。 さらに、ルーティン化し毎日繰り返し行うことで改善点や問題点も発見しやすくなるでしょう。 ルーティンにすることで仕事の質を上げるためにも役立つと言えるのです。
ルーティンにはゾーン(集中力が極度に高まっている状態)に入りやすくなるというメリットもあります。 やることが決まっているため、集中力が高まっている精神状態になりやすいのです。 スポーツ選手が試合の前にルーティンを行うのは、集中するためのスイッチのようなものだったりします。 また、仕事においても上述しているように、余計な決断をする手間がはぶけてるぶん自分のすべきことが明確であるため、集中できる状態にすぐになることができます。
ルーティンがフィックスしてれば、帰宅後にダラダラ仕事をしたり、行きたくもない飲み会に参加することもありません。 その結果、公私の区別がしやすく、気分の切り替えもしやすくなります。 例えば嫌なことがあって気持ちが落ち込んでしまったときに、お気に入り一曲を聞くといったことをルーティン化しておくことで、いつまでも暗い気持ちを引きずって仕事の効率を下げてしまうこともないでしょう。 このように毎日のルーティンを上手く活用すれば、条件反射のようにスッと気持ちを切り替えることができるのです。
仕事が忙しい人でもルーティンが定まっていれば、家族や一緒に働く人たちも生活しやすくなる面もあります。 例えば、どんなに忙しくしている社長でも「だいたいお昼は12時に○○で昼食をとっている」ということがわかるだけでも「どこで何をしてるのか聞く・探す」という手間が省けます。 社長が昼食を取る前に書類を確認してもらおうなどといった予定も立てられるでしょう。 また、家族も予定を合わせて行動することができるので生活しやすいですよね。 いつも忙しくしていて、起きる時間も帰宅時間もバラバラ...だとなかなか家族の時間がとれません。
この3人に共通しているのは「毎日同じ服を着る」という点です。 スティーブ・ジョブスは、イッセイミヤケのハイネックにリーバイス、靴はNBのスニーカーと決めていました。 マーク・ザッカーバーグは、グレーのTシャツにデニム。 オバマ前大統領は8年間同じタキシードを着ていました。 毎朝同じ服を着ることで、「毎朝着る服を決める」という決断のエネルギーを削減していたと考えられます。また、金銭的コストも削減しています。 日々の効率化を考え毎日の服をルーティン化したのです。
Apple社CEOのティム・クックは、朝早く起きて、ジョギングをルーティンにしてました。 Twitter社CEOのジャック・ドーシーは毎朝徒歩で出社をルーティンにしています。 2人に共通することは「早起き」を習慣化していることです。 忙しい毎日だからこそ、早起きをして脳内を活性化させることをルーティン化したのです。 成功している経営者には、「朝型」の人が多いと言われています。 皆決まってルーティンを実践していて、時間を無駄にすることがありません。
朝方にしたら、目覚めた瞬間から仕事に関することをルーティン化しなければいけないというわけではありません。 例えばAmazon社CEOジェフ・ベゾスも朝早く起きてゆっくりとした朝の時間を過ごすことをルーティンにしています。 ジェフ・ベゾスは毎朝、子どもたちを朝食をとる時間を大切にしているのです。 また、彼は午前10時までは会議などの予定を入れたがらないといいます。 朝から晩まで仕事に関することをルーティンにするのではなく、「家族の時間」をルーティン化してきちんととることで1日の生産性をあげていると言えるでしょう。
マイクロソフト社顧問ビル・ゲイツは毎晩お皿洗いをし、寝る前の1時間を読書をすることを ルーティンにしています。 「読書」には様々な効果があります。 色々な情報を得られるだけではなく、想像力や感性を磨くことができますよね。 また、語彙力が高まり表現力を身につけることができます。 ビル・ゲイツは子供の頃から年間50冊の本を読み続けてるといいます。
まずはルーティン化する目標を明確にしましょう。 ・仕事で結果を出したい ・ダイエットしたい ・受験に成功したい ・ミニマリストになりたい ・起業をしたい などなど 闇雲に「朝これをすると良いらしから...」という理由でバンバンルーティンの中に組み込んでいっても自分にとって無駄なことであれば意味がありません。時間は有限です。 無駄なことに時間を使ってしまわないためにも目標設定を明確にしましょう。 目標があれば、ブレることがないので決めたことをルーティン化しやすいです。 また目標設定をきちんとすることで、三日坊主になってしまうことを防ぎます。
目標設定をしたら、そのためにやるべきことを箇条書きにしていきましょう。 例えば仕事の効率をあげ生産性をあげたいのであれば、そのためにできることを箇条書きします。 「頭をスッキリさせるために出社する2時間前には起きる」 「出社前にジョギングをする」 「デスクに向かったらその日にやることをリスト化する」 「読書をする」 といったように、やるべきだと考えられるものをあげていくのです。
やるべきことを箇条書きにしたら、優先順位をつけて一日の予定に入れてみましょう。 朝起きてから就寝するまでのスケジュールに組み込んでいくのです。 例えば、起床してから出社するために家を出る間の時間があるのなら、その間に読書を入れたり、通勤時間が長いという人は通勤時間中に「読書」を入れても良いでしょう。 無理なくルーティン化するにはいつ行うか「タイミング」も重要なので、きちんとイメージしながら予定に入れていくことが大切です。
ルーティンは「習慣化」することです。 「習慣」とは、「ご飯を食べたら歯を磨く」というように、頭で考えなくてもできるようになることですから、無理があると習慣化することはできません。 ルーティンにするために大切なことは、実践してみて無理があったら修正をしていくことです。 無理があったら、順番を変えてみたり、優先順位が低いと感じるものは抜かしていきましょう。 そしてまた実践して確認をします。 計画を立ててもすぐにルーティンにすることは中々難しいでしょう。 改善を重ね、ベストだと思える状態を作り出すことでルーティンになっていくのです。
スポーツ選手が本番前にやる験担ぎ的なルーティンを、社会人でやる人は少ないと思います。 経営者や社会人でもプレゼンなど一発本番な場面はありますよね。 そんな際にできる験担ぎ的なルーティンは、無理矢理生み出す必要はなく、自分の心が落ち着くことを採用するとよいでしょう。 必ずトイレにいく、一杯コーヒーを飲む、コンビニまで散歩する、好きな音楽を一曲聴くなども簡単なことでも立派なルーティンです。 まず取り入れてみて、うまくいったら続けるようにしましょう。
ルーティンは1日に必ず「やること」を決めることです。 しかし、それと同等に「絶対にやらないこと」を決めるのもルーティン化成功のコツになります。 例えば「だらだらとスマホをいじってしまう」という時間が1日の中に必ずあって、それが「無駄だな」と思っているのなら「絶対にやらない」と決めましょう。 寝る前にスマホの画面を見るのは睡眠の質が落ちますし、夜ふかしの原因にもなります。 反対に朝を起きてから10分間はSNSをチェックするなど、ルーティンの中に組み込んでしまって時間を無駄にすることを防いでもよいでしょう。 その他にも「やめたい」と思っていることや「これは時間の無駄だよな」と思うことは「絶対にやらない」と決めることでじゃんじゃん省き、ルーティンをよりシンプルなものしていくことがルーティン化成功の鍵です。
予定を細かくカレンダーに入れておくのもルーティン化成功のコツです。 まず予定を細かくカレンダーに入れることで「自分のするべきことを視覚から情報とて取り入れる」といういうことができます。 人は視覚からとりれる情報量が1番多いと言われています。 自分のするべきことを視覚から取り入れ脳を刺激することで、より行動に移しやすくなります。 なので、なかなかルーティン化することができないな...という人は、予定を細かくカレンダーに入れて予定を視覚から脳内に情報として取り入れてみることをおすすめします。
人はどうしても「めんどくさい」という感情がでてきてしまうものですよね。 「毎日○○をする」と決めたところで、いざとなると準備をする気にもならなかったり「今日は疲れてるから明日からでいいや」と思ってしまったりするものです。 「めんどくさい」という気持ちがある以上習慣化することは、中々難いしでしょう。 なので、ワンクッション分先に準備をしておくことがルーティン化のコツになります。 例えば、「健康のために毎朝お白湯を飲む」をルーティン化しようと思った場合、寝る前にマグカップを台所に一つ置いて準備をしておいたり、ポットに水をいれて沸かすだけにしておく...などです。 すぐに行動できるようにしておけば「めんどくさい」と防げます。 この場合、夕食を食べた後にお皿洗いのついでにマグカップを一つ出して置いておく...といったことを習慣化できれば、もっとルーティン化しやすくなるでしょう。
ルーティンに取り込みたいことに対して、「お金をかけてしまう」というのも手です。 例えば「資格をとりたい」といった場合、資格をとるための勉強をルーティン化したいですよね。 しかし、これが中々難しいんですよね。 この場合、教材を用意するなど先にお金をかけてしまうのです。 お金をかけてしまうと「やらないとお金が無駄になってしまう」という気持ちになりますよね。 自然に「やらないと」という気持ちになるので、繰り返し行っているうちに自然とルーティン化されてくるでしょう。 「形から入る」なんて良く言いますが、高いランニングシューズを勝ってしまうなど先にお金を出して「もったいない」という自分の精神を掻き立てるのもルーティン化のコツであると言えるでしょう。
「やらないと」と思ってしまっているうちは、中々ルーティンすることは難しいです。 頭で考えなくても行動できるようになるには、やっぱりタスクをできるだけ短く楽に済ませるように工夫をすることが大切でしょう。 「○○をするついでに」といったように、元々やっていたことに付け加えるようにサッとできるように予定を組むことも重要です。 例えば、まったく習慣がないのに「読書をする」ということをルーティンの中に入れようとしても中々難しいですよね。 なので、電子書籍にして通勤時間などの空き時間にサッと読めるようにしておくなど短い時間で楽に済ませる工夫をしましょう。
ルーティン化をすることは自分の為であり、まさに自分との戦いです。 しかし、自分との戦いだと簡単に挫折してしまう人は沢山いるでしょう。 自分と戦うことが実は1番難しいことなんですよね。 なので、信用できる人に「今日から○○をする」と公言することでルーティンを共有するのも良いでしょう。 「人に言ったからには絶対に実行しなければ」と思いませか? まさに「有言実行」というやつです。 そして、「最近いい感じにルーティン化できてる」と思うなら、報告して褒めてもらいましょう! 人は褒められることでドーパミンという脳内物質が分泌され、さらなるやる気に繋がります。
朝活の第一人者、朝活研究を続けて11年の著者が見出したのが、 誰でもできる、人生が変わる「モーニングルーティン」です!
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掃除、片づけ、料理、防災、朝時間の使い方など、 暮らしをストレスなく、スムーズに回すためのヒントを 豊富な写真とエッセイで綴った1冊。
最近ではYouTubeなどでも有名な方のルーティンを見ることができます。 「本当にやってるの...?」なんて疑いの目で見てしまいますが、やっている人は本当にやっています。 そして、実際に成果を出しているのです。 YouTuberのように綺麗で完璧なルーティンである必要はもちろんありません。 大切なことは「毎日繰り替えし行えること」です。 それが自分の身になることでしょう。 「こういう人になりたい」と思う人がいるなら真似をすることからはじめてみて良いです。 自分にとってベストなルーティンを見つけていきましょう。