「プレゼンス」の意味と使い方を解説していきます。ニュースで政治や経済のトピックで使われる「プレゼンス」ですが、どんな意味があるのでしょうか?語源の英語表現とともに解説していきます。
「プレゼンス」の意味は「存在感」です。 「プレゼンス」は会社や国家に対して使い、経済的または軍事的な影響力のことをいいます。 良い意味でも悪い意味でも使います。 軍事力の婉曲表現として「プレゼンス」が使われることもあります。 「軍事プレゼンス」という表現もあります。 「プレゼンス」にはハードパワーとソフトパワーがあります。 ハード面は会社や軍隊がある地域に実際に進出・駐留して拠点をもち、影響力を発揮することをさします。 ソフト面は物理的な拠点を持たずに、情報や文化、言語などで影響力を有することをさします。 例えば「米軍の東アジアにおけるプレゼンス」といった場合、ハード面の意味合いが強いです。米軍本土は遠くにありますが、沖縄県や大韓民国に軍事基地を所有しています。 一方「日本アニメの欧米でのプレゼンス」といった場合、ソフト面の意味合いが強いでしょう。海外に子会社や支社を設け駐在員を派遣しているアニメーション企業もあるでしょうが、それよりもインターネットによってコンテンツが流通しているわけなので、非物理的な影響力が強いといえます。 ちなみにカタカナ語の「プレゼンス」は一般的に個人に対してはあまり使いません。 周囲から一目置かれる人も存在感がありますが、「プレゼンス」という言葉を使うとやや大げさな印象があります。
「プレゼンス」のというカタカナ語は英語「presence」が由来です。 「presence」の原義は「存在すること。あること。存在」です。 転じて「出席。参列」「存在感」「亡霊」「臨場感」などの意味があります。 英語「presence」は人の存在感に対しても使用します。 「presence」は名詞ですが、形容詞「present」には「現在の」「出席している」、名詞「present」には「現在」「プレゼント」などの意味があります。 「present」に関しては下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
「プレゼンス」はIT業界でも使用される言葉です。 IT用語の「プレゼンス」は英語本来の意味に近く、人やモノの「位置」という意味で使います。 「プレゼンス情報」ならば、GPSを使った位置情報のことをさします。 「プレゼンス機能」だと、メッセージや通話、ビデオ電話等のコミュニケーションサービスで相手の在席状況が確認できる機能をさします。
「プレゼンス」は、
という言い回しで使います。 「プレゼンスが大きい」「プレゼンスが小さい」ともいうことはできますが、あまり一般的ではありません。
などともいいます。 「プレゼンス」を意図的に低くすることはほとんどありませんし、「低める」という日本語もあまり使わないので、「プレゼンスを低める」という表現はほとんど使用されません。
「プレゼンス」の例文
などの表現も使われます。 これは、すでに有するプレゼンスを何らかの方法で他社や他国が認識できるようにする、という意味です。 軍事的なプレゼンスを示すとは、たいてい他国を牽制する場合が多いです。 ビジネス市場においてプレゼンスが発揮されるというのは、大企業の意思決定により多くの消費者や他社が影響を受けるというニュアンスです。
「プレゼンス」の例文
「プレゼンスを確立する」とは、「不動の地位を得る」という意味です。 このフレーズは主にビジネスシーンで使用されます。 ある市場においてプレゼンスを確立するというのは、その市場では知らない人がいない存在になる、ということです。
「プレゼンス」の例文
「プレゼンスが剥がれる」はVR用語です。 VRとは「ヴァーチャル・リアリティ」の頭文字をとったもので、「仮想現実」と訳されます。 VRゴーグルを装着することで、実体験に近い体験が得られるテクノロジーです。 VR業界での「プレゼンス」とは、「そこにある感じ」「その世界にいる感じ」という意味です。 この「プレゼンス」を維持することが、素晴らしいVR体験を提供する上で非常に大切です。 「プレゼンスが剥がれる」「プレゼンスが壊れる」とは、その逆で、そこにある感じのリアリティさが失われることをさします。 「プレゼンスが剥がれる」原因は、CG制作の粗さや通信速度などになります。
「プレゼンスマーケティング」とは主にIT業界で使われる用語です。 その名の通り、「プレゼンスを高め、確立するためのマーケティング」です。 オンラインにおけるプレゼンスを指すことが多く、検索エンジン最適化やソーシャルメディアでのブランディング、オンライン広告の運用など多岐に渡ります。
「プレゼンスチャンバー」は日本語として使われることはほとんどありませんが、「謁見室(えっけんしつ)」の意味です。 「謁見室」とは「貴人または目上の人に会う部屋」のことです。 「謁見室」は通常の建造物にはありません。 ロイヤルファミリーや皇室、貴族などの住居に設置してあります。 「presence」は語源の箇所で解説した通り「出席」という意味があります。 「chamber」は「室。会議室」という意味になります。
「プレゼンスが高まる」の類語には、
などがあります。 「頭角を現(あらわ)す」は個人に対して使い、「学識・才能などが群を抜いて目立ってくる」という意味です。 「頭角を出す」「頭角を伸ばす」「頭角を抜く」「頭角を上げる」などは誤用なので注意してください。 「あらわす」はもともと「見す」と書いていましたが、今は「現す」と書きます。「表す」は間違いです。 「台頭」は「擡頭」の代用表記です。 「擡頭」とは「頭を擡(もた)げる」を熟語にしたものです。 「擡(もた)げる」は「もちあげる」の意で、「頭をもたげる」で「目立った存在となってくる」の意味です。 「台頭する」は個人にも国や企業に対しても使います。
「頭角を現す」「台頭する」の例文
「プレゼンス」はあまり個人に対しては使いません。 個人に対して使う場合は、
などを使います。 個人以外にも使いますが、
なども使うことができます。
「プレゼン」は「プレゼンテーション」の略です。 聴衆に情報を提示して、理解を得るようにするための手段です。 MicrosoftのPowerPointやAppleのKeynote、Google Slideなどのツールを使い行われ、ビジュアルに重きが置かれます。 動詞「present」には「贈る」「提出する」という意味があり、それが転じて「presentation」で「提示すること」という意味になりました。
「プレゼ」は「蒸し煮」を意味します。 「ブレゼ」はひたひたの水分で、お肉や野菜を煮込み、蓋をして鍋ごとオーブンに入れて蒸し煮にすることです。 フランス料理の調理法で、日本料理にはない方法です。 「プレゼ」の語源はフランス語「braiser」で、「ブレゼ」の方が発音は近いですが、「プレゼ」という場合もあります。 また、建築など業界によっては「プレゼンテーション」の略を「プレゼ」という場合があります。
「プレ」は英語の接頭語「pre」のことで「前の」「以前の」という意味です。 「プレビュー」ならば「事前に(pre)に見ること(ビュー)」をさします。 「プレ大会」「プレオープン」など本番前の試験的な意味合いでも使われます。 「pre」の正しい英語の発音は「プリ」です。 そのためか英語教育をする保育施設である「preschool」のことは日本でも「プリスクール」といわれます。
「プレゼンス」とは「影響力」という意味で使れる言葉です。 語源は、「存在」「存在感」「出席」などを意味する英語の「presence」です。 国や軍隊の政治的または軍事的な影響力や企業の市場における経済的な影響力をあらわす時に使います。 「プレゼンス」は漠然とした言葉で、「軍事力」を間接的に表現する際に使われたりします。