「ご報告したく存じます」は「報告したいと思う」という意味の敬語表現です。今回は、「ご報告したく存じます」の意味や敬語、使い方、類似の敬語表現などを解説します。
「ご報告したく存じます」は「ごほうこくしたくぞんじます」と読みます。 「ご報告したく存じます」の意味は「報告したいと思う」です。 「ご報告」の意味は「告げ知らせること」です。 特に、任務のなどの経過や結果を知らせることをいいます。 「~したく」は「~したい」という希望を表します。 「存じます」は「思う」という意味です。
「ご報告したく存じます」は品詞分解すると「ご」+「報告」+「する」+「たい」+「存ずる」+「ます」となります。 「報告」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 接頭辞「ご(お)」は、尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合の接頭辞は、自分の動作をへりくだり相手に敬意を示すためにつけているので謙譲語です。 「存ずる」は「思う」の丁重語です。 丁重語は謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「ご報告したく存じます」は謙譲語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 目上の人に対して使うことができます。
「ご報告したく存じます」は、自分が相手に何かについて報告することを伝えるときに使います。 例えば、調査結果が出たら報告するということを予め伝えておくときに「調査結果が出次第、ご報告したく存じます」などと使います。 また、何かの報告をするメールの文頭に「~についてご報告したく存じます」などと記しておくことで、一目で何についてのメールなのわかるようになります。 「ご報告したく存じます」は、ビジネスメールの文中に使われることが多いですが「ご報しく存じます。よろしくお願い申し上げます」などの形で文末に使うこともできます。
【件名】 4月15日現在の契約者数に関するご報告 【本文】 藤沢部長 お疲れ様です。営業部の高橋です。 4月の契約者数に関して、4月15日現在の進捗状況をご報告したく存じます。 目標人数 100人 現状 50人 達成率 50% 予定通り、半月で達成率50%の50人を達成いたしました。 このまま目標達成できるよう、スタッフ一同気を引き締めてまいる所存です。 ご報告は以上です。 ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。 高橋
【件名】 商品誤発注のご報告 【本文】 販売部 羽宮部長 お疲れ様です。運営部の桐島です。 標題の件について、下記の通りご報告したく存じます。 日時:9月5日(水) 担当者:花垣 武雄 受注形式:ECサイト 内容:予定発注数の倍の食品を誤発注 誤/卵40パック(400個)正/卵4パック(40個) 対応:近隣店舗へ引取依頼 原因:入力ミス 対策:発注個数入力時、二重チェックの実地 ご多忙の中恐れ入りますが、ご確認いただきますようお願い申しあげます。 桐島
【件名】 製品不良について 【本文】 株式会社あいうえお 総務部 遠藤様 平素よりお世話になっております。 株式会社かきくけこ営業部の大竹です。 このたび4月1日(月)納品分の商品「〇〇〇」に不良品が含まれていたとのこと、心よりお詫び申し上げます。 商品管理に不十分な点があったこと深く反省しております。 只今原因を調査しておりますので、調査の結果が出次第ご報告したく存じます。 このたびは多大なるご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。 今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 大竹
【件名】 プロジェクト進捗状況について 【本文】 株式会社AAA 広報部 武田様 平素よりお世話になっております。 株式会社mango営業部の斎藤です。 お忙しい中、プロジェクトに関するご連絡をいただきありがとうございます。 宣伝用ポスターのデザインについてですが、現在担当者と最終確認を行っております。 確認が終わり、印刷する段階に入りましたら改めてご報告したく存じます。 引き続きよろしくお願い申し上げます。 斎藤
「ご報告したく存じます」の「存ずる」は「思う」の丁重語なので、「ご報告したく思います」といても意味は同じです。 「ご報告したく思います」は品詞分解すると「ご」+「報告」+「思う」+「ます」となります。 「報告」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「ご報告したく思います」は謙譲語+丁寧語の敬語表現です。 「ご報告したく存じます」は謙譲語+丁重語+丁寧語なので、「ご報告したく存じます」のほうが丁寧です。
「ご報告させていただきたく存じます」は「報告させてもらいたいと思う」という意味のk李御表現です。 「ご報告させていただきたく存じます」は品詞分解すると「ご」+「報告」+「させていただく」+「存ずる」+「ます」となります。 「報告」についている接頭辞は謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」という意味の謙譲語です。 「存ずる」は丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 「ご報告させていただきます」は謙譲語を二つ使用していますが、二重敬語ではありません。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を重ねて使用してしまうことをいいます。 この場合は、譲語の接頭辞「ご」は「報告」についていて、「させていただく」は「させてもらう」いう補助動詞を謙譲語にしています。 それぞれ別の言葉にかかっている謙譲語なので、二重敬語ではなく正しい敬語表現です。 また、「させていただく」は、相手からの許可が必要で、またそれを実行した場合こちら側に恩恵のある行為をする時に使用するという条件があります。 この場合は、報告することに対して相手に直接的に許可を得るわけではないので、やや大げさな表現といえますが、自分が報告することを謙遜した丁寧な表現として使われることがあります。 しかし、「ご報告させていただきたく存じます」はクドイのでシンプルに「ご報告したく存じます」を使う人が多いです。
「報告します」は「報告する」という意味の敬語表現です。 「報告します」は「報告する」に丁寧語「ます」をつけています。 正しい敬語表現ですが、使用しているのが丁寧語のみなので、親しい間柄であれば問題ありませんが、社外の人に対して使うには丁寧さに欠けます。 丁寧語は文章全体を丁寧にすることができますが、敬意を示すことができません。 目上の人に対して使うときは、尊敬語や謙譲語など相手に敬意を示す敬語を使う必要があります。
「報告します」は「ご報告いたします」とすると、より丁寧になります。 「ご報告いたします」は、品詞分解すると「ご」+「報告」+「いたす」+「ます」となります。 「報告」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 「いたす」は「する」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 したがって、「ご報告いたします」は謙譲語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 丁寧語のみを使用した「報告します」よりも丁寧で、目上の人に対しても問題なく使うことができます。
「ご報告差し上げます」は、「ごほうこくさしあげます」と読みます。 「ご報告差し上げます」の意味は、「報告する」です。 「ご報告差し上げます」は品詞分解すると「ご」+「報告」+「差し上げる」+「ます」となります。 「報告」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 「差し上げる」は「やる・与える」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「ご報告差し上げる」も謙譲語を二つ謙譲語を使用していますが、それぞれ別の語にかかっているので二重敬語ではありません。 しかし、「差し上げる」が「やる・与える」の謙譲語であるため「ご報告差し上げます」 「ご報告差し上げます」を「ご連絡差し上げます」としても「連絡をします」という意味に変わりはありません。 しかし、「差し上げる」が「与える」「やる」の謙譲語であるため、上から目線な印象を与えるので注意が必要です。 例えば「只今調査中のため、改めてご報告差し上げます」などと使うと、自分の都合で相手を待たせるのにも関わらず「改めて報告をしてあげます」というニュアンスになってしまいます。 目上の人に対しては他の敬語表現を使うのが望ましいです。
「ご報告申し上げます」は「ごほうこくもうしあげます」と読みます。 「ご報告申し上げます」は「報告する」という意味です。 「ご報告申し上げます」は品詞分解すると、「ご」+「報告」+「申し上げる」+「ます」となります。 「報告」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 「申し上げる」は、謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、「ご〜申し上げる」で「する」という意味の補助動詞になります。 よって、「ご」と「申し上げる」と2つの謙譲語が使われてますが、2つセットで1つの謙譲表現なので、二重敬語にはあたりません。 「ご(お)~申し上げる」は「ご(お)~する」よりも敬意の度合いが高く、「ご報告いたします」よりも丁寧な敬語表現です。
「ご連絡」は「連絡」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「連絡」の意味は「情報などを知らせること」です。 「ご連絡」は、物事の内容を簡単に伝えるときに使います。
「お知らせ」は「知らせ」に接頭辞「お」をつけた言葉です。 「知らせ」の意味は「知らせること」です。 起こったことや決まったことなど様々な情報を他人に伝えるときに使います。
「ご通知」は「通知」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「通知」の意味は「必要な事柄を関係者に知らせること」です。 「ご通知」は、特定の人や不特定多数に一定事項を知らせる行為で、法律効果を伴うものにものに使うことができます。 例えば、納税の督促や事業認定の告示などに対して使います。