「凡事徹底(ぼんじてってい)」の意味は「当たり前のことを徹底的に実践すること」です。耳にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。今回は「凡事徹底」の正しい意味や使い方を例文付きで紹介します。また、類語や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「凡事徹底」の読み方は「ぼんじてってい」です。 「凡」は音読みで「ボン」、「事」は音読みで「ジ」、「徹」は音読みで「テツ」、「低」は音読みで「テイ」と読みます。
「凡事徹底」の意味は「当たり前のことを徹底的に実践すること」です。 『広辞苑』など辞書には載っておらず、我々の生活の中で創作された四字熟語です。 例えば、「整理整頓」など生活していく上で当たり前にするべき習慣を、軽んじることなく徹底して習慣化することを「凡事徹底」といいます。
「凡事徹底」は「凡事」と「徹底」の二つの熟語を組み合わせた四字熟語です。 「凡事」は「ありきたりなこと」「当たり前のこと」という意味です。 「凡」という漢字には「ありふれた」「ふつうの」という意味があります。 「凡事」という言葉も『広辞苑』には記載はありません。 「徹底」は「態度・行動が中途半端でなく、一つの考え方で貫かれていること」です。 よって、「凡事徹底」は、当たり前のことを徹底的に突き詰めて行うことを言い表す四字熟語になります。
「凡事徹底」は「凡事徹底する」「凡事徹底に努める」という言い回しで使用されます。 「凡事徹底する」「凡事徹底に努める」で、「当たり前のことを徹底的に実践する」という意思表明や、当たり前にするべきことを疎かにしてしまっている自分への戒めの言葉として使用することができます。
例文
「凡事徹底」は、平凡で当たり前のことこそ徹底することこそ強い意志と根気が必要であり、だからこそ徹底できる者は大きな力を手に入れることができるという座右の銘・名言として人気です。 元プロ野球選手として有名なイチローさんは、高校生活の3年間、毎日10分素振りを365日続けていたそうです。 「素振りを10分」はまさに基礎的なことですが、それを365日続けるということは簡単なことではありません。まさに「凡事徹底」です。 こういった凡事徹底の積み重ねでイチローさんは活躍できるプロ野球選手へとなったのでしょう。 パナソニックの創業者である松下幸之助さんは、人材教育において「凡事徹底」を教育方針の一つにしていました。 松下さんが徹底させていたのは「整理・整頓・清潔・清掃・躾」の5Sなど、日頃の身の周りのことをきちんと行うことです。 この凡事徹底で、経営を成り立たせる上で大切な「精神・正直さ、真面目さ、愚直さ」などを部下達に教育していました。
日常生活では「凡事徹底」は「当たり前のことを当たり前にやる」と言い換えられることが多いです。 「当たり前のことを当たり前にやる」は「凡事徹底」と同義です。 「プロとは、高い技術を持っている人を指す言葉なのではなく、当たり前のことを当たり前にすることだ」などと言われたりします。
「平凡を非凡に努める(へいぼんにひぼんにつとめる)」の意味は「ありきたりなことを、衆人よりはるかに成し遂げようと力を尽くす」です。 「平凡を非凡に努める」も「凡庸徹底」と同義です。 また「平凡を非凡に努める」は、鍵山秀三郎さんの書いた本のタイトルでもあります。
「継続は力なり」は「けいぞくはちからなり」と読みます。 「継続は力なり」の意味は「物事をやり続ければ後に実力になって目標に近づけること」です。 同じ意味の表現ではありませんが、「凡庸徹底」も「当たり前にするべきことを、軽んじることなく徹底して習慣化して継続する」という意味があるため、一緒によく使われます。
「凡事徹底」を「小さなこともしっかりやる」と解釈すると、
などと表現できます。
「凡事徹底」を「やるべきことをやる」と解釈すると、
などがあります。 「what」は疑問文では「何」という意味ですが、肯定文では「こと」という意味になります。