「和気藹々(わきあいあい)」の意味は「なごやかに打ちとけた気分が満ちているさま」です。「和気」は「穏やかな気分」、「藹藹」は「心の和らいだ様子」を意味し、「和気藹々」は同じ意味の熟語を重ねることで「和やか」という意味を強調した四字熟語です。
「和気藹々」の読み方は「わきあいあい」です。 「和」は音読みで「ワ」、「気」は音読みで「キ」、「藹」は音読みで「アイ」と読みます。 「々」は同じ漢字を重ねた際の代用字で、この場合は「藹」の代用で読み方は「アイ」です。 「藹々」の漢字は「靄々」とも書きます。 「藹」と「靄」は「おだやか」という意味があり、どちらを使用しても同じ意味になります。 「藹」は常用漢字でないため、「和気あいあい」と書くことも多いです。
「和気藹々」の意味は「なごやかに打ちとけた気分が満ちているさま」です。 その場にいる人が仲睦まじく、なごやかな雰囲気で楽しく過ごしている様子を言い表す言葉です。 「和気」は「穏やかな気分」、「藹藹」は「心の和らいだ様子」を意味します。 「和気藹々」は、同じ意味の熟語を重ねることで「和やか」という意味を強調した四字熟語です。
「和気藹々」の由来は、中国の「李 邕(り よう)」という書家の書いた「春賦(しゅんふ)」にある「和気藹として寓に充つ」という一文です。 「和気藹」が「和やかな雰囲気」、「寓」は「住まい」、「充つ」は「満ちる」という意味です。 よって、「和気藹として寓に充つ」は「和らいだ空気が和やかに広がって、住まいに満ちている」という意味になります。 これが語源となり、「和気藹々」という穏やかな空気を言い表す四字熟語が使用されるようになったと言われています。
「藹」は見慣れない方が多いかと思います。 「藹」の書き順は下記の通りです。
「和気藹々」は、みんなが打ち解けあい和やかな雰囲気で過ごしている様子を言い表すときに使用されます。 「和気藹々」は形容動詞で、「和気藹々とした○○」「和気藹々たる○○」が定型句です。 例えば、社員が仲良く和やかな雰囲気で働いているのなら「和気藹々とした職場」と言い表すことができます。 「和気藹々だ」と文末で使用することもあります。
例文
「和気藹々」は、「和気藹々と〜する」と副詞的に使うことも可能です。 例えば、「和気藹々と話す」で「穏やかな雰囲気で話す」という意味になります。 よく使用される言い回しには、
などがあります。
ただし、一人で楽しんでいるという状況に「和気藹々」を使用することはできないので注意しましょう。 数人が集まっている状態で、穏やかな雰囲気で楽しく何かをすることを言い表す場合にのみ使用することができます。例文
「和気藹々裡」ともいいます。 「和気藹々裡」は「わきあいあいり」と読みます。 「裡」は「〜のうちに」という意味です。 よって、「和気藹々裡に」で「和気藹々のうちに」と同義になります。
例文
「和気藹々」の四字熟語の類語には「和気藹然」「和気洋洋」があります。 「和気藹然」は「わきあいぜん」と読みます。 「和気藹然」の意味は「なごやかな気分がみなぎっているさま」です。 「藹然(あいぜん)」は、「和気の満ちたさま」という意味で穏やかな様子を言い表します。 「和気洋々」は「わきようよう」と読みます。 「和気洋々」の意味は「和やかな雰囲気が満ちている」です。 「洋々(ようよう)」は、「水が満ち溢れて、広々としているさま」「希望にみちあふれているさま」という意味があります。
「睦まじげ」は「むつまじげ」と読みます。 「睦まじげ」は、「睦まじい」に「いかにもそう。〜の様子」という意味の「げ」をつけた言葉です。 「睦まじい」の意味は「間柄、気持ちのつながり、交わりなどが隔てなく親密である様子」です。 「睦まじげに」で「和気藹々と」と同じく、副詞的に使います。
「アットホーム」の意味は「自分のうちにいるようにくつろぐさま」です。 例えば、「アットホームな職場」「アットホームな飲食店」という使い方で、家庭にいるようにくつろげる雰囲気であることを言い表すことができます。 「アットホーム」は英語「at home」が語源です。 「アットホーム」と「at home」は微妙に意味が違うので、「アットホーム」は和製英語といえます。 「アットホーム」の英語表現と「at home」の意味と使い方を詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。
「嫉視反目」は「しっしはんもく」と読みます。 「嫉視反目」の意味は「ねたんで見つめ、にらみ合うこと」です。 「嫉視」は「ねたみ見ること」、「反目」は「にらみ合うこと」という意味です。 「反目嫉視(はんもくしっし)」ともいいます。
「畏怖嫌厭」は「いふけんえん」と読みます。 「畏怖嫌厭」の意味は「おそれ、嫌うこと」です。 「畏怖」は「おそれること」、「嫌厭」は「きらうこと」という意味です。 「彼は畏怖嫌厭されている」というような使い方をします。
「殺伐」は「さつばつ」と読みます。 「殺伐」の意味は「すさんで荒々しいさま」です。 環境・人心に穏やかな雰囲気が全くみられない様子をいいます。 例えば、悪く荒々しい態度の人が集まっている様子を「殺伐としている」「殺伐とした状況」と言い表すことができます。
「一触即発」は「いっしょくそくはつ」と読みます。 「一触触発」の意味は「ちょっと触ると爆発しそうな危険な状態であること」です。 「一触」は「軽く触れること」、「即発」はそれに対して直ちに爆発することです。 油断できないような落ち着くことができない状況を言い表す四字熟語なので、「和気藹々」の対義語になります。
「白ける」は「しらける」と読みます。 「白ける」の意味は「興ざめる」です。 愉快だったその場の雰囲気が壊れてしまうことをいいます。
「和気藹々」の英語は「harmonious」「friendly」があります。 「harmonious」は、「調和」を意味する「harmony」の形容詞形で、「調和のとれた」という意味です。 2つ以上の物のバランスがよい時に使います。 「friendly」は、「友達」を意味する「friend」の形容詞形で、「仲のよい」という意味です。 人の性格や表情に対して使います。 より元気な雰囲気を説明するときは「lively and fun(生き生きとして楽しい)」などが使えます。 職場を形容するときは「employee-friendly」の形でよく使います。 「労働環境が従業員に優しい」という意味で、「和気藹々」とは少し意味合いが違います。
I like this lively and fun working environment.
この和気藹々とした労働環境が好きです。
「和気藹々たる家族」とする場合は「happy family」です。 「harmonious family」などは不自然です。
「和気藹々」の意味は「なごやかに打ちとけた気分が満ちているさま」です。 その場にいる人が仲睦まじく、なごやかな雰囲気で楽しく過ごしている様子を言い表す言葉です。 みんなが打ち解けあい和やかな雰囲気で過ごしている様子を言い表すときに使用され、「和気藹々」は形容動詞で、「和気藹々とした○○」「和気藹々たる○○」が定型句です。