「傲岸不遜」とは「思い上がって人を見下し、自分を控えめにしないこと」を意味します。「ごうがんふそん」と読みます。「傲」はおごり高ぶる意。「岸」は音を合わせるために添えられたもの。「不」は「遜」の打ち消し。「遜」はへりくだる意。「傲岸」と「不遜」同じ意味の熟語で、二つ重ねて意味を強調している四字熟語。
「傲岸不遜」の読み方は「ごうがんふそん」です。 意味は「人を見下し思いあがっている様子」です。 「傲岸不遜」は「おごりたかぶって人を見下すさま」「思いあがって謙虚さのないさま」を表します。 端的に言うと上から目線な人を表す言葉です。
四字熟語「傲岸不遜」の由来を説明します。 「傲岸」の意味は「おごり高ぶっていること」です。 「傲」の音読みは「ゴウ」、訓読みは「おごる」「あなどる」です。 「傲」という字がつく言葉には「傲慢(ごうまん)」があります。 「岸」の音読みは「ガン」、訓読みは「きし」です。 「岸」は水辺や土地の切り立った所を指す言葉で、「高い、険しい、とがっている」といった意味を持ちます。 そこから「傲岸」は「おごり高ぶっている高さがとても高いこと」を表します。 「不遜」の意味は「思い上がってへりくだらないこと」です。 「遜」の音読みは「ソン」です。常用漢字表外の訓読みには「へりくだる」「のがれる」「ゆずる」です。 「へりくだる」は「相手を尊敬して自分を控えめにする」といった意味で、「謙遜(けんそん)」などにも使われています。 それに打ち消しの語「不」が付き、「遜」を否定している形になるため「へりくだらない」となります。
「傲岸不遜」は謙虚さがなく人を見下している人に対して使います。 自分のことをすごいと思って偉そうにしてたり、上司や先輩などに対しても生意気な言動をしている人を「傲岸不遜な人」と言います。 主な言い回しは
となります。
例文
「慇懃無礼」は「傲岸不遜」の類語ではありません。 正しい類語は「傲慢無礼」となります。 「傲慢無礼」は「ごうまんぶれい」とよ読みます。 意味は「態度が大きく、礼儀正しくないさま」です。 「傲慢」の意味は「調子づいて人を馬鹿にすること」「人を見くびって礼を欠くこと」です。 偉そうにして、人を見下すような態度や行動をすることを表しており、自分が優れていると思い上がって人を馬鹿にする人を表します。 「無礼」の意味は「礼儀をわきまえないこと」「失礼」「ぶしつけ」です。 「無礼」は「失礼」よりも、程度が悪く、礼儀を外れた振る舞いを行うことを指します。
「唯我独尊」は「ゆいがどくそん」と読みます。 意味は「自分が一番えらいとして自惚れていること」です。 これは釈迦が誕生した時に言ったとされる言葉であり、釈迦が「自分ほど偉いものはいない」と自惚れることはないのではないかと言われています。そのためこのような意味で使われることになった流れは分からないと言われています。 ちなみに「天上天下唯我独尊」が元の言葉です。 「天上天下」は「空の上の世界と空の下の世界、天地」を意味します。
例文
「厚顔無恥」とは「こうがんむち」と読みます。 意味は「厚かましくて、恥を恥とも思わないこと」です。 「厚顔」とは「厚かましい」です。 元々「面の皮が厚い」といった意味で「外面よく振る舞って内面の醜さを隠す」といった意味で用いられたのが由来です。 「無恥」とは、「恥を恥と思わないこと、そのさま」です。 恥知らずな人のことを「無恥な人」などといいます。
例文
「傍若無人」の読み方は「ぼうじゃくぶじん」です。 意味は「人目をはばからず勝手気ままにふるまうこと」です。 「傍若無人」は「傍(かたわら)に人無きが若し(ごとし)」です。 「すぐ近くに人がいないようだ」となり「人のことを一切気にかけないで、自分勝手に振る舞う様子」を表す四字熟語となりました。
例文
「傲岸不遜」の対義語には、
などがあります。 「遠慮会釈」は「えんりょえしゃく」と読みます。 意味は「つつましく控えめにして、他人のことを思いやること」です。 「平身低頭」は「へいしんてんとう」と読みます。 意味は「ひれ伏して頭を下げ、恐れ入ること」です。 「温厚篤実」は「おんこうとくじつ」と読みます。 意味は「温かで情が厚く、誠実なさま」です。 「自己韜晦」は「じことうかい」と読みます。 意味は「自分の才能や本心を隠して、自慢しないこと」です。
「傲岸不遜」の英語には、
などがあります。
いかがだったでしょうか? 「傲岸不遜」について理解出来たでしょうか? ✔読み方は「ごうがんふそん」 ✔意味は「人を見下し思いあがっている様子」 ✔上司や先輩などに対しても生意気な言動をしている人を「傲岸不遜な人」と言う ✔類語は「傲慢無礼」「唯我独尊」など、対義語「遠慮会釈」「平身低頭」など