「エクスキューズ」は、「〜を許す」「〜を免除する」「言い訳」「断り」などの意味がある英語「excuse」が由来です。カタカナ語「エクスキューズ」は主に「言い訳」という意味で、「エクスキューズする」などと使います。「エクスキューズを入れる」だと「事前に断りを入れる」という意味になります。
「エクスキューズ」の語源は英語「excuse」です。 「Excuse me.」の形で「すみません」の意味であることはほとんどの方が知っていると思います。 英語「excuse」の正しい発音は「イクスキューズ」ですが、日本語では「e」を「エ」と発音するため、「エクスキューズ」または「エクスキュース」といいます。 英語「excuse」には、
など多くの意味があります。 英語「excuse」の使い方は記事の最後に紹介します。
日本語のカタカナ語として「エクスキューズ」を使う場合は、ほとんど「言い訳」の意味になります。 英和辞典によっては「理由」「根拠」「言い訳」「言い逃れ」「弁解」「弁明」「口実」などと書かれています。 「エクスキューズ」の使い方を解説する前に、和訳の日本語を整理したいと思います。 「言い訳」とは「自分の過ちへの相手からの批判に対して、自分の正当性を主張すること」です。 「言い訳」は潔さに欠ける行為として、しばしばマイナス評価を受けます。 どんなに正当化しても自分が失敗して他人に迷惑をかけているのは事実なので、まずは謝罪しろという論理ですね。 「弁解」は「言い訳」の堅い語で意味は同じです。 「理由」「根拠」は「物事がそのようになったわけ」という意味で、「言い訳」の類語ですが、より広く使うことができる語です。 「言い逃れ」は「言い逃れる」の名詞形で、「うまく言い訳をして責任回避すること」という意味です。 「言い逃れ」は「言い訳」するだけではなく、罪を逃れようとする行為まで含みます。 口語では「言い訳」を「言い逃れ」の意で使うこともしばしばあります。 「弁明」は「弁解」と同じ漢字が似ていますが、意味が違うので注意です。 「弁明」は「相手の誤解を解くために、事実を説明する」という意味です。 「弁明」は自分を正当化することではなく、是非を明らかにして相手の間違っていることを正すことを指します。 ただし「弁明」も「言い訳。弁解」と同じ意味で使われる場合もあります。 「口実」は「言い訳のための材料」という意味です。
日本語の「エクスキューズ」はほとんど「言い訳」の意味で使います。 「言い訳」の意味の「エクスキューズ」の言い回しは、
などになります。
「エクスキューズ」の例文
「エクスキューズ」は、「お詫び」「断り」という意味で使うことがあります。 これは「事前に弁解すること」を意味します。 例えば、何かを発表する際に確証を得えない場合、「エクスキューズ付きですが」などといいます。 断りを入れておけば、後から問題が発生しても、責任は免れるだろう、という論理です。
などと使います。
「エクスキューズ」の例文
「エクスキューズ付きではありますが」は、「再度問題が発生することは否めませんが」という意味です。 ビジネスメールなどでこの一文だけで使うことはできません。 その「エクスキューズ」とは何のか、後から具体的に説明する必要があります。
カタカナ語全般にいえることですが、「エクスキューズ」は軽い響きがあります。 IT企業はカタカナ語を多く使う傾向がありますが、一般企業では特に使用に注意が必要です。 「エクスキューズ」つまり「言い訳」をする場面というのは、自分が何か過ちを犯し、相手に迷惑をかけているのは間違いありません。 そのような状況で「エクスキューズ」というカタカナ語を使うと事態を軽視しているのはではないかと不信感を抱かれてしまいます。 同僚や部下に使う分にはよいですが、上司や取引先、顧客など目上の人に対しては使わない方がよいでしょう。
そもそもビジネスシーンにおいて「言い訳」すること自体が正しくありません。 自分が迷惑をかけた場合は、どんな理由があってもまず謝罪することが先です。 そして自分を正当化するようなことはしてはいけません。 自分がなぜそのような過失をするに至ったのかの理由を説明することは時に必要ですが、自分弁護は不要です。 よって、「エクスキューズ」はどんな状況であっても、あまり使わない方が無難といえます。
「エクスキューズ」を「弁明」の意味で使うことも稀にあります。 「エクスキューズを求める」の形で使います。 上司が誤った批判を自分にしてる時に「エクスキューズさせてください」というのは不適切です。 「弁明」は目上の人の間違いを指摘する行為なので、カタカナ語を使うべきではありません。 ちなみに「弁明の余地もございません」という表現は、「相手の誤解を解くために説明する余裕がない」という意味になり、あまり一般的ではありません。 「弁解の余地もございません」は「言い訳することはできません。あなたの言うことがごもっともです」という意味になり、謝罪する際などに使います。 「エクスキューズの余地もございません」だとルー語になってしまうのでかしこまった場面では使用不可です。
例文
「エクスキューズ」の語源の箇所で説明した通り、動詞「excuse」には「免除する」という意味があります。 「エクスキューズする」でも「免除する」という意味で使うことが極稀にあります。 しかし、これは一般的ではありません。使う企業は外資系しかないと思われます。 これは相手に失礼云々の前に、そもそも意味が通じない可能性が大なので、この意味では使用しない方がよいでしょう。
「エクスキューズ」の例文
「excuse」は主に「Excuse me.」の形で使います。 「Excume me.」は「すみません」「失礼」という軽い謝罪です。 体が接触したり、人前を通ったり、くしゃみをしてしまったり、小さな間違いをしたときに使います。 しっかり謝るときは「I'm sorry.」を使います。
Excuse me, let me go through.
すみません、通してください。
「Excuse me」と語尾を上げて使うことがあります。 これは「失礼ですが。あのー」という意味で、質問をしたり、注意を喚起したり、反対意見を述べたりするときに使います。
Excuse me, I think you're sitting in my seat.
すいません、私の席にお座りではありませんか。
「excuse us(⤴)」は、相手に迷惑かける人が複数人いるときに使います。
Excuse us, let us get past.
すいません、私たちを通してください。
などと使います。
「no excuse(ノーエクスキューズ)」という表現もあります。 「no excuse」には主に下記の3つの使い方があります。
No excuse!
言い訳するな!
That's no excuse.
それは言い訳になってない。
I have no excuse.
言い訳はありません。
質問するときの「excuse me」への返し方は「yes」で大丈夫です。 謝罪の「excuse me」に対してはわざわざ反応しなくても大丈夫ですが、「That's fine.」などと返すこともできます。
「エクスキューズ」は、「言い訳」「免除」「断り」「大目に見る」などの意味をもつ英語「excuse」が語源です。 日本語の「エクスキューズ」はほとんど「言い訳」の意味で使います。「エクスキューズする」「エクスキューズが多い」などといいます。 稀に「断り」「免除」という意味で使うこともあります。