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「不条理」と「理不尽」の意味の違いと使い分け

「不条理(ふじょうり)」の意味は、道理に反することです。例えば「災害で家を失う不条理」などと使います。「理不尽(りふじん)」の意味は、物事の筋道が通っていないことです。例えば「自分だけクビになるなんて理不尽な話だ」などと使います。

「不条理」と「理不尽」の違い

不条理
物事の筋道が立たないこと。
理不尽
道理を尽くさないこと。

「不条理」と「理不尽」はどちらも「道理に合わないこと」と意味する言葉ですが、使用する場面が異なります。 「不条理」は意思によらない出来事や境遇などがどうにもならない場合に用いられることが多くあります。 例えば、末っ子だからといってお下がりばかりで新しい洋服を買ってもらえないなどの自分では変えることができない境遇を「不条理」といいます。 対して「理不尽」は他人の言動が理屈に合っていなくて納得できない場合に用いられます。 例えば、「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの」と言って自分の持っているものを奪われることは「理不尽だ」といえます。 人から人に対して筋が通らないことを言ったり行ったりする「理不尽」に比べると、運命的なもので自分の力ではどうにもならない「不条理」のほうが絶望的な境遇にあるといえます。

「不条理」の意味と使い方

「不条理」の意味は、

  1. 道理に反すること。筋道が通らないこと。背理
  2. 実存主義の用語で、人生に意義を見出す望みがないことをいい、絶望的な状況・限界状況を指す

です。 「条理」は「物事の道理。筋道。人の行うべき正しい道」を表します。 「道理」は正しい道、「筋道」は物事の正しい順序を意味しています。 これに打ち消し・否定の意を意味する「不」を付けることによって、「不条理」は「道理に合わない」という意味になります。 例えば、生まれた国によってその人の人生が決まってしまうなど、人の力ではどうしようもないことを「不条理」といいます。 「不条理な話」「不条理な世の中」という言い回しや、「不条理だ」と言い切る形で使用されることが多いです。

例文

  • たった一度の災害で周囲が一変し、この世の中の不条理を目の当たりにする。
  • あんなに素晴らしい人が亡くなってしまうなんて...、不条理を感じる。
  • 国籍で差別をうけることがあるなんて全く不条理な世の中である。

「理不尽」の意味と使い方

「理不尽」は「りふじん」と読みます。 意味は「道理を尽くさないこと、道理に合わないこと」です。 物事の筋道が通っていないこと、納得のいかないことを表します。 「理不尽」は主に他人の言動や企業の対応などに対して使われることが多くあります。 誰かの故意による道理に合わない言動を「理不尽だ」とよく言います。 名詞と組み合わせて使用されることが多く、よく使用される言い回しは「理不尽な話」「理不尽な出来事」「理不尽な扱い」などです。 他にも「理不尽である」「理不尽さ」という使い方をすることができます。

例文

  • お客がお金を返せと理不尽な要求をしてきた。
  • 新人だからといって雑用ばかり押し付けるのは理不尽ではないか。
  • 最近振られたばかりの彼女は、幸せそうな人に理不尽な怒りをぶつけている。

まとめ

「不条理(ふじょうり)」は、物事の筋道が立たないことを表します。 「理不尽(りふじん)」とほぼ同じ意味を持ちますが、ニュアンスが異なります。 「理不尽」が人から人に対して筋が通らないことを言ったり行ったりするというニュアンスであるの対して、「不条理」は運命的なもので自分ではどうにもならないなど、より広いスケールにニュアンスをもつが特徴です。

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