「人並み」と「月並み」の違いはわかりますか?「人並み」と「月並み」は非常に似た言葉ですが、微妙に意味合いが違います。「人並み」と「月並み」の使い分けについて詳しく解説していきます。
「人並み」・・・世間一般の人と能力や生活レベルなどが同程度であること 「月並み」・・・新鮮味に欠けていて、ありふれていること
「人並み」も「月並み」も、「普通であるさま」を表す言葉として同じ意味合いを持ちます。 しかし、「人並み」は「一般的な程度であること」を表現していて、「月並み」は「ありがちで面白みに欠けること」を表現しているという違いがあります。 「人並み」は「一般の人と同じ程度でごく普通である」というポジティブな要素を含んでいますが、「月並み」は「平凡でつまらない」とネガティブな意味合いが強く含まれています。
「人並み」は「ひとなみ」と読みます。 「人並み」の意味は「一般の人と同じような程度・状態であるさま」です。 「並み」は「良くも悪くもなく一般的であること、平凡であること」を意味します。 「人並」と表記することもあります。「人波」とすると「多くの人が波のように押して移動する」と意味が全く異なるので注意してください。 「人並み」は「人並みな◯◯/人並みの◯◯」と形容詞として、「人並みに◯◯/人並み◯◯」と副詞として用いることができます。
といったような使い方をします。 例えば、「人並みの生活」というような使い方をします。この場合は「普通の生活・一般の人と同じレベルの生活」というなニュアンスになります。 「人並み優れる」ならば「程度や技量が普通よりも上であること」、「人並み外れる」は「性質や状態が普通の人と全く異なること」を意味します。 「人並み」は「人並み並み(ひとなみなみ)」という形で使うこともできます。「人並み」と同様、「人並み並みな幸せ」「人並み並みすぐれた」などと用います。
例文
「月並み」は「つきなみ」と読みます。 「月並み」の意味は「ありふれている、新鮮さがなくて平凡であること」です。 「月並み」は元々「毎月定期的に実施していること」という意味で、毎月恒例の行事を表す際に「月並みの大会」「月並み俳諧」と使っていました。 「月並み」が「平凡である」という意味で使われるようになったのは、明治時代を代表する歌人の正岡子規の言葉からきているとされています。 ある時、いつもワンパターンで面白みに欠けた俳諧の様子を「月並み俳句」と批判をしたことから、「目新しさのない、ありふれた」という意味で「月並み」が使われるようになりました。
といったような使い方をします。 例えば、「月並みのアイデア」ならば「新鮮味に欠けた、珍しくないアイデア」という意味になります。 「月並み」は自分に対して使うこともあります。この場合は謙遜の意味が含まれます。自分に対して「月並み」を用いることで、「ありふれたもの」「つまらないもの」と謙遜を表すことができます。 この場合は、
などと使います。 「月並み」は「月次」「月並」と表記することもあり、この場合も「つきなみ」と読みます。一般的には「月並み」と表記します。
例文