「元日(がんじつ)」と「元旦(がんたん)」の意味の違いを正しく理解していますか?年賀状で正しく使い分けできていますか?日本人として絶対に知っておくべき一般常識ですよね。本記事では「元日」と「元旦」の違いをわかりやすく解説していきます。
「元日」・・・一月一日 「元旦」・・・元日の朝
「元日」と「元旦」はどちらも1年の始まりである1月1日を表す言葉ですが、違いがあります。 「元日」は1月1日の丸一日を指します。0時00分から23時59分の24時間です。 「元」という字には「もと」「はじめ」「第一」の意味があります。一年の第一の日で「元日」です。 日本でも法定休日であり、正式な呼び方として「元日」が採用されています。 一方「元旦」は1月1日の朝のみを指します。 「旦」は太陽が地平線から顔を覗かせる象形文字で、「早朝」「夜明け」を意味します。 そのため「元旦」を1月1日を午前中全体を指すとするのは厳密には誤りですが、「元旦」をその意味で使う場合もあります。 「元旦」=「元日の朝」です。 「一月元旦」「元旦の朝」は厳密には重言(二重表現)で誤用です。「一月元日」ももちろん重言です。 また、「元旦の昼」「元旦の夜」などは意味的に矛盾しているので避けましょう。 慣習的に、「元旦」を「元日」と同じ意味で使う場合もあります。 例えば、「一年の計は元旦にあり」ということわざの「元旦」は「元日」の言い換えられる場合もあり、同じ意味で使われています。
年賀状はがきは、年賀状の引受開始日である12月15日から終了日である12月25日まで投函すれば、一月一日の午前中に配達してくれます。 よって、この期間に投函できるならば、「元日」と「元旦」どちらを使っても問題ありません。 たとえ、元日の午後のお届けになったとしても、「元旦」に違和感を覚える人はいないでしょう。 12月26日以降に投函する場合は、元日に間に合いませんので、
などを使いましょう。 ちなみに12月14日以前に投函してしまうと、通常日数で届いてしまうので注意が必要です。
旧正月とは文字通り、旧暦(太陰暦)の正月を指します。 旧暦における元日は、月齢による変動をうけ毎年変動するため、新暦(太陽暦)の1月21日頃から2月20日頃の間のいずれかの日になります。 旧正月は中国や台湾、韓国、ベトナムなどで、大切な祭日とされています。 中国語では「元日」と「元旦」は同じ1月1日という意味で使われています。 上述したような使い分けはされていません。 また、中国における「元旦」は、旧暦1月1日ではなく、新暦1月1日を指します。 法定休日ではありますが、旧正月ほどの盛り上がりはなく、12月31日も社会も学校もいつも通りあります。
「元日」「元旦」と似た言葉がいくつかありますので、紹介していきます。
「元朝」は「がんちょう」と読みます。 「元朝」は「元日の朝」という意味で、「元旦」と完全に同義語です。 年賀状などでは「元旦」を使うのが一般的です。
「初日」は「しょにち」と読むと「最初の日」の意味になってしまいます。 「初日」を「はつひ」と読むと、「元日の朝日」という意味になります。 「初日の出」の形でよく使われます。 「初日」の「日」は「日にち」ではなく「太陽」のことであり、「元日」「元旦」の類語ではありません。
「正月(しょうがつ)」の原義は「一年のはじめの月」つまり「一月」です。 しかし、一般的には新年を迎えてからの七日間を指すことが多いです。
上述した「新年を迎えてからの七日間」のことを「松の内」といいます。 松飾りを飾っておく間の意味で、年が明けてから十五日間を指す場合もあります。 正月七日までの松の内を「松七日」ともいいます。
「年始」「年頭」は文字通り「年のはじまり」「年のあたま」という意味です。 しかし日常的には「新年になってからの数日間」を指すことが多いです。 「お年始」とすると、新年を祝う挨拶や贈り物のことを指します。
「年始」の類語には「三が日」があります。 正月元日から三日までの3日間を「三が日」といいます。
「元日」の英語は、
My family pays a visit to Meiji Shrine every year on New Year's Day.
私の家族は毎年元日に明治神宮へ初詣に行きます。