「ご案内させていただきます」は「案内させてもらう」という意味の敬語表現です。ビジネスシーンで、案内することを伝えるときなどに使います。
「ご案内させていただきます」は「ごあんないさせていただきます」と読みます。 「ご案内させていただきます」の意味は「案内させてもらう」です。 「ご案内」には、
という意味があります。 「させていただきます」は「させてもらう」という意味です。
「ご案内させていただきます」は、品詞分解すると「ご」+「案内」+「させていただく」+「ます」となります。 「案内」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 接頭辞「ご(お)」は、尊敬・謙譲・丁寧のいずれの意味もありますが、「ご案内させていただきます」の「ご」は自分が案内することをへりくだり相手に敬意を示すためにつけているので、謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「ご」と「いただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「ご案内させていただきます」の場合は、「ご〜させていただく」の形で一つの謙譲表現として慣例的に使われ許容されています。 また、「ご」は「案内」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。 謙譲語の接頭辞「ご」をとって「案内させていただきます」としても正しい敬語です。
「させていただく」を使用するには、
の2つの条件が必要です。 「ご案内させていただきます」の場合は、案内すること対して直接的に許可をとるわけではないのでやや大袈裟な表現といえますが、自分が案内することをへりくだった謙虚な表現として使われることが多いです。 どうしても気になる場合は、「ご案内いたします」などと言い換えましょう。
「ご案内させていただきます」は、相手を案内することを伝えるときに使います。 例えば、相手を会議室まで案内するときや、イベントの詳細などを伝えるときなどに使います。 口頭や電話だけではなく、ビジネスメールでも使うことが可能です。
【件名】 新商品「△△△」について 【本文】 株式会社アイウエオ 営業部 長谷川様 お世話になっております。 株式会社カキクケコ商品開発部、森山です。 標題の件ですが、兼ねてより商品開発をしておりました「△△△」が完成いたしました。 発売日は12月中旬を予定しておりますが、まだ決定しておりません。 詳細が決まり次第、ご案内させていただきます。 お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 森山
【件名】 懇親会について 【本文】 営業部 林部長 お疲れ様です。 営業部の斎藤です。 今回の懇親会には参加できないとのこと、承知いたしました。 ぜひ林部長にも参加していただきたかったのですが、誠に残念です。 次回の懇親会の日程が決まりましたら、改めてご案内させていただきます。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 斎藤
【件名】 懇親会のお知らせ 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。営業部の橋本です。 来月15日に営業部で懇親会を開催することになりましたのでご案内させていただきます。 詳細は下記の通りです。 日時:10月15日(金)18:30〜 場所:プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 住所:緑谷市青山町1-22-33 会費:3000円 予約の関係上、10月11日(月)までにご返答いただきますようお願いいたします。 ご多忙中とは存じますが、ぜひご参加ください。 橋本
「ご案内します」は、「案内」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて、「する」の連用形「し」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「ご案内します」も、目上の人に使うことができます。 口頭で使う場合や親しい間柄であれば十分丁寧な敬語表現ですが、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」を使った「ご案内させていただきます」のほうが丁寧です。
「ご案内いたします」は、「案内」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて、「する」の丁重語「いたす」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ご案内します」よりも「する」の丁重語「いたす」を使った「ご案内いたします」のほうが丁寧です。
「ご案内させてください」は「案内」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて「させてくれ」の尊敬語「させてください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが、「させてください」が命令形「させてくれ」の尊敬語であるため、丁寧さに欠けます。 「〜させてください」と口頭や電話で使うことは多いですが、ビジネスメールなどで使う場合はより丁寧な敬語表現を使いましょう。
「ご案内させていただきたく存じます」は「ご案内させていただきたく存じます」とすると、「案内させてもらいたいと思う」という意味になり、より謙虚になります。 「ご案内させていただきたく存じます」は、「案内」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご案内させていただければと存じます」としても丁寧です。 「いただければ」は「もらう」の謙譲語と仮定の「れば」を使っていて、「させていただければ〜」とすることで断定を避けた謙虚な表現になります。
「ご案内させていただけますと幸いです」は、「案内させてもらえると嬉しい」という意味です。 「ご案内させていただけますと」は、「案内」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と丁寧語「ます」をつけています。 「幸いです」は、「そうしてもらえると嬉しい・ありがたい」という気持ちを表します。 「ご案内させていただけますと幸いです」は、「ご案内させていただければ幸いです」とすることもできます。 「させていただければ」は、上述したように仮定の「れば」を使うことで断定を避けた謙虚な表現です。 また、「幸いです」は「幸甚です」とすることもできます。 「幸甚です」は「この上なく嬉しい・ありがたい」という意味で、「幸いです」より、かしこまった表現です。