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「ご遠慮いただいております」の意味と敬語、使い方、言い換えを例文つきで解説

「ご遠慮いただいております」は、「遠慮してもらっています」という意味の敬語表現です。禁止命令の間接的な表現として、例えば喫煙所以外での喫煙を注意するときに「申し訳ございませんが、こちらでの喫煙はご遠慮いただいております」などと使います。

「ご遠慮いただいております」の意味

「ご遠慮いただいております」は「ごえんりょいただいております」と読みます。 「ご遠慮いただいております」の意味は「遠慮してもらっています」です。 「ご遠慮」はことわる・やめるなどの婉曲な言い方です。 「いただいております」は「もらっている」という意味です。

「ご遠慮いただいております」の敬語

「ご遠慮いただいております」は、品詞分解すると「ご」+「いただく」+「おる」+「ます」となります。 「遠慮」についている「ご」は尊敬語の接頭辞です。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語になります。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「ご(お)〜いただく」で一つの謙譲語として解釈する場合もあります。 「おる」は「いる」の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。

「ご遠慮いただいております」の使い方と例文

相手の行動を制限するときに使う

「ご遠慮いただいております」は禁止命令の間接的な表現として使われます。 例えば、喫煙所以外の場所で喫煙している人に注意をするときなどです。

  • 誠に申し訳ないのですが
  • 大変恐れ入りますが
  • 勝手を申し上げますが
などクッション言葉と併せて使うと、より丁寧です。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで、より丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 ビジネスメールなどで予め禁止事項を伝えておく場合などは、「ご遠慮いただきますようお願い申し上げます」などより丁寧な敬語表現を使うことも多いです。

ビジネスメール例文

【件名】 懇親会のお知らせ 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。営業部の橋本です。 来月15日に営業部で懇親会を開催することになりました。 詳細は下記の通りです。 日時:10月15日(金)18:30〜 場所:プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 住所:緑谷市青山町1-22-33 会費:3000円 会場は貸し切りとなっておりますが、近隣住民の迷惑となる行為はご遠慮いただいております。 ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。 予約の関係上、10月11日(月)までに参加の可否をご返信ください。 ご多忙中とは存じますが、よろしくお願い申し上げます。 橋本

【件名】 ご予約の確認 【本文】 この度はプライベートダイニング馬民緑谷駅前店のご予約ありがとうございいます。 ご予約の「2日前」となりましたので、お知らせ申し上げます。 人数変更またはメニュー変更のご希望がある場合は、本日中にご連絡をお願いいたします。 予約内容 団体名 株式会社HASEGAWA様 人数 30名 コース 宴会コース【馬】 飲食物の持ち込みはご遠慮いただいておりますので、ご留意ください。 当時、お会いできますことをスタッフ一同心よりお待ちしております。 どうぞお気をつけてお越しくださいませ。 プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 担当 大川

【件名】 商品資料発送のご案内 【本文】 株式会社MELON 総務部 佐野千冬様 平素よりお世話になっております。 株式会社ITIGOの千堂です。 早速ではございますが、ご依頼いただきました新商品資料を本日配送いたしましたのでお知らせいたします。 発送日:10月6日(火) 到着予定日:10月7日(水)午後 送付内容:商品資料一式 サンプル品 発売前の商品ですので、社外への持ち出しはご遠慮いただいております。 ご理解くださいますようお願い申し上げます。 ご不明な点やご質問などございましたら、千堂までお気軽にお問い合わせくださいませ。 千堂

「ご遠慮いただいております」の敬語の言い換え

ご遠慮いただいています

「ご遠慮いただいています」は、品詞分解すると「ご」+「遠慮」+「いただく」+「ます」となります。 「遠慮」についている接頭辞「ご」は尊敬語です。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「ご(お)〜ただく」で一つの謙譲語と解釈する場合もあります。 「ます」は丁寧語です。 「ご遠慮ただいています」でも十分丁寧な敬語表現ですが、「いる」を丁重語にした「ご遠慮いただいております」のほうが丁寧です。

ご遠慮ください

「ご遠慮ください」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご遠慮くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

ご遠慮願います

「ご遠慮願います」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご遠慮願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

ご遠慮のほどよろしくお願いいたします

「ご遠慮のほど」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、断定を避ける表現の「ほど」を使った敬語表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なのでひらがなで表記するのが正しいです。

ご遠慮くださいますようお願い申し上げます

「ご遠慮くださいますようお願い申し上げます」は、「遠慮してくれるようお願いする」という意味です。 「ご遠慮くださいますよう」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。

ご遠慮いただきますようお願い申し上げます

「ご遠慮いただきますようお願い申し上げます」の意味は、「遠慮してもらうようお願いする」です。 「ご遠慮いただきますようお願い申し上げます」の「ご遠慮いただきますよう」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現「よう」をつけた敬語表現です。

ご遠慮いただければ幸いです

「ご遠慮いただければ幸いです」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて「もらう」の謙譲語「いただく」と、仮定を表す接続助詞「れば」、「幸い」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれば自分にとって嬉しいことだという気持ちを表します。 「ご遠慮いただければ幸いです」で、「遠慮してもらえれば嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。 「ご遠慮いただければ幸いです」と似た敬語表現には「ご遠慮いただけると幸甚です」があります。 「ご遠慮いただけると幸甚です」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と、接続詞「と」、「幸甚」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸甚です」は「幸いです」のよりかしこまった表現で、「ありがたく思う」「非常に嬉しい」という意味があります。 「ご遠慮いただけますと幸甚に存じます」という敬語表現もあります。 「ご遠慮いただけますと幸甚に存じます」は、「遠慮してもらえると非常に嬉しく思います」という意味です。 「ご遠慮いただけますと幸甚に存じます」の「ご遠慮いただけますと」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」をつけて、「幸甚」に「思う」の丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけています。

ご遠慮いただきたく存じます

「ご遠慮いただきたく存じます」は、「遠慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご遠慮いただきたく存じます」で、「遠慮してもらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご遠慮いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。

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