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「ご配慮いただければ幸いです」の意味と使い方を例文つきで解説

「ご配慮いただければ幸いです(ごはいりょいただければさいわいです)」は、配慮してもらえれば嬉しいという意味です。ビジネスメールで事前に知っておいてほしいことを伝えるときなどに「恐れ入りますが、ご配慮いただければ幸いです」などと使います。

意味と敬語

ご配慮

「ご配慮」は「ごはいりょ」と読みます。 「ご配慮」の意味は「よく考えて心をくばること」です。 相手に対する心配りや、想定されるいろいろな場合に対する対応の方法を考えて何かをすることをいいます。 「配慮」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、相手が配慮することに対してつけているので尊敬語になりますが「ご〜いただく」で一つの謙譲表現と解釈する場合もあります。

いただければ

「いただければ」の意味は、「もらえれば」です。 「いただければ」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」をつけた敬語表現です。 仮定を表す「れば」を使うことで、直接的な表現を避け「〜してもらえたら」という柔らかいニュアンスの依頼表現になります。

幸いです

「幸いです」は、「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、「自分にとって嬉しいことです」という意味です。 「幸い」に丁寧語「です」をつけています。 したがって「ご配慮いただければ幸いです」で「配慮してもらえれば嬉しい」という意味になります。

使い方と例文

ビジネスメールで事前に知っておいてほしいことを伝える

「ご配慮いただければ幸いです」は、ビジネスメールで事前に知っておいてほしいことを伝えるときに使います。 例えば、様々な人が利用する場所なのでマナーを守ってほしいなどとお願いをするときです。

  • 恐れ入りますが
  • 恐縮ですが
  • ご迷惑をおかけしますが
など、クッション言葉と併せて使われることが多いです。 クッション言葉とは相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことをいいます。 文中に使われることが多いですが、「ご配慮いただければ幸いです。よろしくお願いいたします」などの形で文末に結びの言葉として入れることもできます。

ビジネスメール例文

懇親会の案内

【件名】 懇親会のご案内 【本文】 営業部 各位 お疲れさまです。 営業部の高橋一郎です。 お知らせいたしました通り、10月20日(金)に懇親会を行います。 詳細は下記の通りです。 日時:10月20日(金)18:00〜 場所:プライベードダイニング民魚 緑谷駅東口駅前店 会費:3000円 急用などで欠席される場合は、高橋までお申し付けください。 なお、当日は多くのお客様がご利用になっています。 他のお客様のご迷惑にならないようご配慮いただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 高橋

新入社員研修のお知らせ

【件名】 新入社員研修のお知らせ 【本文】 関係各位 おつかれさまです。 総務部より研修のお知らせです。 この度、来年度入社予定の新入社員を対象にした研修を下記の日程で行います。 当日は、新入社員の出入りがあります。 社員の皆様におきましては、ご配慮いただければ幸いです。 詳細は下記の通りです。 日程:2021年10月25日(月)午前10時〜午後5時(休憩1時間) 会場:15F 第二会議室 研修内容:添付資料を参照 各部署の教育担当者はスケジュール調整の上、ご参加ください。 お忙しいとは存じますが、よろしくお願い申し上げます。 総務部 鷲尾

機密情報取り扱いに関する依頼

【件名】 送付資料の取り扱いに関するお願い 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 青木様 お世話になっております。 かきくけこ株式会社佐々木です。 貴社よりご依頼がありました製品「△△△」に関する資料をご送付いたします。 今回ご送付する資料には、弊社の営業機密を一部含みます。 お取り扱いについてはご配慮いただければ幸いです。 送付内容 新製品「△△△」に関する資料 全10ページ ご不明な点などがあれば、お気軽に佐々木までお問い合わせくださいませ。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 佐々木

納期の延期依頼の返信

【件名】 納期延期の件 【本文】 株式会社OTYA 営業部 橘千冬様 いつもお世話になっております。 OYU株式会社営業部の場地です。 本日ご連絡いただきました納期延期の件、承知いたしました。 天候悪化によるやむを得ない事情であるため了承いたします。 取り急ぎ、各店舗にも連絡し、了解を得ております。 しかし、できるだけ早めに納品していただきたいとのことです。 恐れ入りますが、ご配慮いただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 場地

類似表現との違い

「いただけますと幸い」との違い

「ご配慮いただければ幸いです」と似た敬語表現に、「ご配慮いただけますと幸いです」があります。 「いただければ幸い」は、上述したように「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」で「してもらうと嬉しい」という意味になります。 どちらも目上の人に対して使える丁寧な敬語表現ですが、「いただければ」は謙譲語のみを使った敬語表現で、「いただけますと」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので「いただけますと幸いです」のほうがより丁寧です。

「いただけましたら幸い」との違い

「ご配慮いただければ幸いです」は、「ご配慮いただけましたら幸いです」ということもできます。 「いただけましたら幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と仮定を表す「たら」をつけた敬語表現です。 「いただけましたら幸いです」で「してもらえたら嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「いただければ幸い」と「いただけましたら幸い」は、どちらも「してもらえたら嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しですが、「いただければ幸い」が謙譲語のみを使用した敬語表現で、「いただけましたら幸い」は、謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので「いただけましたら幸いです」のほうがより丁寧です。

「賜われれば幸い」との違い

「賜れれば幸い」は、「もらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 「賜れれば幸い」で、「もらえると嬉しい」と依頼をする丁寧な表現になります。 「いただければ幸い」と「賜れれば幸い」は、どちらも「もらう」の謙譲語をつかった敬語表現ですが、「賜る」が「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「賜れれば幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。

「幸甚に存じます」との違い

「幸いです」と似た敬語表現には「幸甚に存じます」があります。 「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」は、「幸甚」と丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、謙譲語とは違い、動作の対象ではなく自分が今話している相手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思う」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。

敬語の言い換え

ご配慮ください

「ご配慮ください」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが「ください」が命令形「くれ」の尊敬語であるため、一方的なニュアンスがあり目上の人に使用するには丁寧さに欠けます。 「ご配慮くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

ご配慮いただけますか

「ご配慮いただけますか」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご配慮ください」では丁寧さに欠けますが、「配慮してらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご配慮いただけますでしょうか」とすることもできます。 「ご配慮いただけますでしょうか」は、「ご配慮いただく」にさらに丁寧語「ます」と、「だろう」の丁寧語「でしょう」と疑問の終助詞「か」をつけています。 「ご配慮いただけますでしょうか」は、丁寧語を2つ使用していますが、「いただく」と「だろう」のそれぞれ別の語にかかっているので二重敬語にはなりません。 二重敬語とは、一つの語に同じ種類の敬語を重ねて使用してしまうことをいいます。 しかし、「いただけますでしょうか」はクドいのでシンプルに「いただけますか」が使われる事が多いです。 そのほかにも疑問形の依頼表現には「ご配慮いただくことは可能でしょうか」があります。 「配慮してもらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。

ご配慮願います

「ご配慮願います」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご配慮願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

ご配慮のほどよろしくお願いいたします

「ご配慮のほど」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、婉曲表現の「ほど」をつけています。 「ほど」は、断定を避ける表現です。 「ご配慮のほど〜」とすることで、相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なので平仮名で表記するのが正しいです。

ご配慮くださいますようお願い申し上げます

「ご配慮くださいますようお願い申し上げます」は、「配慮してくれるようお願いする」という意味です。 「ご配慮くださいますよう」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「ご配慮くださいますよう〜」は「ご配慮いただきますよう」と言い換えることもできます。 「ご配慮いただきますよう」は、「配慮してもらうよう」という意味です。 「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。

ご配慮いただきたく存じます

「ご配慮いただきたく存じます」は、「配慮」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご配慮いただきたく存じます」で、「配慮してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご配慮いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。

ご配慮賜りますようお願い申し上げます

「ご配慮賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「ご配慮賜りますようお願い申し上げます」で、「配慮してもらうようお願いします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。 ちなみに、「賜れますよう」は誤用です。 「賜れますよう」の「れ」は助動詞「れる」の連用形です。 助動詞「れる」の意味は主に尊敬・可能で使います。 「賜る」が、敬語なので敬語の助動詞を使うのは不適切です。 「れる」が可能の意味ならば「してもらうことができますように・・・」という意味になります。 無理矢理、可能の意味で捉えることもできますが、このような使い方は一般的ではりません。

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