「ご回答させていただきます（ごかいとうさせていただきます）」は、回答させてもらうという意味です。ビジネスシーンで相手の問い合わせなどに答えるときに口頭や電話だけではなくビジネスメールで使うことができます。
「ご回答させていただきます」は「ごかいとうさせていただきます」と読みます。 「ご回答させていただきます」の意味は「回答させてもらう」です。 「ご回答」には「質問・要求などに対して答えること」という意味があります。 「させていただきます」は「させてもらう」という意味です。
「ご回答させていただきます」は、品詞分解すると「ご」+「回答」+「させていただく」+「ます」となります。 「回答」についている「ご」は謙譲語の接頭辞です。 接頭辞「ご（お）」は、尊敬・謙譲・丁寧のいずれの意味もありますが、「ご回答させていただきます」の「ご」は自分が回答することをへりくだり相手に敬意を示すためにつけているので、謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「ご」と「いただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「ご回答させていただきます」の場合は、「ご〜させていただく」の形で一つの謙譲表現として慣例的に使われ許容されています。 また、「ご」は「回答」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。 謙譲語の接頭辞「ご」をとって「回答させていただきます」としても正しい敬語です。
「させていただく」を使用するには、
の2つの条件が必要です。 「ご回答させていただきます」の場合は、回答すること対して相手に許可をとるわけではないのでやや大袈裟な表現といえますが、自分が回答することをへりくだった謙虚な表現として使われることが多いです。 どうしても気になる場合は、「ご回答いたします」などと言い換えましょう。
「ご回答させていただきます」は、相手からの問い合わせなどに答えることを伝えるときに使います。 口頭や電話だけではなく、ビジネスメールで使うことが可能です。 例えば、自分の会社で販売している製品について質問があった場合などに使います。 また相手からの質問に別の人物が答えるという場合にも「○○に変わって担当者の私がご回答させていただきます」などと使うことができます。
【件名】 製品に関するお問い合わせのご回答 【本文】 麗日環奈様 株式会社△△△の鷲尾円香と申します。 この度は、弊社製品に関してお問い合わせいただきありがとうございます。 ご質問いただきました件について、以下の通りご回答させていただきます。 1.発売日 10月16日（土）10：00〜 2.販売店舗 コンビニエンスストア・書店 3.予約 不可 以上です。 その他、ご不明点があればお気軽にお問い合わせくださいませ。 よろしくお願い申し上げます。 鷲尾
【件名】 お問い合わせに関するご回答 【本文】 あいうえお株式会社 総務部 上田隆様 いつもお世話になっております。 株式会社かきくけこの切島瑛汰です。 この度は、お問い合わせいただき誠にありがとうございます。 お問わせいただいた件ですが、現在担当者が不在のため製品担当の私がご回答させていただきます。 商品「△△△」は、現在受注生産となっております。 11月15日までにご注文いただきますと、12月25日に納品可能でございます。 注文をご希望の場合、15日までご連絡いただきますようお願いいたします。 何か、不明な点があればお問い合わせくださいませ。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 切島
【件名】 「□□□」の在庫について 【本文】 株式会社AAA 営業部 飯田様 平素よりお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。 株式会社BBB商品部の轟です。 この度お問い合わせいただきました「□□□」の在庫数についてご回答させていただきます。 現在、「□□□」は生産が間に合っておらず在庫がございません。 11月中旬に入荷予定ですので、詳細が決定いたしましたらご連絡いたします。 大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 轟
「ご回答します」は、「回答」に謙譲語の接頭辞「ご」とつけて、「する」の連用形「し」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「ご回答します」も、目上の人に使うことができます。 口頭で使う場合や親しい間柄であれば十分丁寧な敬語表現ですが、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」を使った「ご回答させていただきます」のほうが丁寧です。
「ご回答いたします」は、「回答」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて、「する」の丁重語「いたす」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ご回答します」よりも「する」の丁重語「いたす」を使った「ご回答いたします」のほうが丁寧です。
「ご回答させてください」は「回答」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて「させてくれ」の尊敬語「させてください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが、「させてください」が命令形「させてくれ」の尊敬語であるため、丁寧さに欠けます。 「〜させてください」と口頭や電話で使うことは多いですが、ビジネスメールなどで使う場合はより丁寧な敬語表現を使いましょう。
「ご回答させていただきます」は「ご回答させていただきたく存じます」とすると、「回答させてもらいたいと思う」という意味になり、より謙虚になります。 「ご回答させていただきたく存じます」は、「回答」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご回答させていただければと存じます」としても丁寧です。 「いただければ」は「もらう」の謙譲語と仮定の「れば」を使っていて、「させていただければ〜」とすることで断定を避けた謙虚な表現になります。
「ご回答させていただけますと幸いです」は、「回答させてもらえると嬉しい」という意味です。 「ご回答させていただけますと」は、「回答」に謙譲語の接頭辞「ご」をつけて「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と丁寧語「ます」をつけています。 「幸いです」は、「そうしてもらえると嬉しい・ありがたい」という気持ちを表します。 「ご回答させていただけますと幸いです」は、「ご回答させていただければ幸いです」とすることもできます。 「させていただければ」は、上述したように仮定の「れば」を使うことで断定を避けた謙虚な表現です。 また、「幸いです」は「幸甚です」とすることもできます。 「幸甚です」は「この上なく嬉しい・ありがたい」という意味で、「幸いです」より、かしこまった表現です。
