「ご検討くださいませ(けんとうくださいませ)」は、「ご検討ください」に丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意を表す「ませ」をつけた敬語表現です。電話や口頭ではよく使われますが、「ください」が命令形「くれ」の尊敬語で一方的なニュアンスがあるのでビジネスメールなどで依頼をする場面では、より丁寧な敬語表現を使います。
「ご検討くださいませ」は、「ごけんとうくださいませ」と読みます。 「ご検討くださいませ」の意味は、「よく調べ考えてほしい」です。 「検討」に、「よく調べて考える」という意味があります。 「くださいませ」は、相手に何かを要求・依頼する意を表す語です。
「ご検討くださいませ」は、品詞分解すると「ご」+「検討」+「ください」」+「ませ」です。 「検討」についている「ご」は、尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
「ご検討」の接頭辞「ご」は、相手が検討することに対してつけているので、尊敬語になります。 「ください」は、命令形「くれ」の尊敬語です。 「ませ」は、丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意を表します。 「くださいませ」は「くれ」を丁寧にするだけでなく、柔らかい印象を与えることができる表現です。
「ご検討くださいませ」は、ビジネスシーンなどで主に口頭や電話で相手に何かを提案をして、考えておいてほしいとお願いをするときに使います。 例えば、商品の紹介をして購入を考えてみてほしいと伝えるときに「ご検討くださいませ」といいます。 ビジネスメールなど文章で使われることも稀にありますが、文章で使う場合は「ご検討いただきますようお願い申し上げます」など、より丁寧で堅い敬語表現を使うことがほとんどです。
「ご検討くださいませ」の例文
「ご検討ただけますか」は、「検討」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご検討ください」では丁寧さに欠けますが、「検討してもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご検討いただくことは可能でしょうか」は、「検討してらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご検討願います」は、「検討」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご検討願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「ご検討いただけると幸いです」は、「検討」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらう」の謙譲語「いただく」、接続詞の「と」をつけて、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしていただければ幸せだと人に頼む気持ちを表します。 よって「ご検討いただけると幸いです」で、「検討してもらえると嬉しいです」という意味の丁寧な依頼表現になります。
「ご検討いただきたく存じます」は、「検討」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱとも言われます。 へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、謙譲語とは違い動作の対象ではなく自分が今話している相手に敬意を示す敬語です。 「ご検討いただきたく存じます」は、「検討してもらいたいと思います」と柔らかく依頼をする表現になります。 「ご検討いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「ご検討賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 丁寧語の「ます」に婉曲表現の「よう」をつけた「ますよう」をつけることで直接的な表現を避けることができるので、ただ「お願いします」とお願いするよりも柔らかい印象になります。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語「お願い申し上げる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 補助動詞は、平仮名で書く決まりがあるので本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣用的に「お願い申し上げます」と書かれる事が多いです。 「ご検討賜りますようお願い申し上げます」で、「検討してもらうようお願いをします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。 「お願い申し上げます」は、「お願いいたします」とすることもできます。 「お願いいたします」は「お願いする」の謙譲語です。 「お〜いたす」で補助動詞「する」の謙譲語になります。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なので平仮名で書きます。
「ご一考くださいませ」は「ごいっこうくださいませ」と読みます。 「ご一考くださいませ」の意味は、「よく調べて一度考えてみてほしい」です。 「一考」に「よく調べて一度考えてみる」という意味があります。 「一考」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけています。 「ご検討くださいませ」と同じように、相手に新しい仕事を提案もしくは依頼をするときに使うことができます。