「ご参加いただきたく存じます(ごさんかいただきたくぞんじます)」は、参加してもらいたく思うという意味です。ビジネスメールでイベントや会議の参加依頼をするときなどに「お忙しい中恐縮ですが、ご参加いただきたく存じます」などと使います。
「ご参加」は「ごさんか」と読みます。 「ご参加」の意味は「団体や活動に仲間として加わること」です。 「参加」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語ですが「ご〜いただく」で一つの謙譲語と解釈する場合もあります。
「いただきたく」は、「してもらいたい」という意味です。 「いただきたく」は、「もらう」の謙譲語に願望を表す助動詞「たい」をつけた敬語表現です。 「ご参加いただきたく」で、「参加してもらいたく」という意味になります。 「いただく」は、漢字で「頂く」と書きます。 ただし、「頂く」と漢字で表記するのは、「食べる」「飲む」という意味で使う場合と、「(物などを)もらう」の謙譲語として使う場合です。 「いただきたく存じます」の場合の「いただく」は補助動詞なので平仮名で書くのが正しいです。
「存じます」は、「ぞんじます」と読みます。 「存じます」の意味は「思う」です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「存じます」の「ます」は、丁寧語です。 したがって「ご参加いただきたく存じます」で「参加してもらいたいと思う」という意味になります。
「ご参加いただきたく存じます」は、ビジネスメールで参加依頼をするときに使います。 例えば、ビジネスシーンでは会議の参加依頼をするときに使うことが多いです。
【件名】 お打ち合わせご参加依頼 【本文】 株式会社あいうえお 企画部 小林茉優様 平素よりお世話になっております。 森山商事の竹沢です。 この度、合同プロジェクト「△△△」のお打ち合わせを行います。 お忙しい中恐縮ですが、ご参加いただくたく存じます。 合同プロジェクト第一回お打ち合わせ 日時:12月5日(月)14:00〜15:00 場所:弊社第1会議室(4F) 先日ご了解を頂いた日にち、時間で設定いたしましたが、ご都合が悪い場合はお知らせください。 よろしくお願い申し上げます。 竹沢
【件名】 弊社主催音楽イベント「THE・MUSIC」ご参加依頼 【本文】 株式会社ソウル・ロディ 営業部 斎藤耕一様 いつもお世話になっております。 株式会社バーニー営業部の切島です。 さて、本日は弊社主催のイベント「THE・MUSIC」のお知らせをしたくご連絡いたしました。 毎年開催しております「THE・MUSIC」を本年も下記の日程で開催いたしますので、ご参加いただきたく存じます。 株式会社バーニー 音楽イベント「THE・MUSIC」 日時:7月31日(土) 午前10時〜18時(予定) 場所:野外音楽堂 日頃よりお世話になっている斎藤様にもお楽しみいただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 切島
【件名】 新商品発売に伴う会議のご参加依頼 【本文】 関係者各位 お疲れ様です。営業部の大谷です。 本日は社内会議についてお知らせいたします。 各部署より関係者はご参加いただきたく存じます。 日時:11月15日(火) 13:00〜14:30(予定) 場所:本社6F会議室B 議題:新商品発売に伴うPR方法について お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 大谷
【件名】 セミナーへのご参加依頼 【本文】 新入社員の皆様 お疲れ様です。総務部の遠藤でございます。 本日は、セミナー開催についてご連絡いたしました。 この度、株式会社△△△代表取締役の大木様をお招きして、営業のノウハウをご教授いただく予定です。 新入社員の皆様にご参加いただきたく存じます。 日時:11月10日(水)10:00〜12:00 場所:本社5F 多目的ホール 欠席の場合は11月8日までに遠藤までご連絡ください。 よろしくお願い申し上げます。 遠藤
【件名】 懇親会のお知らせ 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。営業部の橋本です。 来月15日に営業部で懇親会を開催することになりました。 詳細は下記の通りです。 日時:10月15日(金)18:30〜 場所:プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 住所:緑谷市青山町1-22-33 会費:3000円 ご多忙中恐れ入りますが、ご参加いただきたく存じます。 予約の関係上、10月11日(月)までに参加の可否をご返信ください。 よろしくお願い申し上げます。 橋本
「ご参加いただきたく存じます」と似た敬語表現に「ご参加いただければと存じます」があります。 「いただきたく存じます」は、上述したように「もらう」の謙譲語「いただく」に、「思う」の丁重語「存じる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただければと存じます」は、「もうら」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」と接続助詞「と」、「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただければ〜」は、「〜してもらえたら嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回し です。 「ご参加いただきたく存じます」と「ご参加いただければと存じます」は、どちらも謙譲語、丁重語、丁寧語を使用した敬語表現であり丁寧の度合いは同じですが、「いただければと存じます」のほうが仮定のニュアンスが強く謙虚な響きがあります。
「ご参加いただきたく存じます」は、「ご参加いただけたらと存じます」ということもできます。 「いただけたらと存じます」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「たら」と接続詞「と」、「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただけたらと存じます」で、「してもらえたらと思う」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「ご参加いただきたく存じます」と「ご参加いただけたらと存じます」は、どちらも謙譲語、丁重語、丁寧語を使った敬語表現なので丁寧の度合は同じですが、「いただけたらと存じます」の方が仮定の意が強く控えめな響きがやや大きいです。
「ご参加いただきたく存じます」は、「ご参加いただきたく思います」ということもできます。 「存ずる」は、「思う」の丁重語なので「ご承諾いただきたく思います」としても意味は同じです。 しかし、「思います」は「思う」に「ます」をつけた丁寧語です。 丁寧語は、文末につけることで文章全体を丁寧にするためにつける敬語であり、相手に対して敬意を示すことはできません。 よって、「ご参加いただきたく思います」よりも丁重語と丁寧語を使っている「ご参加いただきたく存じます」のほうが丁寧です。
「ご参加ください」は、「参加」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご参加くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご参加いただけますか」は、「参加」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご参加ください」では丁寧さに欠けますが、「参加してもらえますか?」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご参加いただくことは可能でしょうか」という敬語表現もあります。 「ご参加いただくことは可能でしょうか」は、「参加してらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご参加をお願いします」は、「参加をお願いする」という意味です。 「参加」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「願う」に謙譲語の接頭辞「お」と丁寧語「ます」をつけています。 「ご参加をお願いします」でも十分丁寧な敬語表現ですが、社外の人に使う場合などは「ご参加をお願いいたします」「ご参加をお願い申し上げます」などより丁寧な敬語表現を使うことが多いです。
「ご参加のほど」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、断定を避ける表現の「ほど」を使った敬語表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なのでひらがなで表記するのが正しいです。
「ご参加くださいますようお願い申し上げます」は、「参加してくれるようお願いする」という意味です。 「ご参加くださいますよう」は、「参加」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「ご参加くださいますよう〜」は「ご参加いただきますよう」と言い換えることもできます。 「ご参加いただきますよう」は、「参加してもらうよう」という意味です。 「参加」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。
「ご参加いただけると幸いです」は、「参加」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「ご参加いただけると幸いです」は、「参加してもらえると嬉しい」という意味の丁寧な表現になります。 「ご参加いただけますと幸いです」としても意味は同じですが、より丁寧になります。 「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 「ご参加いいただければ幸いです」とすると仮定のニュアンスが加わり柔らかい表現になります。 「いただければ〜」の「れば」は仮定を表し、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現です。
「ご参加賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「ご参加賜りますようお願い申し上げます」で、「参加してもらうようお願いします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。 ちなみに、「賜れますよう」は誤用です。 「賜れますよう」の「れ」は助動詞「れる」の連用形です。 助動詞「れる」の意味は主に尊敬・可能で使います。 「賜る」が、敬語なので敬語の助動詞を使うのは不適切です。 「れる」が可能の意味ならば「してもらうことができますように・・・」という意味になります。 無理矢理、可能の意味で捉えることもできますが、このような使い方は一般的ではりません。