「ご参照いただければ幸いです(ごさんしょういただければさいわいです)」は、参照してもらえれば嬉しいという意味です。ビジネスメールで参考になるような資料を添付したときなどに使います。
「ご参照」は「ごさんしょう」と読みます。 「ご参照」には「他のものを照らし合わせて参考にすること」という意味があります。 「参照」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞「ご」です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語になりますが「ご〜いただく」で一つの謙譲語と解釈する場合もあります。
「いただければ」の意味は、「もらえれば」です。 「いただければ」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」をつけた敬語表現です。 仮定を表す「れば」を使うことで、直接的な表現を避け「〜してもらえたら」という柔らかいニュアンスの依頼表現になります。
「幸いです」は、「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、「自分にとって嬉しいことです」という意味です。 「幸い」に丁寧語「です」をつけています。 したがって「ご参照いただければ幸いです」で「参照してもらえれば嬉しい」という意味になります。
「ご参照いただければ幸いです」は、ビジネスメールに添付した資料などを参考にしてほしいと伝えるときに使います。 例えば、メールに会議の参考になる資料を添付したときなどです。 「ご参照」は「他のものと照らし合わせて参考にする」という意味なので、目に見えるものが対象になります。 「詳細は電話にてご参照いただければ幸いです」などの使い方は誤りなので注意しましょう。 「ご参照いただければ幸いです」は、
など、クッション言葉と併せて使うとより丁寧になります。クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 文中で使われることがほとんどですが、「ご参照いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。」などの形で文末に使うこともできます。
【件名】 資料送付のお知らせ 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 大谷彩花様 お世話になっております。 株式会社かきくけこ商品部の武藤です。 この度はカタログをご請求いただきありがとうございます。 ご依頼いただきました新製品資料を本日発送いたしました。 発送日 10月1日(月) 到着予定 10月2日(火)午前10時〜12時 送付内容 製品カタログ 2部 大幅なモデルチェンジを行いましたので、ご参照いただければ幸いです。 なお、製品につきましてご質問などございましたら武藤宛にメールまたはお電話にてお気軽にご連絡くださいませ。 大谷
【件名】 商品開発会議について 【本文】 関係者各位 お疲れ様です。 開発部の高橋です。 11月11日(火)に行われます商品開発会議に先立ちまして、前回の商品開発会議の議事録を添付いたします。 添付資料 商品開発会議議事録.pdf 今回の会議は前回の商品開発会議を元に行いますので、ご参照いただければ幸いです。 お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 高橋
【件名】 上半期売上データについて 【本文】 ウルトラプルス株式会社 営業部 轟様 お世話になっております。 株式会社マイトオール営業部の八木です。 ご依頼いただきました2021年度上半期売上データをご送付いたします。 添付ファイル 売上データ(関東地区)xls 「月別」には1月から6月までの売上データ、「商品別」に商品別の売上データが入っております。 合わせてご参照いただければ幸いです。 ご不明な点がございましたら、八木までご連絡いただきますようお願い申し上げます。 八木
「ご参照くだされば幸いです」は「参照してくれれば嬉しい」という意味です。 「くだされば幸いです」の「くだされば」は、「くれる」の尊敬語「くださる」に婉曲表現「れば」を つけています。 「くだされば幸いです」は尊敬語の敬語表現で、「いただければ幸いです」は謙譲語の敬語表現です。 尊敬語と謙譲語の敬意の度合いは同じです。 相手の動作に対しては尊敬語を使い、自分の動作に対しては謙譲語を使います。 また、「くだされば幸いです」は「くれれば嬉しい」という意味で、「いただければ幸いです」は「もらえれば嬉しい」という意味ですが、こちらも丁寧の度合いに違いはありません。 しかし、「くだされば幸いです」は文法的には正しい敬語表現ですが一般的に使われない敬語表現です。
「ご参照いただければ幸いです」と似た敬語表現に、「ご参照いただけますと幸いです」があります。 「いただければ幸い」は、上述したように「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」で「してもらえると嬉しい」という意味になります。 どちらも目上の人に対して使える丁寧な敬語表現ですが、「いただければ」は謙譲語のみを使った敬語表現で、「いただけますと」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので「いただけますと幸いです」のほうがより丁寧です。
「ご参照いただければ幸いです」は、「ご参照いただけましたら幸いです」ということもできます。 「いただけましたら幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と仮定の「たら」をつけた敬語表現です。 「いただけましたら幸いです」で「してもらえたら嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「いただければ幸い」と「いただけましたら幸い」は、どちらも「してもらえたら嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しですが、「いただければ幸い」が謙譲語のみを使用した敬語表現で、「いただけましたら幸い」は、謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので「いただけましたら幸いです」のほうがより丁寧です。
「賜れれば幸い」は、「もらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 「賜る」は、「もらう」の謙譲語、「与える」の尊敬語の二つの意味がありますが、この場合は相手から何かをしてもらうという動作について、相手を高めるために使用されている謙譲語です。 「賜れれば幸い」で、「もらえると嬉しいです」と依頼をする丁寧な表現になります。 「いただければ幸い」と「賜れれば幸い」は、どちらも「もらう」の謙譲語をつかった敬語表現ですが、「賜る」が、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「賜れれば幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。
「幸いです」と似た表現には「幸甚に存じます」があります。 「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」は、「幸甚」と丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、謙譲語とは違い、動作の対象ではなく自分が今話している相手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思います」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。
「ご参照ください」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご参照くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご参照いただけますか」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご参照ください」では丁寧さに欠けますが、「参照してもらえますか?」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご参照いただくことは可能でしょうか」という敬語表現もあります。 「ご参照いただくことは可能でしょうか」は、「参照してらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご参照願います」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご参照願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「ご参照のほど」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、断定を避ける表現の「ほど」を使った敬語表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なので平仮名で表記するのが正しいです。
「ご参照くださいますようお願い申し上げます」は、「参照してくれるようお願いする」という意味です。 「ご参照くださいますよう」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「ご参照くださいますよう〜」は「ご参照いただきますよう」と言い換えることもできます。 「ご参照いただきますよう」は、「参照してもらうよう」という意味です。 「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。
「ご参照いただきたく存じます」は、「参照」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご参照いただきたく存じます」で、「参照してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご参照いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「ご参照賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「ご参照賜りますようお願い申し上げます」で、「参照してもらうようお願いします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。 ちなみに、「賜れますよう」は誤用です。 「賜れますよう」の「れ」は助動詞「れる」の連用形です。 助動詞「れる」の意味は主に尊敬・可能で使います。 「賜る」が、敬語なので敬語の助動詞を使うのは不適切です。 「れる」が可能の意味ならば「してもらうことができますように・・・」という意味になります。 無理矢理、可能の意味で捉えることもできますが、このような使い方は一般的ではりません。
「ご参考」は「ごさんこう」と読みます。 「ご参考」の意味は「物事の手がかりにすること」です。 何か物事を考えたり決めたりする場面で、資料や人の意見など手がかりとなるものを使用し考えることをいいます。 例えばイベントの企画を練っているときに前回開催したイベントの資料を渡して「ご参考ください」などと使います。 「ご参考」は「ご参照」とは違い「照らし合わせる」という意味はありません。 よって「ご参照」は資料など目に見えるものが対象になりますが「ご参考」は口頭で述べた意見などに対しても使うことができます。
「ご照会」は「ごしょうかい」と読みます。 「ご照会」の意味は「問い合わせて確認すること」です。 知りたい物事や人を確かめるために、手紙や電話などで他人やあるところへ問い合わせることをいいます。 問い合わせる相手は基本的に個人ではなく組織や機関です。 例えば「詳細は弊社HPにてご照会いただけます」などと使います。
「ご覧」は「ごらん」と読みます。 「ご覧」は、「見る」の尊敬語です。 目上の人が見ることに対して使うことができます。 例えば「どうぞご自由にご覧ください」などと使います。
「ご査収」は「ごさしゅう」と読みます。 「ご査収」の意味は「物品・書類・金額などをよく調べて受け取ること」です。 また、同意する・納得するといった意味も含まれます。 「ご査収ください」などの形で、単に「受け取ってください」という意味ではなく「しっかり内容を確認したり、理解してください」という意味合いで使われます。