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「ご査収いただけますでしょうか」の意味と使い方を例文つきで解説

「ご査収いただけますでしょうか(ごさしゅういただけますでしょうか)」は、査収してもらえるだろうかという意味です。ビジネスメールで資料を添付したときや、書類を郵送したときなどに口頭や電話で使われます。

「ご査収いただけますでしょうか」とは

意味は「査収してもらえるだろうか」

「ご査収いただけますでしょうか」は「ごさしゅういただけますでしょうか」と読みます。 「ご査収いただけますでしょうか」の意味は「査収してもらえるだろうか」です。 「ご査収」には「よく調べて受け取る」という意味があります。 「いただけますでしょうか」は「してもらえるだろうか」という意味です。 「ご査収いただけますでしょうか」で、よく調べて受け取ってもらえるだろうかと依頼をする表現になります。

二重敬語ではない

「ご査収いただけますでしょうか」を品詞分解すると「ご」+「査収」+「いただく」+「ます」+「でしょう」+「か」となります。 「査収」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語です。 「いただく」は「もらう」の謙譲語です。 「ご〜いただく」で一つの謙譲表現と解釈する場合もあります。 「ます」は丁寧語です。 「でしょう」は推量を表す「だろう」の丁寧語です。 「か」は疑問の終助詞です。 「ご査収いただけますでしょうか」を二重敬語だと思う人も多いですが、正しい敬語表現です。 二重敬語とは、一つの言葉に対して同じ種類の敬語を使ってしまう事をいいます。 例えば、「14時にお伺いします」は、「訪問する」の謙譲語「伺う」にさらに、謙譲語の接頭辞「お」をつけているので二重敬語です。 「ご査収いただけますでしょうか」に使われている「ます」と「でしょう」は、どちらも丁寧語ですが、「ます」は「いただく」を丁寧にするために使われていて、「でしょう」は「だろう」を丁寧にするために使われています。 よってこの場合は、かかっている語が違うため二重敬語ではありません。 しかし、くどい印象があるため「ご査収いただけますか」などシンプルな敬語表現に言い換えられることも多いです。

「ご査収いただけますでしょうか」の使い方と注意点

電話や口頭で受け取りをお願いする

「ご査収いただけますでしょうか」は、ビジネスシーンでメールに添付してあるものや郵送した書類などを精査してほしいとお願いするときに主に電話や口頭で使います。 メールで使うこともありますが、文章で使うときは「ご査収いただきますようお願いいたします」など、より丁寧でかしこまった敬語表現を使うことが多いです。

「ご査収いただけますでしょうか」の例文

  • 製品資料を添付いたしましたので、ご査収いただけますでしょうか。
  • 本日応募書類を郵送いたしました。ご査収いただけますでしょうか。
  • ご迷惑をおかけしますが、ご査収いただけますでしょうか。

調べる対象がない場合は使えない

「ご査収」は、「よく調べてうけとる」という意味なので添付ファイルなどが何もない場合は使えません。 また、添付ファイルなどをつけていたとしても参考程度に見るものに対して使用すると相手に違和感を与えてしまうので注意しましょう。 単に目を通しておいてほしいという場合は「お目通しください」「ご一読いただければ幸いです」などが適してしています。

売り込みでは使わない

「ご査収いただけますでしょうか」を売り込みで使うのは誤りです。 例えば、営業で取引先にパンフレットを郵送したときに「ご査収ください」などと使うことはできません。 「ご査収」には「よく調べて受け取る」という意味があるので、相手がしっかり受け取り調べる責任のあるものに対して使います。

類似表現との違い

「ご査収いただけますか」も正しい

「ご査収いただけますか」も正しい敬語表現です。 「ご査収いただけますか」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、疑問の終助詞「か」をつけた正しい敬語表現です。 「ご査収いただけますか」と「ご査収いただけますでしょうか」の丁寧の度合いは同じですが、婉曲表現の「だろう」の丁寧語「でしょう」を使っている「ご査収いただけますでしょうか」のほうが、控えめで謙虚な響きがあります。 しかし「ご査収いただけますでしょうか」は、くどい印象があるため「ご査収いただけますか」を使う人が多いです。

「ご査収いただきますでしょうか」は間違い

「ご査収いただきますでしょうか」は、間違いです。 「ご査収いただきますでしょうか」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」の連用形「いただけ」と、丁寧語「ます」、疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 丁寧語「ます」に接続するときは、連用形になる決まりがあるので、「いただきますでしょうか」でも文法上は問題ありません。 しかし、「ご査収いただきますでしょうか」では、「査収してもらうだろうか」という意味になるので仮定のニュアンスがなくなって一方的になってしまいますし、不自然な日本語です。

「ご査収くださいますでしょうか」との違いは?

「ご査収いただけますでしょうか」の似た敬語表現には「ご査収くださいますでしょうか」もあります。 「いただけますでしょうか」は、上述したように「もらえるだろうか」という意味で、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「くださいますでしょうか」は、「くれるだろうか」という意味で、「くれ」の尊敬語「ください」に丁寧語「ます」と「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 まず「いただけますでしょうか」は謙譲語であり、「くださいますでしょうか」は尊敬語であるという違いがありますが、謙譲語と尊敬語に敬意の度合いの違いはありません。 自分の動作に対してなら謙譲語を、相手の動作に対してなら尊敬語を使います。 また、「いただけますでしょうか」は「もらえるだろうか」、「くださいますでしょうか」は「くれるだろうか」という意味の違いもありますが、これもどちらが丁寧ということはありません。 しかし、「くださいますでしょうか」が「くれ」の尊敬語を使用した命令形であるため「いただけますでしょうか」の方が丁寧な響きがあります。 ちなみに、こちらもシンプルに「ご査収くださいますか」としても問題ありません。

「ご査収いただけますでしょうか」の敬語の言い換え

ご査収ください

「ご査収ください」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご査収くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

ご査収願います

「ご査収願います」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご査収願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で、丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

ご査収のほどよろしくお願いいたします

「ご査収のほど」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、婉曲表現の「ほど」をつけています。 「ほど」は、断定を避ける表現です。 「ご査収のほど〜」とすることで、相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。

ご査収くださいますようお願い申し上げます

「ご査収くださいますようお願い申し上げます」は、「査収してくれるようお願いする」という意味です。 「ご査収くださいますよう」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」は補助動詞なので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 「ご査収くださいますよう〜」は「ご査収いただきますよう」と言い換えることもできます。 「ご査収いただきますよう」は、「査収してもらうよう」という意味です。 「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。

ご査収いただけると幸いです

「ご査収いただけると幸いです」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「ご査収いただけると幸いです」は、「査収してもらえると嬉しい」という意味の丁寧な表現になります。 「ご査収いただけますと幸いです」としても意味は同じですが、より丁寧になります。 「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 「ご査収いいただければ幸いです」とすると仮定のニュアンスが加わり柔らかい表現になります。 「いただければ〜」の「れば」は仮定を表し、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現 です。

ご査収いただきたく存じます

「ご査収いただきたく存じます」は、「査収」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご査収いただきたく存じます」で、「査収してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご査収いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。

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