「ご支援」の意味は、力を貸して助けることです。「ご支援賜りますようお願い申し上げます」で支援してもらうようお願いするという意味の依頼表現になります。「賜る」はかしこまった表現で、挨拶文などで使われます。
「ご支援」は「ごしえん」と読みます。 「ご支援」の意味は「力を貸して助けること」です。 「支援」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語になります。
「賜りますよう」は「たまわりますよう」と読みます。 「賜りますよう」の意味は「もらうよう」という意味です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語「賜る」に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけています。 「賜りますよう〜」とすることで、ただ「お願いします」とするよりも柔らかい依頼表現になります。
「お願い申し上げます」は、「おねがいもうしあげます」と読みます。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、本来は「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字で書くことが多いです。 したがって、「ご支援賜りますようお願い申し上げます」で、「支援してもらうようお願いする」という意味になります。
「ご支援賜りますようお願い申し上げます」は、挨拶文の結びの言葉で使うことが多いです。 例えば、部署異動したときや着任の挨拶などで使われます。 併用して使われる言葉には相手に強く依頼したり感嘆する気持ちを表す、
などがあります。 また、「これからも」という意味の「今後とも」を併用して使うことも多いです。
【件名】 着任のご挨拶 【本文】 営業部の皆様 この度人事異動により4月1日付けで営業部に着任いたします、長谷川と申します。 移動前は本社にて、広報業務を行っておりました。 一日でも早く業務に慣れ、皆様に貢献できるよう精励してまいります。 ご迷惑をおかけすることも多いかと思いますが、ご支援賜りますようお願い申し上げます。 メールにて恐縮ですが、取り急ぎ営業部着任のご挨拶を申し上げます。 長谷川
【件名】 異動のご挨拶 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 橘様 平素よりお世話になっております。 かきくけこ株式会社の松野です。 私事ではございますが、この度4月1日付けで営業部から総務部へ異動になりました。 後任は、営業部の花垣武志が担当させていただきます。 後日改めて、ご挨拶に伺います。 本来なら直接お会いしてご報告すべきところをメールでの報告となり申し訳ございません。 新しい部署では、気持ちを新たに業務に取り組んでまいります。 今後とも変わらぬご支援賜りますようお願い申し上げます。 松野
【件名】 新年のご挨拶 【本文】 株式会社ABC 営業部 小川様 謹んで新年のお慶びを申し上げます。 昨年は、格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。 まだまだ至らない点も多いと思いますが、より良いサービスを提供するため精励する所存です。 本年も変わらぬご支援賜りますようお願い申し上げます。 新年は1月4日(月)より営業を開始いたします。 ご用命がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。 株式会社CDE 藤沢奈々未
【件名】 調査ご協力のお礼 【本文】 株式会社AAA 総務部 部長 蒲谷結子様 平素よりお世話になっております。 株式会社BBBの星野健太郎です。 この度は弊社プロジェクトにご協力いただき誠にありがとうございました。 お陰様で多大なる調査データが集めることができました。 ご多用中にも関わらず、弊社プロジェクトの成功に向けて多くの方にご協力を呼びかけていただきましたこと、心より感謝申し上げます。 今回プロジェクトが成功しましたのも、皆様のご協力あってこそです。 今回の経験を活かし、今後もよりい良いサービスの向上を目指していきます。 今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。 星野
「ご支援賜りますようお願い申し上げます」と似た敬語表現には「ご支援いただきますようお願い申し上げます」があります。 「ご支援いただきますよう」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」婉曲表現「よう」をつけています。 「ご支援賜りますよう」と「ご支援いただきますよう」は、どちらも「もらう」の謙譲語を使用していますが、「賜る」は「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「ご支援いただきますよう」よりも「ご支援賜りますよう」のほうが謙虚でかしこまった表現です。
「ご支援賜りますようお願い申し上げます」は「ご支援くださいますようお願い申し上げます」とすることもできます。 「ご支援くださいますよう」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、命令形「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現「よう」をつけています。 一方「ご支援賜りますよう」は「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「賜る」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「ご支援くださいますよう」は尊敬語を使った敬語表現であり、「ご支援賜りますよう」は謙譲語を使った敬語表現であるという違いがありますが、尊敬語と謙譲語に敬意の度合いの違いはありません。 また、「ご支援くださいますよう」は「支援してくれる」という意味であり、「ご支援賜りますよう」は「支援してもらうよう」という意味であるという違いもありますが、これもどちらのほうが丁寧ということはありません。 しかし、「くださいますよう」が「くれ」の尊敬語を使用した命令形であり、「賜る」が「いただく」よりも一段と恐れ多いという気持ちを込めて使われる言葉であるため、「ご支援賜りますよう」のほうが丁寧でかしこまった表現です。
「ご支援賜りますようお願い申し上げます」は、「ご支援賜りますようお願いいたします」ということも可能です。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」は、補助動詞でも慣用的に漢字で書かれることが多いですが、「お願いいたします」は平仮名で正しく表記されることが多いです。 「お願い申し上げます」と「お願いいたします」の丁寧の度合いはどちらも同じですが、「お願い申し上げます」のほうが意味的に謙虚でやや丁寧です。 そのため、ビジネスシーンなどでは「お願い申し上げます」が使われる傾向があります。 「ご支援賜りますようお願いします」ということもできます。 「お願いします」は、「願う」に謙譲語の接頭辞「お」と「する」の連用形「し」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁寧語は、文末につけることで文章全体を丁寧にする敬語表現なので、丁寧の度合いは「お願いいたします」「お願い申し上げます」のほうが高いです。
「ご支援ください」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご支援くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご支援いただけますか」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご支援ください」では丁寧さに欠けますが、「支援してもらえますか?」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご支援いただくことは可能でしょうか」という敬語表現もあります。 「ご支援いただくことは可能でしょうか」は、「支援してもらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご支援願います」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご支援願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「ご支援のほど」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、断定を避ける表現の「ほど」を使った敬語表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。
「ご支援いただけると幸いです」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、「そうしてもらえると嬉しい」という気持ちを表します。 よって「ご支援いただけると幸いです」は、「支援してもらえると嬉しい」という意味の丁寧な表現になります。 「ご支援いただけますと幸いです」としても意味は同じですが、より丁寧になります。 「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 「ご支援いいただければ幸いです」とすると仮定のニュアンスが加わり柔らかい表現になります。 「いただければ〜」の「れば」は仮定を表し、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現です。
「ご支援いただきたく存じます」は、「支援」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご支援いただきたく存じます」で、「支援してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご支援いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。