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「軍配が上がる」の意味と語源、使い方、類語、対義語、英語を例文つきで解説

「軍配が上がる(ぐんばいがあがる)」とは、相撲の審判が勝利判定のためにうちわを上げることを意味し、そこから転じて「勝敗が決まる」という意味でスポーツやビジネスで使います。

「軍配が上がる」とは

「軍配が上がる」の意味は「勝敗が決まる」

「軍配が上がる」は「ぐんばいがあがる」と読みます。 「軍配は「ぐんぱい」とも読みますが、「ぐんばい」と読むのが一般的です。 「軍配が上がる」の意味は「勝敗が決まる」です。 スポーツなど勝ち負けで決着をつけるような場面で、はっきりと勝利を示すことを「軍配が上がる」といいます。

「軍配が上がる」の語源は「軍配団扇」

「軍配」とは「軍配団扇(うちわ)」の略で、戦後期時代の軍勢を指揮するために用いたものであり、武器ではありません。 「軍配団扇」は、現在では相撲の土俵で勝負の進行・判定をする「行司」が取り組みを裁くのに用いられます。 東西の力士が対戦したときに、行司が勝ち力士の方向に軍配を上げることから、「勝利を示す」「勝敗が決まる」という意味で「軍配が上がる」といわれるようになりました。 「軍配紋」とは旗印を用いた家紋のことです。 平安末期において児玉党が軍配団扇そのものを党のしるしとして用いており、のちに図案家されて家紋として用いられるようになったと言われています。

「軍配が上がる」の使い方と例文

スポーツでは「勝負に勝つ」

「軍配が上がる」は「勝ち負けが決まったこと」を言い表す言葉で、相撲で主に使う言葉ですが、相撲以外のスポーツで使うこともできます。 「○○に軍配が上がった」という使い方で、「○○が勝った」「○○に勝利が決まった」という意味になります。

例文

  • 軍配は朝青龍に上がった。
  • 今回のサッカー日韓戦では日本に軍配が上がった。
  • 軍配が上がったほうの決勝戦進出が決まることになっている。

ビジネスでは「優勢になる。有利になる」

スポーツ以外でも使用することができます。 ビジネスでは「優勢になる。有利になる。」という意味になります。 例えば、A社とB社で何かの権利を争っているというような場面で、どちらかが優勢になったり有利になるようなことがあったときに「A社が軍配に上がった」と言い表すことができます。

例文

  • 会議では彼女の意見に軍配が上がった。
  • A社は競合他社よりも多くマーケティング費用を投下し、市場シェアで軍配が上がった。
  • 今回の経営権の争いは早くもB社が軍配が上がりそうだ。

「軍配」の他の使い方

「軍配を上げる」とも

「軍配を上げる」という使い方をすることもできます。 「軍配を上げる」は、「勝利の判定をくだす」という意味で使用されます。 「行司が、勝ち力士の方を示して軍配を上げること」または、公正な立場にある第三者が勝負・競争の経過を見て一方について勝利判定を下すことを「軍配を上げる」といいます。

例文

  • 行司は西方力士に軍配を上げた。
  • 犯人の行為は法律違反であったとして、被害者の主張に軍配を上げた。

「軍配を返す」も相撲用語

「軍配を返す」は相撲用語です。 相撲用語で、仕切りの時間制限いっぱいになった時、行司が軍配団扇の裏を見せて構え、取り組みをはじめさせることを「軍配を返す」といいます。 「仕切り」とは、気持ちを高め精神を集中する時間のことです。 対戦する力士を呼吸を合わせ、立ち会いの準備を整えますが仕切りには制限時間があり、行司は制限時間になると軍配を返して力士に知らせます。

「軍配者」は軍の指揮を取る人

「軍配者」は「ぐんばいしゃ」と読みます。 「軍配者」の意味は、「軍配をするひと」です。 軍人の配置推進など、軍の指揮をとる大将を「軍配者」といいます。

「軍配が上がる」の類語

白黒はっきりさせる

「白黒はっきりさせる」は、「物事を明確に是か非かはっきりさせること」です。 よいことか悪いことか、有罪か無罪かなどを吟味した上ではっきりさせることを「白黒はっきりさせる」といいます。 例えば、勝負ごとにおいて勝敗を決めることも「白黒はっきりさせる」ということがきます。 「軍配が上がる」も、勝ち負けをはっきり決めることを言い表す言葉なので「白黒はっきりさせる」は類語になります。

ケリがつく

「ケリがつく」は、「物事の結末がつく」「終了する」という意味です。 例えば勝負をして、どちらが勝ちでどちらが負けかはっきり勝敗が決まることを「ケリがつく」といいます。 したがって、「勝利が決まる」という意味の「軍配が上がる」の類語になると言えます。 ちなみに、「けり」は「物事の終わり。結末」という意味の名詞です。 「蹴りがつく」「蹴りをつける」と書くのは誤りなので注意しましょう。

目鼻をつける

「目鼻をつける」は「めはなをつける」と読みます。 「目鼻がつける」の意味は「おおよその見通しをつけること」です。 目と鼻があるべき所にきちんとあって顔だちが整うことから、「見通しをつける」という意味で使用「目鼻をつける」といわれるようになりました。 「軍配が上がる」は勝敗がはっきりすることなので、「見通しをつける」という意味の「目鼻をつける」は類語であるといえます。

「軍配が上がる」の対義語

黒星がつく

「黒星がつく」は、「相撲の星撮り表で、負けを表す黒い印がつくこと」「負けること」を「黒星がつく」といいます。 相撲以外の、野球などのスポーツでも負けることを「黒星がつく」と言い表します。 また、「失敗」「失策」という意味で使用することもあります。 「軍配が上がる」は勝つことを言い表す言葉なので、負けることを意味する「黒星がつく」は対義語です。

軍門に降る

「軍門に降る」は「ぐんもんにくだる」と読みます。 「軍門に降る」の意味は「戦争に負けて相手の陣に身をまかす」です。 また、戦争に負けて相手に屈伏することををいいます。 負けることを意味する言葉なので、「軍配が上がる」の対義語になります。

苦杯を嘗める

「苦杯を嘗める」は「くはいをなめる」と読みます。 「苦杯を嘗める」の意味は「つらくて苦しい経験をする」です。 「苦杯」は「苦いお酒の入った杯(さかずき)」のことです。 スポーツの世界では、負けることを「苦杯を嘗める」といい表すことがあります。 「苦杯を喫する」ともいいます。 「一敗地にまみれる」と混合して、「苦杯にまみれる」としてしまうのは誤用です。

「軍配が上がる」の英語

win

「軍配が上がる」の英語はシンプルに「win」でOKです。 「win」は他動詞で「〜に勝つ」で目的語に「試合」「戦い」などの名詞がきます。 「win the match」で「試合に勝つ」という意味になります。

Italy won the World Cup in 2006.

2006年のワールドカップはイタリアに軍配が上がった。

assure victory

「assure」は「〜を保証する」という意味の動詞です。 「victory」は「勝利」という意味の名詞です。 「assure victory」で「勝利を保証する」=「勝利を確実なものにする」の意で、「軍配が上がる」の英訳として使えます。

The goal in the very last minute assured victory for the Japanese team.

最後の1分のゴールで日本チームに軍配が上がった。

まとめ

「軍配が上がる」の意味は「勝敗が決まる」です。 「軍配」とは「軍配団扇(うちわ)」の略で、戦後期時代の軍勢を指揮するために用いたものであり、武器ではありません。 「軍配団扇」は、現在では相撲の土俵で勝負の進行・判定をする「行司」が取り組みを裁くのに用いられます。 東西の力士が対戦したときに、行司が勝ち力士の方向に軍配を上げることから、「勝利を示す」「勝敗が決まる」という意味で「軍配が上がる」といわれるようになりました。

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