「断腸の思い」の意味と使い方、語源、類語、英語表現

「断腸の思い」の読み方と意味

「断腸の思い」は＜だんちょうのおもい＞と読みます。 「断腸の思い」の意味は「腸がちぎれるほど、悲しくて辛い思い。深い悲しみ」です。 「腸」は「はらわた。大腸と小腸」を、「断腸」は「はらわたが分断すること」を意味します。 とても悲しくて辛い心情を表す語です。 本当に腸がちぎれるわけではありませんが、それほどまでに辛くてきついことを表します。

「断腸の思い」の語源・故事成語

「断腸の思い」は中国の『世説新語』の古い故事に由来しています。 晋の国に桓温（かんおん）という人物がいました。 ある日、桓温が戦場に向かうため船に乗っている時、谷を過ぎる際に家臣が猿の子供を捕まえます。その様子を見ていた母猿が子猿を連れ戻そうと、随分と長い距離に渡って追いかけて船に飛び乗ります。 しかし、母猿は安心感や心労からか苦しみながら泣き喚いた後、死んでしまいます。その後、母猿の腹を裂いてみると、腸が激しくちぎれていました。 この故事から、「腸がちぎれるほど悲しい」という意味の「断腸の思い」ができました。 なぜ、家臣が子猿を捕まえたかについては明らかになっていません。ただ、本当にひどい行為だったので桓温がこの家臣をクビにしています。

「断腸の思い」の使い方と例文

「断腸の思い」の類語

苦渋の （意味：事が上手く行かずに、苦しみ悩むこと） 「苦渋の決断を迫られる」 胸が張り裂けそうな （意味：悲しみや辛さで心がいっぱいになること） 「金魚の死に胸が張り裂けそうな思いをする」 悲痛な （意味：ものすごく悲しいこと） 「悲痛な表情を見せていた」 息が詰まる （意味：悲しだや辛さのあまり呼吸が苦しくなること） 「あまりの痛さに息が詰まる」 身を切る （意味：悲しさがひどく厳しいこと） 「身を切る思いで諦める」 悲壮感 （意味：悲しくても健気に振る舞うこと） 「あの人は悲壮感が漂っている」 救われない （意味：夢も希望もない状態） 「何とも救われない思いになる」 やりきれない （意味：あまりにも悲しくてたえきれないこと） 「やりきれない気持ちでいっぱいだ」 やり場のない （意味：発散する方法がないモヤモヤした気持ちのこと） 「やり場のない気持ちをどうした良いか悩む」 母猿断腸（ぼえんだんちょう） （意味：腸を千切られるような激しい悲しみ） 「母猿断腸の思いで、彼女と別れる」 九回の腸 （意味：腸が何回もねじれてしまうほどの深い悲しみ） 「本当に苦しくて、九回の腸の思いだ」 じくじたる （意味：自身の行いを恥じ入る気持ちのこと） 「今回のミスについてはじくじたる思いだ」

「断腸の思い」の英語

「It is with deep sadness that...」「It deeply pains me to...」など

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まとめ

「断腸の思い」について理解できたでしょうか？ ✔︎「断腸の思い」は「だんちょうのおもい」と読む ✔︎「断腸の思い」は「腸がちぎれるほど、悲しくて辛い思い。深い悲しみ」を意味 ✔︎「断腸の思いで断念する」「断腸の思いの決断する」「断腸の思いで諦める」などと使う ✔︎「断腸の思い」の類語には、「苦渋の」「救われない」「九回の腸」などがある

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