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悪い意味?「昔取った杵柄」の使い方、語源、類語、対義語、英語

「昔取った杵柄」という言葉をご存知でしょうか。「昔取った杵柄と言うように」「昔取った杵柄で」などと使います。では、「昔取った杵柄」はどのような意味かしっかりと理解しているでしょうか。「昔取った杵柄」は若いうちはあまり使わないかもしれませんが、年をとると使うことが多いです。「杵柄」はあまり見聞きしない言葉なので、意味をイメージするのも難しいですよね。意味を正しく知っておくと、いざという時に使うことができます。そこで今回は「昔取った杵柄」の意味や使い方、語源、類語、対義語について解説していきます。意味を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!

「昔取った杵柄」の読み方と意味

「昔取った杵柄」は<むかしとったきねづか>と読みます。 「昔操った杵柄」と書くこともできますが、稀です。 「昔取った杵柄」の意味は「過去に鍛えて、未だに衰えずに身についている腕前や技術」です。 「昔取った杵柄」は悪い意味では使わないです。人に対して使ったら褒め言葉にあたります。

「昔取った杵柄」の語源

「昔取った杵柄」は、昔から日本にある伝統行事が由来となっています。 「杵」は臼に入れた穀物をつくために用いる木製の道具で、「杵柄」は杵を握る部分です。 「杵」は餅つきの際に使うことが多いです。餅つきといえば一家の支柱である父親が行います。 そういった人たちが年齢を重ねても、若い時に身につけた技能があれば、いつまでもその実力を発揮できることからきています。 餅つきは臼に入れてあるもち米をただひっくり返すだけの単純作業だと思いますが、タイミングよく行わないと不味いお餅が出来上がってしまいます。 若い頃から餅つきをやっていた人はその経験から、コツや感覚を習得しているため、なかなかその技術は衰えません。 このような話から「昔取った杵柄」という言葉ができました。

「昔取った杵柄」の使い方と例文

長い年月を重ねても、若い頃に習得した技術や能力には自信があるさまを表す場合に「昔取った杵柄」を使います。 熱心に取り組んでいたサッカー・野球・美術・楽器といった中学生や高校生の時に所属していた部活や習い事を、大人になっても衰えることなく、十分にできることを「昔取った杵柄」と表現します。 確かに、小さい頃に少しだけ習っていたことは、しばらくそれから離れていて何年かぶりに行っても、できたり成功したりしますよね。 「昔取った杵柄」は上記でも説明したように、技術が衰えていない人に対しての褒め言葉として用います。 自分自身に対して「昔取った杵柄」を使う場合は、「経験があること」を伝えられます。 言い回しとしては、

  • 昔取った杵柄だと思う
  • 昔取った杵柄だと感じる
  • 昔取った杵柄で
  • 昔取った杵柄だ

などとなります。

例文

  • 地域で行われた運動会に参加したが、年齢の割に動けた自分を昔取った杵柄だと感じた。
  • 昔取った杵柄とはいうものの、久しぶりに大会に出場するとなるとオロオロしてしまう。
  • 学校の教師をしていた父は退職後、放課後広場に集まる子供達に勉強を教える仕事を始めた。まさに昔取った杵柄だ。
  • 昔取った杵柄で、かつて美術が得意だった母に手伝ってもらったので、良い作品が出来上がった。
  • 何十年かぶりにプラモデル作りに挑戦してみたが、昔取った杵柄で、思っていたよりも上手に完成した。
  • 近所に住むおじさんはスポーツが得意だ。どうやらオリンピックにも出たことがあるらしい。まさに昔取った杵柄である。
  • 彼女は学生の頃はずっと中華料理店でバイトをしていたので、昔取った杵柄で今でも料理がとても上手だ。
  • 昔取った杵柄で、勉強なら得意なので宿題や課題は私に任せておいて。

「昔取った杵柄」の類語

昔の勘を取り戻す (意味:昔習得した技術や能力などを取り戻すこと) 「物事を成功させるためには、昔の勘を取り戻す必要がある」 雀百まで踊り忘れず (意味:小さい頃に身につけた習慣は、年をとっても変わらないこと) 「雀百まで踊り忘れずと言うし、その癖は直らないと思うよ」 三つ子の魂百まで (意味:小さい頃の性格は、年をとっても変わらないこと) 「三つ子の魂百までと言うように、彼は学生の頃から気が強かった」 亀の甲より年の劫(こう) (意味:長年の経験が重要であること) 「亀の甲より年の劫と言うし、私たちが知らないことを先生は知っている」 年は薬 (意味:年を取るにつれて、道理をわきまえること) 「年は薬と言うように、経験がものを言うよ」 年季を入れる (意味:学びを習得するためには、長年の努力が必要であること) 「実際の現場で年季を入れる」 芸達者(げいたっしゃ) (意味:芸に優れていて、人を楽しませることができる人) 「芸達者な人に憧れる」 職人技 (意味:優れている人だからこそできる技) 「職人技に惚れ惚れする」 鉄人 (意味:鉄のように強靭な身体を持っている人) 「怪我をしても試合に出場する彼は鉄人と呼ばれている」 いぶし銀 (意味:見た目は派手ではないが、能力があること) 「あの俳優の演技は、いぶし銀の魅力がある」 頭禿げても浮気はやまぬ (意味:年を重ねたとしても、浮気する心は変わらないこと) 「頭禿げても浮気はやまぬと言うように、彼は一生不倫し続けるだろう」

「昔取った杵柄」の対義語

昔千里も今一理 (意味:才能を持っている人でも、年をとると人並みになってしまうこと) 「昔千里も今一理で、若い頃と違って顔が変わってしまった」 麒麟(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る (意味:才能を持っている人でも、年をとると人並みになること) 「あんなに人気だった彼があそこまで落ちぶれるなんて、麒麟も老いては駑馬に劣るだ」 昔の剣、今の菜刀(むかしのつるぎ、いまのながたな) (意味:有能である人も、年をとると価値がなくなること) 「昔の剣、今の菜刀と言うし、いつまでも役に立つとは限らないよ」 年は争えない (意味:年をとると、体の衰えには隠せないこと) 「そんなこともできないなんて年は争えないね」 老いらく (意味:年を取って衰えること) 「ちょっとした運動で疲れるなんて、老いらくになってきたよ」 衰える (意味:年を取って弱まること) 「あんなに元気だったおじさんも衰えてきたね」 凋落(ちょうらく) (意味:輝きを失うこと) 「あんなに綺麗だった家も凋落してきた」 色あせる (意味:生き生きとしていないこと) 「そのことについてはもう色あせた思い出となっている」 鈍る (意味:強さや力が弱々しくなること) 「年を取ってだんだん勘が鈍ってくる」 衰萎(すいい) (意味:衰えて弱まること) 「衰萎してボロボロになる」

「昔取った杵柄」の英語

英訳はない

「昔取った杵柄」という意味の英語のことわざはありませんので、英訳を考えるしかありません。

The skills I learned when I was young hasn't got rusty.

若い頃に習得した技術が衰えていない。

「rusty」は「さびついた」という意味の形容詞です。技術や知識などに使うと「衰えている、使い物にならない」という意味になります。

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まとめ

「昔取った杵柄」について理解できたでしょうか? ✔︎「昔取った杵柄」は「むかしとったきねづか」と読む ✔︎「昔取った杵柄」は「過去に鍛えて、未だに衰えずに身についている腕前や技術」を意味 ✔︎「昔取った杵柄だと思う」「昔取った杵柄だと感じる」「昔取った杵柄で」などと使う ✔︎「昔取った杵柄」の類語には、「昔の勘を取り戻す」「年は薬」「亀の甲より年の劫」などがある

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