「お門違い」という言葉をご存知でしょうか。「お門違いもいいところだ」「お門違いも甚だしい」などと聞いたことがあると思います。比較的日常会話でも使うことがある言葉ですが、しっかりと意味を理解しているでしょうか。なんとなく使っている、意味はよく分からないけれど流れでよく使っている、という人も多いかもしれません。また、「お門違い」には「筋違い」「見当違い」「畑違い」などと似た言葉があります。それぞれ似ていますが、意味が異なるのできちんと使い分けする必要があります。そこで今回は「お門違い」の意味や使い方、類語との違いについて解説していきます。「お門違い」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「お門違い」は<おかどちがい>と読みます。 「おもんちがい」とは読まないので注意しましょう。 「お門違い」の意味は「めざす家や人を間違えること。転じて、見当違い」です。 間違った方向をめざすこと・目当てを間違えることを表します。 「お門違い」は「お」+「門違い」で成り立っています。 「お」は「広く事物に冠して、聞き手に対する丁寧の気持ちを表す語」です。「門違い」は「行くべき家を取りちがえること。見当違い」を意味します。
「お門違い」は元々「門(家)を間違える」=「訪問するべき家を間違えること」という意味でした。 「門」は「もん」と読む場合は「出入り口」を、「かど」と読む場合は「出入り口を含んだ建物」を表します。 人を訪ねて、間違えて他人の家の門に入ったところから「お門違い」と言ったそうです。 このように、「家を誤って別の家を訪ねること」を表していましたが、転じて「見当違い」という意味で使うようになりました。
目標や対象を間違えることを表す場合に「お門違い」を使います。 例えば、「プロジェクトの失敗について彼女を非難するのはお門違いである。彼女はプロジェクトの計画や実行には一切関わっていない」などと言います。 他にも、無茶な要求や理不尽なお願いをしてくる人に対して、『それはお門違いだよ』などと言うことができます。 このように、「お門違い」は全く関係ない人やものごとに迫る場合に使うのが適します。 言い回しとしては、
などとなります。 よく使う表現としては、「お門違いもいいところ」「お門違いも甚だしい」となります。 「お門違いもいいところ」は「間違いにも程がある」、「お門違いも甚だしい」は「間違いの度合いを超えている」という意味です。
例文
「筋違い」の意味は、
です。 「筋」は「物事の条理。道理。その物事につながりのある事柄」を意味します。 「お門違い」は「間違った方向をめざすこと。目当てを間違えること」 「筋違い」は「道理にはずれていること。手続きが違っていること」 このように、「お門違い」と「筋違い」は意味が異なります。 例えば、「私を責めるのはお門違いだ」と言った場合は「責める人は他にいること」を表します。 「私を責めるのは筋違いだ」と言った場合は「責める理由の筋が通っていないこと」を表します。 また、「筋違い」には「ある物に対して斜めの方向に位置する。無理な動きをして筋肉を痛める」という意味も含まれます。 「お門違い」にはこのような意味は含まれないので、注意しましょう。
例文
「見当違い」の意味は「見当を誤ること。見込違い」です。 「見当」は「めあて。大体の方向。見込み。予想」を意味します。 「お門違い」は「間違った方向をめざすこと。目当てを間違えること」 「見当違い」は「推測や判断を誤ること」 「お門違い」と「見当違い」は非常に似ていますが、意味合いが少々異なります。 例えば、「私を恨むのはお門違い」と言った場合は「恨む相手は他にいること」を表します。 「私を恨むのは見当違いだ」と言った場合は「恨む要素はどこにもないこと」を表します。 「お門違い」の方が、「ありえない。論外である」というニュアンスが強いです。 また、「見当違い」には「見当違いなところへ向かう」と使うように、「方向を誤る」という意味も含まれます。 「お門違い」にはこのような意味は含まれません。
例文
「畑違い」の意味は「専門とする分野や方面が違うこと」です。 「畑」は「専門とする領域」を意味します。「畑が違う」「化学畑の出身」などと言いますよね。 「お門違い」は「間違った方向をめざすこと。目当てを間違えること」 「畑違い」は「専門とする領域と違うこと」 このように、「お門違い」と「畑違い」は意味が異なります。 「畑違いの仕事」「畑違いの職につく」などと使います。これは、「ジャンルの違う仕事につく」ということを表します。 例えば、事務の仕事をやっていた人が営業に回る、開発の仕事をしていた人が広報に回る、ことなどを指します。 「お門違い」と「畑違い」はしっかりと使い分けできるようにしましょう。
例文
的外れ (意味:肝要な点を外れていること) 「あなたの非難は的外れだ」 理にかなわない (意味:理屈や道理に合っていない) 「理にかなわない方法だ」 ピント外れ (意味:ピントが外れていること) 「ピント外れな質問だ」 当を得ない (意味:道理にかなっていないこと) 「当を得ない発言である」 不合理 (意味:道理に合わないこと) 「不合理を改める」 不条理 (意味:道理に反すること) 「不条理な言い分だ」 はき違い (意味:意味を取りちがえること) 「自由とわがままをはき違える」 勘違い (意味:間違って思い込むこと) 「彼女は勘違いしている」 辻褄が合わない (意味:細かい点に食い違いがあって、筋道が通らないこと) 「話の辻褄が合っていない」 矛盾 (意味:事の前後のととのわないこと) 「前後が矛盾した発言だ」 行き違い (意味:意志がうまく通じなくて、食い違うこと) 「計画に行き違いが生じる」 齟齬<そご> (意味:食い違うこと。行き違い) 「齟齬をきたす」
「お門違い」にとても似ている英語の慣用句には、 bark up the wrong tree というものがあります。 「bark up the wrong tree」は、「提案や要求をしている際に、無益な行為を試みたり、続行したりする」という意味になります。 例文です。
When I applied to Stanford University with my grades, I was totally barking up the wrong tree.
自分の成績でスタンフォード大学に入学希望を出していたのは、完全にお門違いだった。
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「お門違い」について理解できたでしょうか? ✔︎「お門違い」は「おかどちがい」と読む ✔︎「お門違い」は「間違った方向をめざすこと。目当てを間違えること」を意味 ✔︎「お門違いもいいところ」「お門違いも甚だしい」などと使う ✔︎「お門違い」の類語には、「的外れ」「当を得ない」「勘違い」などがある