「箸にも棒にもかからない(はしにもぼうにもかからない)」の意味は「ひどすぎてどうにもならない」です。小さな箸を使っても、それより大きな棒でも拾い上げることができない、というのが由来です。物事と人どちらにも使え、ビジネスシーンなら人の能力や企画書の良し悪しに対して使います。
「箸にも棒にもかからない」の読み方は「はしにもぼうにもかからない」です。 「箸」は訓読みで「はし」、「棒」は音読みで「ぼう」と読みます。 「かからない」を漢字で表記して「箸にも棒にも掛からない」とすることもできます。 ただし、「かからない」は平仮名で表記するのが一般的です。
「箸にも棒にもかからない」の意味は「ひどすぎてどうにもならない」です。 ものごとの有り様があまりにもひどすぎて手を付けられず、「どうしようもない」ということを言い表します。 現代では「良いところが一つもない」「取り柄がない」という意味で使用されることもあります。 「箸にも棒にもかからぬ」は「箸にも棒にもかからない」の文語表現です。
「箸にも棒にもかからない」は「小さな箸でも大きな棒でも拾い上げることができない」ということが語源です。 「小さな箸でも大きな棒でも拾い上げることができない」ということは、どんな道具を使っても拾い上げることができないということです。 そこから、「どうすることもできない」という状態を「箸にも棒にもかからない」ということにたとえて言い表すようになりました。
「箸にも棒にもかからない」の同義語に「縄(なわ)にも葛(かずら)にもかからない」ともいいます。 「縄にも葛にもかからない」は「なわにもかずらにもかからない」と読みます。 「縄にも葛にもかからない」も、「どうにもならない」という状態を言い表す言葉です。 どうにもならなず、処置に困っている様子を「縄のようなものであっても、つたのようなものでも縛ることができない様子」にたとえています。
「箸にも棒にもかからない」は、物事に対して具体的な処置の仕方がないという意味でも使えますし、男女や人生などに対して漠然と「あまりにひどい」と非難する時にも使えます。 「箸にも棒にもかからない○○だ」という形で使用されます。 例えば、仕事もせずに遊んでばかりで借金を作っているというようなどうしようもない人を指して「箸にも棒にも掛からない人だ」ということも可能です。
例文
職場なら、
などに対して使うことができます。 例えば、何度指導しても成長することのない能力の低い社員に対して使用したり、期待はずれでどうしようもない企画書に対して「箸にも棒にも掛からない」といいます。
例文
「箸にも棒にもかからない」は「ひどすぎてどうにもならない」ということを言い表す言葉です。 相手に対して最低の評価を与えているのと同じなので、目上の人に対して使用するのは失礼にあたります。絶対に使わないようにしましょう。 目上の人相手ではなくても、相手を傷つけたりトラブルを招く可能性があるので特定の人を指して直接「箸にも棒にもかからない」というのは避けたほうが良いです。
「箸にも棒にもかからない」は、「どうにもならない」という状態を言い表す言葉ですが「一向に手がかりが見いだせない」という意味で使うことはできません。 例えば、「失踪した母親の行方を追っているが、箸にも棒にもかからない」というのは誤用です。 「手がかりが見いだせない」という意味ならば「糸口がつかめない」などが適しています。
「手が付けられない」の意味は「施すべき手段・方法がない」です。 処置の施しようがなくどうしようもないということを言い表します。 この場合の「手」は「物事の行うための手段・方法」という意味です。 「手に付かない」は別の意味なので注意しましょう。 「手に付かない」は、「他のことが気になって集中することができない」という意味です。
「煮ても焼いても食えない」は「にてもやいてもくえない」と読みます。 「煮ても焼いても食えない」の意味は「どうにも手に負えない」です。 「どうすることもできない」という状態を、どう調理しても食べることができない食べ物にたとえた慣用句です。 「煮ても焼いても食えない」と「箸にも棒にもかからない」は同義です。
「取り柄のない」は「とりえのない」と読みます。 「取り柄」の意味は「とりたててすぐれたところ」です。 「取り柄」に打ち消しの「ない」を続けているので、「取り柄のない」は「すぐれたところがない」という意味になります。 「良いところが一つもない」という意味で使用する「箸にも棒にも掛からない」と同義です。
「取るに足りない」は「とるにたらない」と読みます。 「取るに足らない」の意味は「価値がない」「重要ではない」です。 例えば「山田さんは取るに足りない存在だ」という使い方をします。 人に対してだけではなく考え方、行動に対して使用することが可能です。
「箸にも棒にも掛からない」の対義語は作品に対してなら「傑作」「神品」などです。 「傑作」は「けっさく」と読みます。 「傑作」の意味は「できばえが非常にすぐれていること」です。 「神品」は「しんぴん」と読みます。 「神品」の意味は「人間が作ったとは思えないようなすぐれた作品」です。 「箸にも棒にもかからない」は、どうしようもなくひどい出来であることを言い表す言葉なので、「傑作」「神品」は対義語になります。 人に対してなら「有能」「優秀」などです。 「有能」は「ゆうのう」と読みます。 「有能」の意味は「才能があること」です。 能力が優れていることを言い表します。 「優秀」は「ゆうしゅう」と読みます。 「優秀」の意味は「ひときわすぐれていること」です。 他のどのものと比べてみても、すぐれていることを言い表します。
「good-for-nothing」は人に対して使い、「ダラダラしていて役に立たない」「穀潰し。すねかじり」という意味で使います。
He is good-for-nothing and should get a job.
彼は箸にも棒にもかからない奴だが、早く仕事を見つけるべきだ。
「箸にも棒にもかからない」は「will never(絶対に〜ない)」を使って表現することも可能です。
Your proposal will never get approved.
君の企画は箸にも棒にもかからない。(絶対に通らない)
「箸にも棒にもかからない(はしにもぼうにもかからない)」の意味は「ひどすぎてどうにもならない」です。 ものごとの有り様があまりにもひどすぎて手を付けらず、「どうしようもない」ということを言い表します。 現代では「良いところが一つもない」「取り柄がない」という意味で使用されることもあります。