「囃し立てる(はやしたてる)」の意味は「盛んにはやすこと」です。「はやす」とは「声を出して歌曲の調子をとる」ということで、転じて「(はやすことで)雰囲気を高める」という意味を持ちます。多くはバカにする・からかるとネガティブな意味で使います。類語は「野次る」「茶化す」など。
「囃し立てる」の読み方は「はやしたてる」です。 「囃」は訓読みで「はやし」、「立」は訓読みで「たつ」と読みます。 ただし、「囃」は常用漢字ではないため、「はやし立てる」と書くことが多いです。 常用外漢字とは「常用漢字表」に載っていない漢字のことで、新聞や公的文書では平仮名で表記されます。
「囃し立てる」の意味は「盛んにはやすこと」です。 「はやす」とは「声を出して歌曲の調子をとる」ということを意味します。 そこから転じて「(はやすことで)雰囲気を高める」という意味を持ちます。 音を出して雰囲気を高める理由には、相手をひやかす場合と、相手を褒める場合の2つがあります。 後者のようにポジティブに使うのは稀です。
「囃し立てる」の語源は歌舞伎や能などの伝統芸能にあります。 歌舞伎や能楽では、演技の拍子をとったり気分を盛り上げるために三味線や横笛などを用いて演奏をすることを「囃す(はやす)」といっていました。 この能楽や歌舞伎で使われていた「囃す」が語源で、盛んに声を出したりして雰囲気を高めるという意味で使われるようになったといわれています。 伝統芸能が語源の言葉には、「囃し立てる」の他にも「太鼓持ち」もあります。 「太鼓持ち」は、芸などを見せて座を盛り上げたり、芸者と客の仲をとりもつことを職業にしていた男性を指す言葉で、そこから人にこびへつらって気に入られようとする人の喩えとして使用されるようになりました。
「囃し立てる」は「褒めて雰囲気を高める」というポジティブな意味で使用されることもありますが、ほとんどは「バカにする」「からかう」とネガティブな意味で使用されます。 例えば、ミスをしてしまった人に対して心無い言葉を投げかけたり、茶化すことを言い表すときに使用します。 「囃し立てる人」というように、人物を指して使用することもできます。 よく使われる言い回しに「物見高く囃し立てる人」があります。 「物見高く」は「なんでも珍しがって」という意味があり、「物見高く囃し立てる人」で「なんでも珍しがって面白半分に冷やかしたり、からかう人」という意味になります。
例文
恋愛においては、「お似合いなんだから付き合っちゃえよ〜」などと煽るようなことを「囃し立てる」といいます。 本人たちの気持ちを無視して、周りが勝手に盛り上がって余計なことを言ったりすることなので、この場合の「囃し立てる」もネガティブな意味になります。
例文
「囃し立てる」をネガティブな意味で使う場合の類語は「野次る」「茶化す」「嘲る」です。 「野次る」は「やじる」と読みます。 「野次る」は「やじ」を活用させた語で、「他人の言動に対して大声でからかいや非難の言葉を浴びせること」という意味です。 「野次る」は当て字で、「彌次る」とも書きます。 「茶化す」は「ちゃかす」と読みます。 「茶化す」の意味は「からかう。ひやかす」です。 人の話をまじめに受け取らず、冗談のようにしてしまうことをいいます。 「嘲る」は「あざける」と読みます。 「嘲る」の意味は「言葉に出したり笑ったりして、人をバカにすること」です。 面と向かって、軽蔑する言動や態度を見せることをいいます。
「囃し立てる」をポジティブな意味で使う場合の類語は「ほめそやす」です。 「ほめそやす」の意味は「しきりにほめる。ほめたてる」です。 「そやす」は、「おだてる」という意味です。 みんなで盛んに褒めることを言い表します。
「盛り下げる」は「もりさげる」と読みます。 「盛り下げる」の意味は「気持ちや勢いを削ぐこと」です。 その場の盛り上がっている空気などを悪くしてしまうことをいいます。 「囃し立てる」は「はやすことで空気を高めること」なので、「盛り下げる」は対義語になります。
「しらけさせる」は、動詞「しらける」の未然形に使役の助動詞「させる」をつけた言葉です 「しらけさせる」の意味は「よい雰囲気を台無しにすること」です。 盛り上がっていた雰囲気をよそよそしくしてしまうことをいいます。
「囃し立てる」の英語は「jeer」があります。 「jeer」は「〜に野次を飛ばす」という意味です。
The audience jeered the speaker.
聴衆はスピーカーを囃し立てた。
単に「バカにする」という意味の英語は「make fun of」「mock」があります。
I was made fun of, and lost my motivation.
私は囃し立てられ、やる気を失った。
「囃し立てる」の意味は「盛んにはやすこと」です。 「(はやすことで)雰囲気を高める」という意味を持ち、雰囲気を高める理由には、相手をバカにしている場合と、相手を褒める場合の2つがあります。 多くは「バカにする」「からかう」というネガティブな意味で使用されます。