「優に超える」とは「十分に上回る」「余裕を持って超えている」ことを意味します。「優に」は副詞で、「数量や程度、範囲が一定に達して、十分に余裕があるさま」を表します。「有に」「裕に」と誤記されることが多いので注意です。
「優に超える」の読み方は「ゆうにこえる」です。 「優に超える」の意味は「十分に上回る」です。 数量や程度などがある一定を満たし、さらに余裕を持って超えていることを表します。 「優に」は「十分に余裕のあるさま」「ゆとりのあるさま」を表します。 「超える」と組み合わせず、単体で用いられることも多いです。
「優に」は「十分に余裕があるさま」という意味なので、「裕に」と書き間違える場合が多いので注意しましょう。 「ゆう」の最も一般的な漢字「有」を使い「有に」としてしまう方も多くいます。 また「悠に」「勇に」なども誤用です。 正しくは「優れている」の「優に」ですので覚えておきましょう。
「優に」という表現は古語では存在しません。 「優」を古語では形容動詞「優なり」があり、「すぐれていて立派だ」という意味です。 「上品だ、優雅だ」という意味も持ちます。 ちなみに古語では「いうなり」と読みます。
「優に超える」は一般的に「優に100を超える」などと数字と一緒によく使います。 この場合は、「100を余裕で上回る」という意味になり、100よりも大きいことや多いことを表します。 他にも「優に100人を超える」「優に100個は超える」「優に100メートルを超える」など、数字だけじゃなく助数詞などがついた数値にも使います。 また「100を優に超える」といった使い方もします。
例文
また「優に超える」は数値だけでなく抽象的な物事に対しても使うことができます。 例えば「出来を優に超える」「条件を優に超える」「能力を優に超える」などと使います。 また「昨年度を優に超える出来栄え」「B社は、A社を優に超える実力」といった使い方もします。 どれも、何か他と比較をして「優れている」「立派である」ことを表します。
例文
二者のうち一方を「優に超える」と評価した場合は、もう一方に対してかなり失礼であることになります。 「優に超える」とは、単に優れいてるというだけではなく「余裕で上回っている」といった意味になるので、優に超えられてしまった方は圧倒的にレベルが低い、劣っているということになってしまいます。 特に人同士や会社同士を比べた場合、優に超えられてしまった側を蔑んでいることになってしまいます。 ただ優れている方を褒めたかっただけだとしても、「優に超える」だと「二者に相当差がある」「比べ物にならない」といったニュアンスにも捉えられてしまうことがあるので注意しましょう。 誰かを褒めたい場合は、対象となる相手を特定するのではなく「他の人」や「他社」など誰か分からないようにする方が無難でしょう。
「優に」は「優に超える」だけでなく、「優に入れる」など物理的に余裕があることに対しても使われています。 「うちの部屋、5人なら優に入れる」などと使います。 他にも「優に収納できる」「優に乗れる」「優に運べる」などと使うことが出来ます。 「優に想像できる」は少し不自然な日本語です。 「優に〜できる」の場合は物理的なことに使うのが一般的です。
例文
「優に」の類語には
などがあります。 「軽く」は「重さや程度が軽いことを表す言葉」ですが、「簡単にできる、容易である」といった意味があります。 そのため「軽く超える」とした場合「簡単に超える」「超えるのは容易である」ことを指します。 「少なからず超える」であれば「かなり超える」、「少なくとも超える」の場合は「(数値が)最低だったとしても超える」といった意味になります。
「超える」の類語には
などがあります。 「上回る」の意味は「基準数量を超える、予定よりも多くなる」です。 「予想をはるかに上回る」「先週を上回る集客」などと使います。 「優れる」「勝る」「秀でる」は「能力や技術などが他よりも立派であるさま」を表します。 「優れる」は容姿や価値など広範囲で用いられます。 「抜きん出る」は「人並み外れですぐれいてる、ずば抜けている」です。 周囲と比べて1人だけ際立っていることを表します。
「ざっとは下らない」は「優に超える」の類語ではありません。 「ざっと」の意味は「おおよそ」「ひととおり」です。 「ざっと100は下らない」の意味は「おおよそ100より下回らない」となります。 要するに「およそ100は超えている」ということになります。 「優に超える」は「十分に上回る」ということであるため、意味は異なります。
「優」の反対語は「劣」です。 「優劣」という言葉があるように「優れている」の反対は「劣っている(おとっている)」となります。 ただ「劣に」という言葉はありません。 「優に超える」の反対の意味として「劣」を使う場合は「とても劣っている」となります。
例文
「十分に」「余裕があるさま」の部分を反対の意味にすると「やや」「少し」となります。 そのため「やや超える」「少しだけ上回る」は「優に超える」の対義語となります。 「100をやや超える」「少しだけ100を上回る」などと使います。
例文
「超える」という部分さえも反対の意味にした場合は「全く超えない」「大きく下回る」となります。 「全く超えない」ということは、ある数値に一切到達していないことを表します。 また「大きく下回る」ということは、超えるどころか基準よりも割っていることになります。 「100を全く超えない」「大きく100を下回る」などと使います。 数値だけでなく、能力や技術に対しても使われます。
例文
「優に超える」の英語は「well over」になります。 この「well」は「よい」ではなく「十分に」という意味です。
There were well over three hundred people in the park.
公園には優に300人を越える人がいた。
「easily」で「優に超える」を表すことも可能です。
This dome can easily seat fifty thousand people.
このドームの収容人数は優に5万人を越える。
「いっぱい」を意味する「full」では「優に」を表すことができます。 数字の前に「full」を付けて強調します。 「full」の代わりに「good」を使うこともできます。 この「good」は「よい」という意味ではなく「十分に」という意味です。
It will take a full two hours.
優に2時間はかかるだろう。
いかがだったでしょうか? 「優に超える」について理解できたでしょうか? ✔読み方は「ゆうにこえる」 ✔意味は「十分に上回る」 ✔「優に100を超える」などと数字と一緒によく使う ✔数えられない抽象的な物事に対しても使う