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「如実」の意味と使い方、類語「顕著・忠実」との違い、英語表現

「如実」という言葉をご存知でしょうか。「如実に物語る」「如実に語る」などと、なんとなく聞いたことがあるという方が多いかと思います。では、「如実」とは一体どのような意味なのでしょうか。「如」という漢字が使われているから、何か仏教に関する言葉なのか、どのような場面で使うのか、いろいろと疑問を抱きますよね。「如実」を正しく使うためには、意味をしっかりと覚えておく必要があります。そこで今回は「如実」の意味や使い方、「顕著・忠実」の違い、類語について解説していきます。「如実」を適切に知って、上手く使えるようにしましょう!

「如実」の読み方と意味

「如実」の読み方

「如実」は<にょじつ>と読みます。 「じょじつ」とは読まないので注意しましょう。 「如」は音読みで「ジョ・ニョ」、訓読みで「ごとし・しく・もし」と読みます。 「実」は音読みで「ジツ」、訓読みで「み・みのる・まこと」と読みます。

「如実」の一般的な意味

「如実」の意味は「現実のままであること。実際の通りであること」です。 事実そのままであること・ありのままであることを表します。 「如」は「そのとおり。そのまま。〜のごとく」、「実」は「そらごとでない。本当。本当の事柄」を意味します。 この二つの言葉を組み合わせることによって、「偽りではなくそのまま。本当にその通り」ということになります。

「如実」は元々は仏教用語で「真如(しんにょ)」と同義

仏教においての「如実」は「真実の通りであること。真如のままであること」を意味します。 教えの事実や道理にかなっていることを表します。 「真如」とは「一切存在の真実のすがた。この世界の普遍的な真理。あるがままにあること」を意味します。 「真」は「真実」、「如」は「如常」を意味していて、存在の究極的な姿としての真理そのものを言っています。 元々「如実」は「ありのままの姿」という意味でしたが、転じて「現実のままであること」という意味で使われるようになりました。

「如実」の使い方と例文

「如実」は主に「如実に」という形で副詞的に用います。「さながら。そのままに」という意味です。 物事が事実の通りであること、ありのままであることを表す場合に「如実」を使います。 例えば、「この映画は当時の戦争の状況を如実に描いている」「しっかり勉強した成果が、試験の結果に如実に現れる」などと言います。これは「ありのままを描いている」「そのままはっきりと出る」という意味です。 言い回しとしては、

  • 如実に
  • 如実に現れる
  • 如実に表す
  • 如実にわかる
  • 如実に語る
  • 如実に伝える
  • 如実に示す
  • 如実に物語る
  • 如実に感じられる

などとなります。

例文

  • 災害の悲惨さを如実に物語っている本を読む。
  • この絵画は当時の人々の貧困さが如実に描かれている。
  • 大火傷を負った彼の顔は、火事の過酷さを如実に物語っている。
  • 彼女の努力が、しっかりと今回の結果に如実に反映した。
  • このデータを見れば、当時の人がどれほど苦労していたかが如実にわかる。
  • 3世紀後半から7世紀頃の歴史を、如実に表している建造物を見に行く。
  • 本の中の言葉遣いや表現方法には、著者の思いが如実に感じられる。
  • カレーライスなどといったシンプルな料理が、作る人の腕前を如実に表す。
  • 運転が上手いか下手かどうかは、駐車がスムーズにできるかに如実に現れる。

「如実」と「顕著」の違い

「顕著」は<けんちょ>と読みます。 「顕著」の意味は「いちじるしいこと。きわだって目につくこと」です。 他と比べても区別がはっきりしていて目立っているさま・誰が見ても明らかである様子を表します。 「如実」は「現実のままであること。ありのままであること」 「顕著」は「きわだっていて目につくこと。いちじるしいこと」 このように、「如実」と「顕著」の意味を混同している人が多くいますが、実は意味が異なります。 例えば、「如実に現れる」だったら「現実の様子がそのまま現れる」、「顕著に現れる」だったら「誰が見ても明らかに現れる」という意味になります。 どちらも「如実に現れる」「顕著に現れる」と使うので混同されがちですが、しっかりと使い分けるようにしましょう。

例文

  • 食生活を見直したため、体型や体調に顕著な改善が見られた。
  • 英会話教室に通いはじめ、語学力の向上は顕著である。
  • 彼女の優秀さについては、学生の頃から顕著であった。

「顕著」の意味と使い方は?「顕著にあらわれる」とは?「如実」の違いも

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「如実」と「忠実」の違い

「忠実」は<ちゅうじつ>と読みます。 「忠実」の意味は、

  • まごころを尽くしてよくつとめること
  • 実際の通りに正確に行うこと

です。 「如実」は「現実のままであること。ありのままであること」 「忠実」は「少しの誤りや偽りをすることなく正確に伝えること。 真心をもって仕えること」 このように、「如実」と「忠実」は少々意味合いが異なります。 どちらも「そのままである」という意味ですが、「忠実」には「その事を誰かに伝える・示す」というニュアンスが含まれます。 ですので、誰かにその思いを伝えたいという場合は「忠実」を使うのが良いでしょう。 また、「忠実」は「真心をもってつとめること」という意味でも使います。「如実」にはこの意味はありません。

例文

  • 犬は人間に対して忠実である。
  • 真相に最も忠実な小説を書き上げる。
  • 昔の町並みを忠実に再現した模型を完成させる。

「如実」の類語

そのまま (意味:状態に変化のないこと。あるがまま) 「君の言ったことそっくりそのまま返すよ」 明瞭 (意味:あきらかであること。はっきりとしていること) 「なんとか意識は明瞭だ」 明白 (意味:あきらかで疑う余地のないこと) 「明白な間違いを起こしている」 明らか (意味:物事がはっきりとしているさま) 「これは紛れもなく明らかな事実だ」 あるがまま (意味:今ある形のまま。ありのまま) 「私はあるがまま生きていく」 包み隠さず (意味:秘密にして人に知らせないようにするのではなく) 「真相を包み隠さず打ち明ける」 まざまざ (意味:ありありと目の前に見えるさま。また、そのように思い浮かべるさま) 「まざまざと何が起こったのかを思い出してきた」 見え見え (意味:本人の隠そうとしている魂胆や意図などが他人にはっきりと分かってしまうこと) 「見え見えの嘘をついても無駄だよ」 はっきり (意味:物事が確実で明らかであるさま) 「私にはその物体がはっきりと見えた」 雄弁 (意味:ある事実などをはっきりと表していること) 「事実が雄弁と物語っている」

「如実」の四字熟語「如実知見」

「如実知見」は<にょじつちけん>と読みます。 「如実知見」の意味は「真実や真如をそのまま知見すること。すなわち、般若(智慧)のこと」です。 「如実」は「現実のままであること。実際の通りであること」、「知見」は「真理を悟り知る智慧」を意味します。 「如実知見」も仏教用語です。「如実智見」と表記することもできます。 ありのままを見抜くこと・ものごとをありのままに見つめることを表します。 何にもとらわれずに、本質をありのままに見ることによって、起きていることをそのまま受け取ることができます。 「抜苦与楽」の基本が「如実知見」と言われているように、ものごとをそのまま受け入れることによって苦しみは生まれません。

「如実」の英語

「really」「truly」など

「如実に」は英語で、

  • really
  • truly
  • actually
  • vividly
  • realistically

になります。 「実際の通りに」という意味合いに一番近いのは「truly」になります。

This biography truly tells us what kind of person he was.

この伝記は彼がどんな人だったかのかを如実に伝えている。

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まとめ

「如実」について理解できたでしょうか? ✔︎「如実」は「にょじつ」と読む ✔︎「如実」は「現実のままであること。実際の通りであること」を意味 ✔︎「如実に現れる」「如実に語る」「如実に示す」などと使う ✔︎「如実」の類語には、「そのまま」「明らか」「はっきり」などがある

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