「朴念仁」という言葉をご存知でしょうか。何となく字面から、韓国語かなと思ってしまいますが、「朴念仁」はしっかりとした日本語です。しかし、日本語といっても何て読むのか難しいですよね。おまけに、意味や使い方もなかなか想像がつきにくいです。そこで今回は「朴念仁」の意味や使い方、読み方、語源、類語、「鈍感」との違いについて解説していきます。日常会話であまり使う機会がない、普段聞くことが少ない言葉であっても、知っておけばいざというときに正しく使うことができます。「朴念仁」を明確に理解して、言葉の知識を増やしましょう!
「朴念仁」は<ぼくねんじん>と読みます。 「朴」は音読みだと「ボク」、訓読みだと「ほお」「えのき」と読みます。 「朴」は「飾り気がない・素直」を意味します。 「念」は音読みだと「ネン」、訓読みだと「おもう」と読みます。 「念」は「いちずに思いをこめる・思い詰めた考えや気持ち」を意味します。 「仁」は音読みで「ジン」「ニ」「ニン」と読みます。 「仁」は「他者への思いやり・情け」を意味します。 「朴念仁」の意味は「言葉少なく無愛想な人。また、道理のわからない者。わからずや」です。 無口で愛想がない人、頑固で物の道理のわからない人を表します。 また、「朴念仁」には転じて「自身に向けられた(恋愛に関する)好意に気付かない鈍感な人」という意味も含まれます。恋愛に関して、疎い人を表します。
「朴念仁」は「朴」という漢字が含まれていますが、韓国語ではなく”和製漢語”です。 「朴」は「飾り気がない・素直」、「念」は「いちずに思いをこめる・思い詰めた考えや気持ち」、「仁」は「他者への思いやり・情け・人」を表します。 本来は、「朴念仁」は飾り気が無く素朴な考えの人を表していましたが、飾り気の無さから転じて、無愛想な人や道理のわからない人、分からず屋を表す言葉になったのではないかと言われています。
「朴念仁」は無口で愛想のない人、ものわかりの悪い人を表すときに使います。 「周囲を気にしない」「察しが悪い」「はっきり言って鈍い」や、他にも「恋愛に疎い」などと表したい場合に、「朴念仁である」「朴念仁な奴だ!」などと言うことができます。 「朴念仁」は日常会話ではあまり使わず、どちらかというと書き言葉として使うことが多いです。 また、「朴念仁」は主に男性を形容する際に使う言葉で、女性に対しては全くといって良いほどあまり使いません。
例文
「鈍感」は<どんかん>と読みます。 「鈍」は音読みだと「ドン」、訓読みだと「にぶい」「にぶる」と読みます。 「鈍」は「感覚や動作がにぶい」を意味します。 「感」は音読みで「カン」と読みます。 「感」は「外部の物に触れて心が動く。心の動き」を意味します。 「鈍感」の意味は「感じ方や感覚が鈍いこと」です。 感じ方が普通より劣っていて遅いさま、全く感じないさまを表します。 「鈍感」は「感じ方や感覚が鈍いこと」、 「朴念仁」は「自身に向けられた(恋愛に関する)好意に気付かない疎い人」を表します。 「鈍感」は”ありとあらゆることに関して鈍い・疎い”という意味に対して、「朴念仁」は”恋愛に関して疎い”という意味合いになります。 また、「鈍感」は男女に関係なく使えることができます。 ちなみに「鈍感」の反対語は「敏感」になります。 「敏感」の意味は「感覚の鋭敏なこと」「わずかの変化でもすぐに感じること」です。
例文
唐変木<とうへんぼく> (意味:気が利かない人物。偏屈な人物などを罵りあげる語) 「何を訳がわからないことを言っているんだ、唐変木め!」 分からず屋 (意味:物事の道理がわからないこと。わかろうとしないこと) 「分からず屋に手を焼く羽目になる」 きかん坊 (意味:言うことをなかなか聞かない、勝ち気でわんぱくな子。また、そのような性質であるさま) 「きかん坊にも関わらず、意外と泣き虫である」 甘ったれ (意味:ひどく甘えること。また、そのさまや、その人) 「甘ったれな意気地なしである」 頑固 (意味:頑なで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと) 「非常に頑固な親父だ」 意地っ張り (意味:そうと思ったことは、良くても悪くても押し通すこと) 「彼女は意地っ張りでわがままである」 石頭 (意味:融通がきかず、考え方が頑なであること) 「話のわからない石頭である」 無愛想 (意味:愛想のないこと。そっけなくつっけんどんなこと) 「随分と無愛想な人である」 冷徹 (意味:感情に左右されることなく、冷静に物事を見通すこと) 「彼女は大変冷徹である」 無慈悲<むじひ> (意味:思いやりの心がないこと。あわれみの心がないこと) 「願いは無慈悲にも拒絶された」 非情 (意味:人間らしい感情をもたないこと。感情に左右されないこと) 「何とも非情な仕打ちである」 因業<いんごう> (意味:頑固で思いやりのないこと) 「因業なやり方で人を脅す」
素直 (意味:性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま) 「質問に素直に答える」 柔和 (意味:性質や態度が、ものやわらかいこと) 「柔和な眼差しで見つめる」 温和 (意味:性質などが、落ち着いていて、優しく穏やかなこと) 「彼は温和な人柄である」 従順 (意味:性質・態度などが素直で、人に逆らわないこと) 「犬は飼い主に従順である」 温厚 (意味:穏やかで、優しく真面目なさま) 「彼は温厚で優しい」 穏便 (意味:物事をかど立てずおだやかに行うこと) 「物事を穏便に済ます」 物腰柔らか (意味:人に接するときの、言葉遣いや身のこなしが穏やかである) 「先生は非常に物腰の柔らかい人です」 神妙 (意味:態度がおとなしく、素直なこと) 「神妙に文句を聞いている」 穏健 (意味:考え方や言動などが穏やかで、行き過ぎず、しっかりしているさま) 「彼は穏健な考えを持っている」
「朴念仁」に近い英語表現は、
などです。 文脈によっては「boring(つまらない)」や「He doesn't talk much.(あまりしゃべらない)」などの表現でも意味は十分に通じると思います。 例文です。
He is unfriendly to anyone so he has no friend.
彼は朴念仁なので、友達が一人もいない。
He is such a boring guy that he doesn't understand jokes at all.
彼はとても朴念仁な男なので、冗談が全く通じない。
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「朴念仁」について理解できたでしょうか? ✔︎「朴念仁」は<ぼくねんじん>と読む ✔︎「朴念仁」は、「言葉少なく無愛想な人・また、道理のわからない者・わからずや」を意味 ✔︎「朴念仁」は、主に男性を形容する際に使う言葉である ✔︎「朴念仁」の類語には、「分からず屋」「甘ったれ」「頑固」などがある