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「必須」と「必至」の意味の違いと使い分け

「必須(ひっす)」と「必至(ひっし)」は、読み方は似ていますが意味の違う言葉です。「必須」の意味は、どうしても必要なことです。どんな状況や条件のもとでも、それだけは欠かせないと考えられることを表します。「必至」の意味は、必ずそうなることです。この先どうやっても、どうあがいてもそうなることを避けられない状態であることを表します。

「必須」と「必至」の違い

必須(ひっす)
どうしても必要なこと。
必至(ひっし)
必ずそうなること。

「必須(ひっす)」と「必至(ひっし)」は、どちらも「必ず」という意味合いが含まれる言葉ですが、意味や使い方の違う言葉です。 「必須」の意味は、どんな状況や条件のもとでも、それだけは欠かせないと考えられることです。 例えば「応募に必須の条件だ」「健康診断の必須項目」などと使います。 「必至」の意味は、この先どうやっても、どうあがいても必ずそうなるだろうということです。 例えば「抗争が起きることは必至である」「敗北は必至と判断した」などと使います。

「必須」の意味と使い方

「必須」は「ひっす」と読みます。 また、「ひっしゅ」「ひっすう」と読むこともできます。 一般的には「ひっす」と読まれます。 「必須」の意味は「なくてはならないこと」です。 「必」には「からず。きっと。まちがいなく」という意味があります。 「須」には「もちいる。もとめる」という意味があります。 「必須」は、どんな状況や条件のもとでも、それだけは欠かせないと考えられることに対して「〜が必須である」などの形で使うことが多いです。 例えば「働くには、調理師免許が必須である」などと使います。 これは、働くためには必ず調理師免許が必要であるという意味です。 その他にも、「必須○○」のように後ろに「必要なもの」を続けて使うことも多いです。 例えば、

  • 必須事項
  • 必須科目
  • 必須条件

などの言い回しで使われます。 「必須」には、「必要(ひつよう)」「必需(ひつじゅ)」「不可欠(ふかけつ)」などがあります。 「必要」は「なくてはならない」という意味です。 「必須」と言い換えられることも多いですが「必須」のほうが重要度が高いです。 「必需」も「なくてはならない」という意味です。 絶対に必要であることを強調している「必須」に対して「必需」は、「ないと困る」ということを強調する言葉です。 「不可欠」は「それなしでは済まないこと」という意味です。 「必須」と言い換えることが可能です。 「必須」は英語で「must(マスト)」です。

「必須」の例文

  • コンサートに行くなら、ペンライトは必須だ。
  • 社会人になる弟にサリーマンの必須アイテムをプレゼントする。
  • 料理上手であることが僕の彼女になる必須条件です。

「必至」の意味と使い方

「必至」は「ひっし」と読みます。 「必至」の意味は「必ずそうなること。そうなることを避けられないこと」です。 「必」には「かならず。きっと。まちがいなく」という意味です。 「至」には「いたる。とどく。ゆきつく」という意味があります。 「必至」は、この先どうやっても、どうあがいても必ずそうなるだろうということを表します。 例えば、「その会社の倒産は必至である」といった場合は「その会社は必ず倒産する。倒産することを避けることはできない」という意味になります。 言い回しには、

  • そうなることは必至だ
  • ○○は必至だ
  • 必至の情勢
  • 必至の状況
  • 混戦必至
  • 売り切れ必至

などがあります。 「必至」の類語には「必然(ひつぜん)」「不可避(ふかひ)」などがあります。 「必然」の意味はそれ以外にはなりようがないこと、「不可避」の意味は避けようがないことです。 「必至」は話し言葉として使うと「必死」と混同して間違えられやすいので文語として用いることが多いですが、「必然」「不可避」は口語として使われることも多いです。 「必至」の対義語には、「任意(にんい)」「随意(ずいい)」などがあります。 「任意」の意味はその人の意志にまかせること、「随意」の意味は束縛や制限などがなく思いのままであることです。

「必至」の例文

  • メンバーの仲が悪いのでこのグループの解散は必至であるとみている。
  • 大型連休は、あらゆる交通機関が混雑することが必至だ。
  • 赤字必至の覚悟で大安売りをしていた。

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