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「掛ける」「懸ける」「架ける」「賭ける」の意味の違いと使い分けを解説

「掛ける」は「絵をかける」などと何かを壁などに「かける」という意味では「掛ける」、「電柱にひっかける」のようにつるすという意味や、大切なものを失う覚悟で事を行うという意味の「かける」は「懸ける」、勝負などの賭け事という意味では「賭ける」、橋など他方にかけ渡すという意味では「架ける」を使います。「人間関係を築くための架け橋」のように比喩的に使う場合は「懸け橋」と書くこともできます。

「掛ける」「懸ける」「架ける」「賭ける」の違い

掛ける(かける)
止めたりひっかけたりして掲げおくこと。
懸ける(かける)
①つるすこと。 ②失敗したら大切なものを失う覚悟で事を行うこと。
架ける(かける)
一方から他方にかけわたすこと。
賭ける(かける)
金品を出し合い、勝ったほうがそれを受け取る約束で勝負をすること。

「掛ける(かける)」の意味は、止めたりひっかけたりして落下を食い止める状態にすることです。 例えば「フックにカバンを掛ける」「壁に絵を掛かける」などと使います。 転じて、作用や影響を及ばす・装置が動かして機能させる・液状または粉末状のものが身体の一部に浴びせるなどの意味で使うこともできます。 「架ける(かける)」の意味は、、片方から他方へまたぐように渡すことです。 例えば「川をわたるための橋を架ける」などと使います。 「懸ける(かける)」の意味は複数あります。 一つ目は、ぶらさげることです。 例えば「ハンガーを懸ける」「電線にタコが懸かってしまった」などと使います。 二つ目は、失敗したら大切なものを失う覚悟で事を行うことです。 例えば「人生を懸けて挑戦する」などと使います。 「賭ける(かける)」の意味は、金品を出し合い、勝ったほうがそれを受け取る約束で勝負をすることです。 例えば、「賞金を懸けた戦い」「この馬が一等をとるのに1万円賭ける」などと使います。 また、失敗したら大切なものを失う覚悟で事を行うという意味で使うこともできます。 例えば「試合に命を賭ける」などと使います。 この意味の「賭ける」は、「賭ける」と同義です。 「掛ける」が最も意味が広く「かかる」の漢字は、すべて「掛かる」でまかなうことが可能です。 「架かる」は「かけわたす」の意味で使い、「懸ける」は「ぶらさがる」「全てを失う覚悟で物事を行う」の意味で使い、「賭ける」は「お金など何かをかけた勝負をする」という意味で使います。 しかし、「掛ける」の本来の意味と大きく違う「かかる」は、平仮名表記が一般的です。 迷った場合は「掛ける」または平仮名で「かける」と書きましょう。

「掛ける」の意味と使い方

「掛ける」は「かける」と読みます。 「掛ける」の意味は「止めたり、ひっかけたりして掲げ置くこと」です。 「掛」には「かける。かかる。吊り下げる」という意味があります。 「掛ける」は、かけられた状態にすることを意味する語です。 例えば「壁にコルクボードを掛ける」などと使います。 転じて、

  • 重みや重力の作用がそこに及ぶ(全体重を右足に掛ける)
  • 装置が動いて機能が働く(エンジンを掛ける)
  • 縄・ひもなどが物のまわりに渡たす(荷物にロープを掛けて固定する。)
  • 液状または粉末状のものが身体の一部に浴びせり(相手の顔にツバを掛ける)
  • 自分の発した動作や言葉を相手に及ばせる(飲み会に参加しないかと声を掛ける)
  • 迷惑や負担など、好ましくないことを相手にに及ばせる(親に迷惑が掛ける)
  • 時間・費用・労力を使うことが必要になる。特に、義務として税の負担を強いられる(時間が掛かる作業)

などの意味で広く一般的に使われます。 一般的に、止めたりひっかけたりして落下を食い止める状態にするという原義が薄れたものは「かかる」と平仮名で表記されることが多いです。

「掛ける」の例文

  • シワにならないように脱いだ服を掛けておく。
  • 相手の負担が掛からないように考慮する。
  • ボランティアの参加者が少しでも増えるように毎日声掛けをしていた。

「懸ける」の意味と使い方

「懸ける」は「かける」と読みます。 「懸ける」の意味は、

  1. 宙吊りにしてぶらさげる
  2. 相手に同情などの気持ちをむける
  3. 思いが届くように神仏に願う
  4. 失敗したら大切なものを失う覚悟で、一生懸命に事を行う

です。 「懸」には「かける。かかる。つりさげる。ぶらさげる」という意味があります。 「懸」を含んだ熟語には「懸垂(けんすい)」「懸賞(けんしょう)」などがあります。 「懸ける」の一つ目の意味は、ぶらさげるです。 例えば「窓枠にハンガーを懸ける」などと使います。 二つ目の意味は、相手に同情などの気持ちを向けるです。 例えば「貧乏な彼に情けを懸ける」などと使います。 三つ目の意味は、思いが届くように神仏に願うです。 例えば「合格できるように願を懸ける」などと使います。 四つ目の意味は、失敗したら大切なものを失う覚悟で、一生懸命に事を行うです。 例えば、「人生を懸けて起業をする」などと使います。 この意味で使う場合は、「賭ける」と書くこともできます。

「懸ける」の例文

  • あそこに懸けてあるのが、私の作ったバイオリンです。
  • 彼に期待を懸けすぎたことがプレッシャーになってしまった。
  • 父は仕事に命を懸けている。

「架ける」の意味と使い方

「架ける」は「かける」と読みます。 「架」には「かける。かけわたす」という意味があります。 「架」を含んだ熟語には「架橋(かきょう)」「架空(かくう)」などがあります。 「架かる」は、一方から他方にまたがすという意味で使われます。 例えば「橋を架ける」などと使います。 また、とめられたりひっかけられたり掲げられたりして、落下が食い止められた状態にするという意味で使われることもあります。 例えば、「キリスト教を十字架に架ける」などと使います。 この意味で「架ける」を使うのはまれです。

「架ける」の例文

  • この場所に来年橋を架ける計画がある。
  • 古くなると安全面の観点から架け替えている。
  • 部長は部下の前で足を前に置いているイスに架けて横柄な態度をとっている。

「賭ける」の意味と使い方

「賭ける」は「かける」と読みます。 「賭ける」の意味は「金品を出し合い、勝ったほうがそれを受け取る約束で勝負をする」です。 「賭」には「かけをする。かけごと。ばくち」という意味があります。 「賭」を含んだ熟語には「賭博(とばく)」「賭場(とば)」などがあります。 「賭ける」は、勝負事で勝った者が取る約束で金品などを出すことをいいます。 例えば「ゲームにお金を賭ける」などと使います。 また、勝負や当てっこなどでそのほうを選ぶことをいいます。 例えば「Aさんが勝つに賭ける」などと使います。 失敗をしたときは、大切なものを全部失う覚悟で事にあたるという意味で使うこともできます。 例えば「この仕事に命を賭ける」などと使います。 この場合は「懸ける」と書くこともできますが、一般的には「賭ける」が使われます。

「賭ける」の例文

  • わずかでも可能性があるなら私はそれに賭けたいとお思います。
  • 私は彼が勝負に勝つことに3億円賭けたいと思います。
  • お金を賭けるだけの価値もない試合だ。

まとめ

「掛ける」「懸ける」「架ける」「賭ける」は、すべて「かける」と読む異字同訓です。 「掛ける」の意味は、止めたりひっかけたりして掲げおくことです。 「懸ける」の意味は、①つるすこと、②失敗したら大切なものを失う覚悟で事を行うことです。 「架ける」の意味は、一方から他方にかけわたすことです。 「賭ける」の意味は、金品を出し合い、勝ったほうがそれを受け取る約束で勝負をすることです。 例えば、物をフックなどにひっかける場合は「掛ける」を使います。

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