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「食う」と「喰う」の意味の違いと使い分け

「食う(くう)」と「喰う(くう)」は「生命を維持するために、食物を食べること」です。今回は「食う」と「喰う」の意味と違いを紹介します。

「食う」と「喰う」の違い

食う(くう)
生命を維持するために、食物を食べることを表す常用漢字
喰う(くう)
意味は同じ。常用漢字ではない

「食う(くう)」と「喰う(くう)」の意味は、どちらも生命を維持するために食物を食べることです。 「喰う」には味を楽しむなどの意味合いがなく、肉食動物が草食動物をただ生きるために食べ殺すという野性的で残酷なニュアンスが強いです。 「喰う」はより動物的に豪快、なまなましい食べ方を指すので、人間に対してはあまり使われません。 「喰う」はアニメや小説で化け物が人をくう時などに使われます。 「喰う」は常用漢字でないため新聞などでは使用されません。

「食う」の意味と使い方

「食う」は「くう」と読みます。 「食う」の意味は

  1. 生命を維持するために、食物を食べる
  2. 動物が歯を立ててかむ。虫が刺す
  3. 暮らしを立てる。生活をする。食べる
  4. 人の領分を侵す
  5. エネルギーや金などを大量に消費する
  6. 好ましくない行為や作用を身に受ける
  7. かなりの年齢になる
  8. 人をばかにした。こけにした

です。 「食」は「くう。くらう。たべる」という意味です。 一つ目の「生命を維持するために、食物を食べる」という意味では、「食べる」の乱暴な言い方として使用されます。 敬語化することができないため「食べる」に言い換えられることが多いです。 二つ目の「動物が歯を立ててかむ。虫が刺す」という意味では「蚊に食われる」という使い方をします。この意味が元になって「食い付く」「食いしばる」という使い方もされるようになりました。 三つ目の「暮らしを立てる。生活をする。食べる」という意味では、例えば歌手として生計を立てていることを「歌手として食っている」と表すことができます。 四つ目の「人の領分を侵す」という意味では、例えばリーダーという立ち位置を奪うことを「リーダーを食う」と表すことができます。 五つ目の「エネルギーや金などを大量に消費する」という意味では、例えば電池のエネルギーを大量に消費するということをマイナスに評価して「電池を食う」と表すことができます。 六つ目の「好ましくない行為や作用を身に受ける」という意味では、例えば不意打ちに攻撃をされたということを「不意打ちを食う」と表すことができます。 七つ目の「かなりの年齢になる」という意味では、俗語的な言い方で「年だけ食ってしまった」というような使い方できます。 八つ目の「人をばかにした。こけにした」という意味では、「人を食った」の形で使用されます。 例えば、人をバカにした態度を「人を食ったような態度」と表すことができます。

「食べる」の例文

  • 健康に気をつかって三食きちんと食べる。
  • サメに食われて死ぬのは嫌だ。
  • 僕は一生この職業で食っていこうと決めています。
  • 君は脇役なんだから主役を食ってはいけないよ。
  • 随分と燃料を食うのでそろそろ新しい車に買い替えたい。
  • 人身事故が起きて駅で足止めを食ってしまった。
  • 大した業績を残すことなく年だけ食っていく。
  • 弟に食ってかかって痛い目に合わされた。

「喰う」の意味と使い方

「喰う」は「くう」と読みます。 「喰う」の意味は「食う」と同じです。 「喰」は「口で食う」という意味のある国字です。 国字とは、中国ではなく日本で作られた漢字のことをいいます。 肉食動物が草食動物の食べ殺すように、「生きるために物を食べる」ということを強調したいときに使用されることが多いです。 ただし、「喰」は常用漢字ではないので新聞などでは使用されません。

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