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「共存」と「併存」の意味の違いと使い分け

「共存(きょうぞん)」と「併存(へいぞん)」の違いをご存知でしょうか。共通の意味をもつ言葉ですが、違いがあるので使い分ける必要があります。今回は「共存」と「併存」の意味と違い、使い分け方を紹介します。

「共存」と「併存」の違い

共存(きょうぞん・きょうそん)
複数の異なったものがお互いに損なうことなく同じ環境のもとで存在すること
併存(へいぞん・へいそん)
本来同時に存在すべきものではないものが、一定の関係を保ちながら存在すること

「共存(きょうぞん)」と「併存(へいぞん)」は、どちらも二つ以上のものが同時に存在することを表す言葉です。 「共存」は、複数の異なったものがお互いに損なうことなく同じ環境のもとで存在することです。 「人間と肉食動物が共存する」「自然と共存していく」などと使います。 「併存(へいぞん)」は、本来同時に存在すべきものではないものが、一定の関係を保ちながら存在していることです。 例えば「賛成意見と反対意見の併存」「古いものと新しいものの併存」などと使います。 「併存」は単に一緒に存在することを表し、「併存」は本来一緒に存在すべきものでないものが一緒に存在していることを表すという点が違います。

「共存」の意味と使い方

「共存」は「きょうぞん」と読みます。 本来の読み方は「きょうそん」ですが、現代では「きょうぞん」と読まれることが多いです。 「共存」の意味は「複数の異なったものが同じ環境のもとで同時に存在すること」です。 「共」には「ともに、いっしょに」という意味があります。 「存」には「ある。いる」という意味があります。 例えば、草食動物と肉食動物など複数のものが同時に存在したり、ある範囲のなかで敵対することなく生存することを「共存する」「共存している」と表すことができます。 その他の主な言い回しには、

  • 共存を図る
  • 共存させる
  • 共存できる

などがあります。 また、「相反する色が共存する絵画」のように生物以外に対しても使用することができます。 「共存」を使用した四字熟語には「共存共栄(きょうぞんきょうえい)」があります。 「共存共栄」の意味は、「互いに助け合って生存し、共に栄えること」です。 「共存」の対義語は「排他(はいた)」「排斥(はいせき)」です。 「排他」の意味は「自分以外の物をしりぞけること」、「排斥」の意味は「受け入れられないものとしてしりぞけること」です。 「共存」の類語は「併存(へいぞん)」です。 「併存」の意味は「いくつかのものが共に存在すること」です。

「共生」の例文

  • 自然と共生できる町づくりをする。
  • ジンベイザメとコバンザメは共生関係にある。
  • 競合他社との共生を試みる。

「併存」の意味と使い方

「併存」は「へいそん」と読みます。 「へいぞん」と読むこともできます。 「併存」の意味は「二つ以上のものが同時に存在すること」です。 「併」には「ならぶ。ならべる。ならんで」という意味があります。 「存」には「ある。いる」という意味があります。 「並存」と書くこともできますが、「併存」が一般的な表記です。 「併存」は、本来同時に存在すべきものではないものが、一定の関係を保ちながら存在していることを表すときに使用します。 例えば、「古代の文化と現代の文化が併存する」という使い方をします。 その他の言い回しには、

  • 併存させる
  • 併存している
  • 併存した○○

などがあります。 「共存」の対義語になる熟語はありません。 「共存」の類語には「共在(きょうざい)」「両立(りょうりつ)」などがあります。 「共在」の意味は「二つ以上の事物、性質が同時に存在すること」、「両立」の意味は「両方とも成り立つこと」です。

「併存」の例文

  • 古い文化と新しい文化を併存させた町並みを作る。
  • 今回の議題は反対意見と賛成意見が併存している。
  • 3種類の規格が併存する製品を作った。

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