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「惨い」と「酷い」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「惨い(むごい)」と「酷い(むごい)」に意味の違いはありません。どちらも「見るに耐えないほど悲惨であること」「思いやりがないこと」を意味します。どちらも表外読みであるため新聞や公用文では平仮名で表記されます。

「惨い」と「酷い」の違い

惨い(むごい)
①見るに耐えないほど悲惨であること。 ②思いやりがないこと
酷い(むごい)
意味は同じ。

「惨い(むごい)」と「酷い(むごい)」の意味は、どちらも①見るにたえないほど悲惨である、②思いやりがないさまです。 一つ目の意味では、例えば「事故で負った惨い傷」「酷い殺人事件」などと使います。 二つ目の意味では、例えば「子供の扱いが惨い」「酷い仕打ち」などと使います。 ただし、「惨い(むごい)」と「酷い(むごい)」はどちらも表外読み(表外音訓)です。 表外読みとは、常用漢字表にのっていない読み方のことをいいます。 よって「惨い」と「酷い」は、新聞や公的文章では使われません。 新聞や公的文章では一般的に「むごい」と平仮名で表記されます。 「酷い」は、「ひどい」と読むこともできます。 「ひどい」と読むと意味が変わります。 「酷い(ひどい)」の意味は、①非情で道義に外れるさま、②程度がはなはだしいさまです。 一つ目の意味では「政治家とは思えない酷い発言」など使います。 二つ目の意味では「子供の咳が酷いので病院につれていく」などと使います。 悪い意味で使われることがほとんどですが、「酷く嬉しそうにしている」などと良い意味で使われることもあります。

「惨い」の意味と使い方

「惨い」は「むごい」と読みます。 「惨い」の意味は、

  1. 見るにたえないほど悲惨である
  2. 思いやりがないさま。無慈悲

です。 「惨」には「みじめ。いたむ。いたましい」という意味があります。 「惨」を含む熟語には「惨敗(ざんぱい)」「惨忍(ざんにん)」などがあります。 「惨い」は、あまりにもひどい仕打ちや出来事に接して当人自身が堪えがたい思いをしたり、そばにいる人が怒りを感じたり、まともに見ることができない様子を表す語です。 例えば「災害現場の惨い状況」などと使います。 これは、災害が起きて見るに堪えない悲惨な状況になっていることを意味します。 また、「惨い言葉を投げかける」などと使います。 これは、相手に対して思いやりのない無慈悲な言葉を投げかけることを意味します。

「惨い」の例文

  • 彼女の置かれた状況は想像以上に惨いものだった。
  • こんなに惨いことをする人が同じ人間だなんて信じられない。
  • 未練を残さないためにも、惨い振り方をすることを選んだ。

「酷い」の意味と使い方

「酷い」は「むごい」と読みます。 「酷い」の意味は「惨い」と同じです。 「酷」には「てきびしい。ひどい」という意味があります。 「酷」を含んだ熟語には「酷評(こくひょう)」「残酷(ざんこく)」などがあります。 「酷い」は「ひどい」と読むこともできます。 「酷い」は「非道(ひどう)」を形容詞化したものです。 「酷い(ひどい)」の一つ目の意味は「非情で道義にずれるさま」です。 例えば「部長は部下を奴隷のように扱っていて酷い」などと使います。 これは、部長の部下の扱いが非情で道義にはずれていることを意味しています。 二つ目の意味は「程度がはなはだしい」です。 例えば「酷い頭痛」などと使います。 多くは、悪い意味で使いますが「酷くおもしろがった」というように良い意味で使うこともあります。 三つ目の意味は「ものの状態や出来などがはなはだしく悪い」です。 例えば「彼は酷い環境で育てられた」などと使います。 これは、はなはだしく悪い環境の中で育ったことを意味しています。

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