「願わくは」は、「願わくは〜をしたい」など自分の強い願望を伝えるときに使用される言葉です。「願わくば」なのか「願わくは」なのか迷ったことがあるという人は多いのではないでしょうか。
「願わくは」は「ねがふ」のク語法に助詞「は」が付いたものです。 ク語法とは、活用語の語尾に「く」がついて全体が名詞化される語法のことです。 例えば、「言はく」「恐らく」などもク語法の言葉です。 「願わくは」は「願うことは。できることならどうか」という意味です。 そうなってほしいと切実に願う気持ちを表します。 江戸時代頃から、語源意識が消失し、助詞「は」を濁らせて「願わくば」と言われるようになり、現在では誤用している人の方が多いです。 「ば」は接続助詞で仮定・条件を表すため、「願うことができるのなら」というニュアンスで勘違いしている人が多いですが、元々は助詞「は」であるため、仮定・条件を表しているわけではありません。 「願わくば」の漢字は「希くば」とする場合もあります。 「希」は訓読みで「まれ・こいねがう」と読みますが、常用外漢字であるため「願わくば」と表記されるのが一般的です。
「願わくは」は、「願わくは〜をしたい」など自分の強い願望を伝えるときに使用される言葉です。 「願わくは」は主に命令文で使用されます。 「どうか」の堅い表現だと認識すると分かりやすいです。 多く「〜んことを」「たまえ」など古めかしい表現と併用されます。 「願わくは」は、かなり古風な表現なので、日常生活でもビジネスシーンでもあまり使用されません。 主に、時代劇や小説、アニメなどで見聞きされます。
例文
「どうか」は「心の底から強く願っている様子」を意味します。 何かを心から強くお願いしたり、物事を頼むという場合に「どうか」を使います。 「どうか」は日常会話で使ったり、親しい相手に対して使う表現となります。 ビジネスシーンではよりかしこまった表現で使用されることが多いです。
「なんとか」は「色々と手を尽くして、あれこれとすること」を意味します。 「なんとか頼む」「なんとかする」「なんとか終わらせる」というように、相手に依頼する場合に「なんとかお願いいたします」といったように使われます。 「そこをなんとか」は「難しいとは思っているが、色々方法を尽くしてお願いします」という意味です。 相手に無茶なお願いをする場合に使うことが多い言葉だといえます。 ただし、「なんとか」はカジュアル印象があるので、目上の人に使用する場合やビジネスシーンで使用するには適しません。
「まげて」は、「無理でも」「是が非でも」という意味です。 「まげて」とは、「道理を曲げて」という意味で「どうしても」と相手になにかを懇願するときに使用する言葉です。 自然な道理に従うと実現しがたい望みを道理に逆らってでも実現させてほしいと強く訴えるときに、例えば、「まげてお願いします」などと使います。
「何卒」は「なにとぞ」と読みます。 「何卒」は「どうぞ」の堅い表現です。 「期待する」ニュアンスが含まれていて、相手に何かを強くお願いする場合に用いる表現となります。 「何卒よろしくお願いいたします」は「どうぞよろしくお願いいたします」という意味で、強くお願いする気持ちを伝えることができます。 「何卒」はビジネスメールや手紙などの書き言葉で使われることが多い表現で、話し言葉として使うと、相手に大げさな印象を与えてしまうので注意しましょう。
「是非」は強調を表す語です。 事情がどうあろうとも、あることを実現しよう、実現したいという強い意志や要望を表します。 親しい間柄の相手の場合は「是非」を使えます。 改まった場面以外で「何卒」を使ってしまうと、相手に大げさな印象を与えてしまうので、代わりに「是非」を使うことができます。目上の人に対しても使えます。 「是非とも」も「是非」と同様に、自分の意志や意向を伝える場合や、相手に何かをお願いする場合に使います。
「願わくは」の英語は「hopefully」です。 動詞「hope」の形容詞「hopeful」を副詞化したものです。 動詞「hope」を使うことも可能です。
Hopefully, I will live in Hawaii next year.
願わくは、来年はハワイに住めますように。
人の幸せなどをお祈りするときは「wish」を使います。
I wish you happiness.
願わくは君に幸多からんことを。