「残す」と「遺す」はどちらも、「のこす」と読む同音異義語です。「残す」の意味は、全体のうち一部に手をつけないでそのままにしておくことです。「遺す」の意味は、人や物をあとに置いたまま死ぬ、また、財産や名声などを後世に伝えるです。例えば、「食事をのこす」であれば「残す」を使います。
「残す(のこす)」の意味は、全体のうちの一部に手をつけないでそのままにしておくことです。 例えば「ご飯を残す」「仕事を残す」などと使います。 転じて、人や物をある場所にとどめておくことや、とどめたまま去るという意味もあります。 例えば「故郷に家族を残す」「部下を残して帰宅する」などと使います。 「遺す(のこす)」の意味は、①人や物をあとに置いたまま遠くへ去る②失わないで、そのままにとどめるです。 一つ目の意味では、特に人や物を置いて亡くなることを表すことが多いです。 例えば「財産を遺す」「遺書を遺す」などと使います。 二つ目の意味では、例えば「江戸時代の面影を遺す」などと使います。 「残す」は全てを消費せずにその一部をそのままにしておくことを表し、「遺す」は財産などを置いて死ぬことや、名声などを後世に伝えるためにそのままにすることを表すという違いがあります。 ただし、「遺す」は表外読み(表外音訓)であるため新聞や公用文では使用されません。 新聞や公用文では「残す」または「のこす」と表記されます。
「残す」は「のこす」と読みます。 「残す」の意味は、
です。 「残」には「のこる。のこり。あまり」という意味があります。 「残」を含む熟語には「名残(なごり)」「残額(ざんがく)」などがあります。 一つ目の「全体のうちの一部に手をつけないでそのままにしておく」という意味では、例えば「ケーキの半分を残しておく」などと使います。 これは、ケーキの半分には手をつけづにそのままにしておくことを意味しています。 二つ目の「人や物をある場所にとどめておく。置いたまま遠くへ去る」という意味では、例えば「家に子供を残して出かける」などと使います。 これは、子供を家にとどめている状態で自分は家から離れることを意味しています。 三つ目の「失わないで、そのままにとどめる」という意味では、例えば「家族のために財産を残す」などと使います。 これは、家族のために財産を残るようにすることを意味しています。 この場合は「遺す」を使うことが多いです。 転じて、結果として生じた問題などをそのままの状態にするという意味でも使われます。 例えば「多くの不安を残したまま旅行に出る」などと使います。 四つ目の「決められた期間や距離があとわずかしか余っていないこと」という意味では、「〜…まで残すところ○○」などの形で使うことが多いです。 例えば、「年明けまで残すところあと5時間」などと使います。 これは、年が開けるまであと5時間しか余っていないという意味です。
「残す」の例文
「遺す」は「のこす」と読みます。 「遺す」の意味は、
です。 「遺」には「のこす。のこる」という意味があります。 「遺」を含んだ熟語には「遺影(いえい)」「遺産(いさん)」などがあります。 「遺す」は、人や物をあとに置いたまま遠くへ去ることで、特に人や物を残して死ぬという意味で使われることが多いです。 例えば、「資産を遺して死ぬ」などと使います。 また、失わないでそのまま保持をするという意味で使うこともできます。 例えば「世界遺産を来世まで遺す」などと使います。 ただし、「遺す」は表外読み(表外音訓)です。 表外読みとは、常用漢字表に載っていない読み方のことで、新聞や公用文では使用されません。 新聞や公用文では「残す」と書きます。
「遺す」の例文
「残す」と「遺す」は、どちらも「のこす」と読む同訓異字です。 「残す」は、全体のうちの一部に手をつけないでそのままにしておくことという意味です。 「遺す」は、人や物をおいて遠くへ去ること、また、そのままにして後世に伝えるという意味です。