1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「お忙しいところありがとうございます」の使い方と言い換えを例文つきで解説

「お忙しいところありがとうございます」の使い方と言い換えを例文つきで解説

「お忙しいところありがとうございます」は、忙しい状態にありがとうという意味です。相手が自分のために時間を割いてくれたことに対する感謝の気持ちを伝えるときに使います。例えば「お忙しいところご参加いただきありがとうございます」などと使うことができます。

「お忙しいところありがとうございます」の意味と敬語

「お忙しいところありがとうございます」は、「あなたが忙しい状態にもかからわず◯◯してくれて感謝します」という意味です。 忙しい状態の中で対応してくれた相手に対して感謝の気持ちを伝える言葉です。 「お忙しいところありがとうございます」は、目上の人に使える敬語表現です。 「お忙しいところありがとうございます」の「忙しいところ」についている「お」は、尊敬を表す接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりますが、目上の人に関係する事物や状態、行動に対して使う場合は尊敬語です。 「お忙しい中」の「お」は丁寧語と解釈しても間違いではありません。 「ありがとうございます」は、「ありがとう」に「ある」の丁重語「ござる」に丁寧語「ます」をつけています。 丁重語とは、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示す敬語で、謙譲語Ⅱともいわれます。 丁寧語は、文末につけることで文章全体を丁寧する敬語です。

「お忙しいところありがとうございます」の使い方

「お忙しいところありがとうございます」の使い方を場面別に例文つきで解説していきます。

時間を割いてくれたことへのお礼

「お忙しいところありがとうございます」は、相手が自分のために時間を割いてくれたことに対する感謝の気持ちを伝えるときに使います。 例えば、商品に関する説明を聞いてくれるなどの場面です。

例文

  • お忙しいところ、お時間を割いてただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、面談のお時間をとっていただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、お時間をいただけるとのことありがとうございます。
  • この度はお忙しいところ、長い時間お付き合いくださりありがとうございます。
  • 本日はお忙しいところ、貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。
  • 本日はお忙しいところ、話し合いのお時間をとっていたき誠にありがとうございます。
  • 先日は私どものためにお忙しいところ、お時間を割いていただきありがとうございました。

「ありがとうございます」は、継続していることに対するお礼の表現なので、今時間を割いてもらっている状態にお礼を伝えるときに使います。 「ありがとうございました」は、過去のできことに対するお礼の表現です。 時間を割いてもらった翌日などにお礼を伝える場合に使います。 「誠に」は「本当に」のかしこまった表現です。 「お忙しいところ〜誠にありがとうございます」とするとより丁寧です。

来てくれたことへのお礼

相手が会議に参加してくれたなど、自分の元にへ訪問してくれたことに対するお礼を伝える場面でも使うことができます。 その場合は、「ご参加」「ご出席」「ご臨席(ごりんせき)」「おいでくださる」「お立ちより」「お越しになる」「ご来訪」「ご光臨(ごこうりん)」などを使います。 「ご臨席」は、身分の高い人が会合・式典に出席することです。 「ご来訪」「ご光臨」は、相手が訪ねることを敬っていう語です。

例文

  • お忙しいところ、ご参加ただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、おいでくださりありがとうございます。
  • お忙しいところ、ご出席いただけるとのことありがとうございます。
  • この度はお忙しいところ、ご臨席くださりありがとうございます。
  • 本日はお忙しいところ、お立ち寄りいただきありがとうございます。
  • 本日はお忙しいところ、お越しいただき誠にありがとうございます。
  • 先日はお忙しいところ、ご来訪くださりありがとうございました。
  • 先日は私どものためにお忙しいところ、ご光臨くださりありがとうございました。

何かしてくれたことへのお礼(その他)

その他にも、何か対応をしてもらったときや、確認してもらったとき、教示してもらったとき、送付してもらったときなど、様々なことへのお礼で使うことができます。

例文

  • お忙しいところ、ご丁寧に対応していただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、お取り計らいいただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、ご教示いただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、ご高覧おただき誠にありがとうございます。
  • お忙しいところ、ご教授くださりありがとうございます。
  • お忙しいところ、早々にご確認いただきありがとうございました。
  • お忙しいところ、ご回答いただきありがとうございます。
  • お忙しいところ、送付くださいましてありがとうございました。
  • お忙しいところ、ご協力いただきましてありがとうございました。
  • お忙しいところ、弊社の企画に携わってくださりありがとうございました。

「お忙しいところありがとうございます」のビジネスメールの例文

社外の人にアポイントをとるとき

【件名】 弊社製品に関する説明の日程のご相談 【本文】 タチツテト株式会社 営業部 三ツ谷様 いつもお世話になっております。 株式会社マミムメモ物産 営業部の麗日です。 お忙しいところ、お時間をいだだけるとのこと誠にありがとうございます。 ご都合につき承知いたしました。 以下の通り、製品説明を実地いたしたくご案内申し上げます。 記 日時:10月15日(水)14:00〜15:30 場所:弊社3階会議室A 以上 ご不明な点などございましたらお申し付けください。 引き続きよろしくお願いいたします。 麗日

会議に参加してもらったとき

【件名】 議事録送付の件 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。 本日はお忙しいところ、商品開発会議にご参加いただきありがとうございました。 さて、本日の商品開発会議の議事録を添付ファイルにて送付いたします。 ご査収くださいますようよろしくお願い申し上げます。 商品開発部  龍宮寺

問い合わせに回答してもらったとき

【件名】 Re:○○(相手からのメールの件名) 【本文】 カキクケコ株式会社  採用担当 九井様 お世話になっております。 ○○大学経済学部経営学科の斎藤と申します。 この度は、応募に必要な資格について、早急にご回答いただき誠にありがとうございます。 以前から貴社で働きたいと考えており、会社説明会に参加させていただこうと思います。 詳しいお話を聞けるのを楽しみにしております。 お忙しいところ、ご丁寧に対応していただきありがとうごいました。 取り急ぎ回答のお礼を申し上げます。 〒123−4444 東京都○○区○○1234 電話番号:090−1111−2222 メールアドレス:chikuwa@chikuwa.com 斎藤一代

修正依頼に対応してもらったとき

【件名】 修正依頼の件 【本文】 アイウエオ株式会社 松野様 お世話になっております。 株式会社TMK馬地です。 お忙しいところ早々にご修正いただきありがとうございました。 それではご修正いただいたデータで必要書類を作成し再送いたします。 よろしくお願いいたします。 場地

契約がとれたとき

【件名】 ご契約のお礼 【本文】 株式会社ばびぶべぼ 総務部部長 佐野勝己様 平素よりお世話になっております。 株式会社ばばば営業部の緑谷万次郎でございます。 このたびは、弊社商品「○○○」のご購入につきまして、お忙しいところご検討くださりありがとうございました。 今回、貴社にご利用いただける運びとなり、大変嬉しく存じます。 今後も貴社のご期待に応えるべく、精進してまいります。 商品について利用方法などご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。 緑谷

見積書を送付してもらったとき

【件名】 見積もり書の件 【本文】 株式会社べべべべ 営業部 轟様 お世話になります。 先ほど見積書を拝受しました。 お忙しいところ、ご送付いただき誠にありがとうございます。 それでは、弊社内にて内容を検討し、改めてご報告いたします。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 ぶぶぶ株式会社 営業部 半間

アンケートに協力してもらったとき

【件名】 アンケートはのご協力のお礼 【本文】 営業部 各位 お疲れ様です。 商品開発部の長谷部です。 このたびの商品に関するアンケートにつきまして、皆様お忙しいところ多大なるご協力をいただき誠にありがとうございました。 おかげさまで、新商品を発売が決定いたしました。 これも皆様のお力添えの結果だと、感謝の気持ちでいっぱいでございます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 まずはメールにてお礼申し上げます。 長谷部

会食後にお礼を伝えるとき

【件名】 会食のお礼 【本文】 株式会社有頂天 森見様 いつもお世話になっております。 先日はお忙しいところ会食の席にご参加いただきありがとうございました。 貴社の現状や森見様の仕事に対する姿勢など貴重なお話を拝聴でき大変勉強になりました。 素敵な時間をご一緒させていただき感謝申し上げます。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 株式会社幸福感 営業部 伊坂

「お忙しいところ」の言い換え

お忙しい中

「お忙しい中」は、「おいそがしいなか」と読みます。 「お忙しい中」の「中」は、物事が起こっている、その状況下という意味です。 「ところ」と「中」が同義語なので、「お忙しい中」と「お忙しいところ」の意味は全く同じです。 「お忙しい中」も依頼・感謝の文章で用いられ、使い方も同じです。

ご多忙のところ

「ご多忙のところ」は、「ごたぼうのところ」と読みます。 「お忙しいところ」を、フォーマルにすると「ご多忙のところ」になります。 「多忙」の意味は、非常に忙しいことです。 「お忙しい」と「ご多忙」は敬意の度合いは同じですが、「多忙」の方が相手がより忙しいと想定しているので、謙虚な印象を与えます。 また、和語ではなく漢語であるため、かたい印象を与えます。 「ご多忙の中」「ご多忙のところ」を、「ご多忙の折」とするとよりフォーマットな表現になります。 「折」とは、時の流れの中で、他と区別して区切った、そのときという意味です。 少しややこしいですが「時」と同義です。他と区切ったという意味なので、「今まさに(他の時期よりも)忙しい時なのに」というニュアンスを含み、より謙虚な印象を相手に与えます。

ご多用のところ

「多忙」の類語に「多用(たよう)」があります。 「多用」の意味は、用事が多くて忙しいことです。 「多用」より「多忙」の方が忙しさの度合いが高いですが、特に使い分けは必要ではありません。

お急ぎのところ

「お急ぎのところ」は、「おいそぎのところ」と読みます。 「お急ぎのところ」は、「急いでいる状態に」という意味です。 「お急ぎのところ恐れ入りますが」などの形で、相手が忙しい状態に時間を割かせたり量力を使わせることを詫びるクッション言葉として使うことができます。

「ありがとうございます」の言い換え

感謝いたします

「感謝いたします」は、礼をいうときに「ありがとう」の意味で使う丁寧な言葉です。 「感謝いたします」は、「感謝」に「する」の丁重語「いたす」と丁寧語「ます」を使った敬語表現です。 「感謝いたします」の「いたします」は平仮名表記です。 平仮名表記の「いたします」は補助動詞、漢字表記「致します」は本動詞として使う決まりあるため「感謝致します」は誤りです。 「感謝申し上げます」ということもできます。 「申し上げる」は「言う」の謙譲語(自分の動作をへりくだり相手に敬意を示す敬語)です。 「感謝いたします」の前に「心より」「心から」「衷心より(ちゅうしんより)」をつけるとより丁寧になります。

御礼申し上げます

「御礼(おれい)」は、恩恵や贈り物を受けたのに対して、感謝の意を表すことを意味します。 「御礼申し上げます」は口頭で使うことはあまりなく、手紙など書き言葉として使うことがほとんどです。手紙の中でも、年賀状や暑中見舞いなど、改まった場面で感謝の言葉として使われます。 「御礼申し上げます」の前に「厚く」「重ねて」「心より」を付けると、より気持ちを強調することができます。 また、「御礼の言葉もございません」「御礼の申し上げようもございません」とすることで、感謝の度合いが強すぎて上手く言い表せる言葉が見つからない、言葉で表せないほど深く感謝している、または、感謝のあまり言葉がでないという意味になります。

感謝の念に堪えません

「感謝の念に堪えません(かんしゃのねんにたえません)」は、抑えきれないほど沸き上がる感謝の気持ちという意味です。 「念」には「思い・気持ち」という意味があり、「感謝の念」でありがたいと感謝する気持ちを表すことができます。

拝謝します

「拝謝(はいしゃ)」は、礼を述べることの謙譲語です。 「拝」は「拝む(おがむ)」ことを表す言葉なので、謙遜の気持ちを表すときによく使います。 「拝謝」は書き言葉として使われることがほとんどで、ビジネスメールなどで使うのに適しています。

深謝いたします

「深謝(しんしゃ)」の意味は、深く感謝することです。 「深謝」は「深い」という字を使って感謝することを強調しているので、「ありがとうございます」「感謝申し上げます」と言うよりも、深く感謝しているということを伝えられます。 お礼状などで多く使われます。

幸いです

「幸いです(さいわいです)」は、ありがたいことですという意味です。 「幸いに存じます」などの形で使われることが多いです。 「幸いに存じます」は、「幸い」に「思う」の丁重語「存ずる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現で、ありがたく思いますという意味になります。

幸甚に存じます

「幸甚(こうじん)」は、非常にありがたく、幸せに思うことという意味です。 「幸甚」の「甚」は「普通の程度をはるかに超えているさま」を表し、「幸甚」でこの上ない幸せ・幸せの極みを表します。 「幸いです」と同じように用いることができますが「幸いです」よりも丁寧な表現です。

「お忙しいところ」の使用上の注意点

相手が忙しくなくても使える

「お忙しいところ」は社交辞令に近く、謙遜する気持ちを表現するものです。 相手が実際には忙しくなく暇な場合でも「お忙しいところ〜」の形で依頼することができます。 どうしても気になる方は、「大変恐縮ですが」など「お忙しいところ」を省略した形で使いましょう。

嫌味に聞こえる場合も

「お忙しいところ」は、上述したように相手が忙しくても忙しくなくても使うことができます。 しかし、相手が時間に余裕があることが明らかな場合に、「お忙しいところ〜」と言うと嫌味に聞こえます。 そのような場面では使用するのはやめましょう。

使い過ぎには注意

ビジネスシーンで同じ言葉を何度も繰り返し使用するとしつこく、相手に不快な思いをさせてしまう場合があるので注意しましょう。 「お忙しいところ申し訳ありませんが」などを多用すると、本当に申し訳なく思っているのか?と疑問に感じる方もいらっしゃいます。 上記で紹介した言い換え表現を使用したり、ある程度関係が築けたら使用を停止する、などして対応しましょう。

トレンド

カテゴリーランキング

  1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「お忙しいところありがとうございます」の使い方と言い換えを例文つきで解説