「お時間がございましたら」は「時間があったら」という意味の敬語表現です。イベントなどに相手を誘うときの案内状などで使います。今回は「お時間がございましたら」の意味や敬語、使い方、類似表現との違いなどを解説します。
「お時間がございましたら」は「おじかんがございましたら」と読みます。 「お時間がございましたら」の意味は「時間があったら」です。 「お時間」は時間に接頭辞「お」をつけて丁寧にした語です。 「ございましたら」の意味は「あったら」です。
「お時間がございましたら」は品詞分解すると「お」+「時間」+「が」+「ござる」+「ます」+「たら」となります。 「時間」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合は、「時間」を丁寧にするためにつけている丁寧語(美化語)と解釈されることが多いです。 しかし、尊敬語は相手の動作だけではなく相手の持ち物に対してもつけることができます。 この場合は、相手の時間に対して使っているので尊敬語と解釈することができます。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「お時間がございましたら」は尊敬語+丁重語+丁寧語の正しい敬語表現です。 社内の上司や社外の相手など目上の人に対して使うことができます。
「お時間がございましたら」は、「時間があるようだったら来てください」という意味合いで案内状などで使います。 例えば、パーティーなどの催し物に相手を誘うときです。
などのクッション言葉と併せて使うとより丁寧です。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。
【件名】 弊社主催音楽イベント「THE・MUSIC」ご参加依頼 【本文】 株式会社ソウル・ロディ 営業部 斎藤耕一様 いつもお世話になっております。 株式会社バーニー営業部の切島です。 さて、本日は弊社主催のイベント「THE・MUSIC」のお知らせをしたくご連絡いたしました。 毎年開催しております「THE・MUSIC」を本年も下記の日程で開催いたします。 ご多忙の折とは存じますが、お時間がございましたらぜひご参加いただければと存じます。 株式会社バーニー 音楽イベント「THE・MUSIC」 日時:7月31日(土) 午前10時〜18時(予定) 場所:野外音楽堂 日頃よりお世話になっている斎藤様にもぜひお楽しみいただければと存じます。 よろしくお願い申し上げます。 切島
【件名】 懇親会のお知らせ 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。営業部の橋本です。 来月15日に営業部で懇親会を開催することになりましたのでご案内いたします。 詳細は下記の通りです。 日時:10月15日(金)18:30〜 場所:プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 住所:緑谷市青山町1-22-33 会費:3000円 予約の関係上、10月11日(月)までにご返答いただきますようお願いいたします。 ご多忙中とは存じますが、お時間がございましたらご参加ください。 何か不明点等あれば橋本までご連絡いただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 橋本
「お時間がありましたら」も正しい敬語表現です。 「お時間がありましたら」は品詞分解すると「お」+「時間」+「が」+「ある」+「ます」+「たら」となります。 「時間」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 「ます」は丁寧語です。 したがって「お時間がありましたら」は尊敬語+丁寧語の敬語表現です。 正しい敬語表現ですが、「ある」の丁重語「ござる」を使った「お時間がございましたら」のほうが丁寧な敬語表現です。
「お時間がおありでしたら」も「時間があったら」という意味の敬語表現です。 「お時間がおありでしたら」は、品詞分解すると「お」+「時間」+「が」+「お」+「ある」+「です」+「たら」となります。 「時間」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 「ある」についている「お」も尊敬を表す接頭辞です。 「です」は丁寧語です。 尊敬語の接頭辞を二つ使用していますが、二重敬語ではありません。 二重敬語とは一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用してしまうことをいいます。 この場合は、「時間」と「ある」のそれぞれ別の語についている接頭辞なので二重敬語にはなりません。 「お時間がございましたら」と「お時間がおありでしたら」の意味は同じです。
「お時間がございましたら」は「お時間が許すようであれば」ということもできます。 「お時間が許すようでしたら」は「おじかんがゆるすようでしたら」と読みます。 「お時間が許すようでしたら」の意味は「時間があるようだったら」です。 「お時間」は「時間」に尊敬語の接頭辞「お」をつけて丁寧にした語です。 「許す」には「状況などがある物事を可能にする」という意味があります。 「よう」は断定をやわらげる表現です。 「でしたら」は丁寧語「ます」に仮定の「たら」をつけた敬語表現です。 未確定の事柄を仮定して、条件として示します。 「お時間が許すようであれば」と「お時間がございましたら」は言い方が違うだけで意味は同じです。 しかし「お時間が許すようであれば」は尊敬語と丁寧語の敬語表現なので、尊敬語と丁重語、丁寧語を使った「お時間がございましたら」のほうが丁寧です。
「余裕がございましたら」は「よゆうがございましたら」と読みます。 「余裕がございましたら」の意味は「余裕があったら」です。 「余裕」は「限度いっぱいまでまだ余りがあること」です。 時間や空間、数量、経済、精神に対してなど広く使える言葉です。 「余裕がございましたら」は、「お時間に余裕がございましたら、ぜひご参加ください」などと使うことができます。
「ご都合がよろしければ」は「ごつごうがよろしければ」と読みます。 「ご都合がよろしければ」の意味は「都合がよければ」です。 「ご都合」の意味は「その折の状況や事情」です。 尊敬を表す接頭辞「ご」をつけています。 「よろしければ」は「よろしい」に仮定を表す「れば」をつけた表現です。 「よろしい」は「よい」の改まった表現です。 「ご都合がよろしければぜひご参加ください」などと使います。
「差し支えなければ」は「さしつかえなければ」と読みます。 「差し支えなければ」の意味は「都合が悪くなければ」です。 「差し支え」は、「不都合」「さまたげ」「支障」という意味です。 「差し支えなければ」で、相手にとって都合の悪いものでなければという意味になります。 「差し支えなければご参加いただけますか」などと使うことができます。