「お時間のある時に」は、時間がある時に〜をしてほしいという意味で、急ぎではない依頼をするときに使う敬語表現です。今回は「お時間のある時に」の意味や敬語、使い方、類似表現との違いなどを解説します。
「お時間のある時に」は「おじかんのあるときに」と読みます。 「お時間のある時に」の意味は「時間のある時に」です。 「時間」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合は、「時間」を丁寧にするためにつけている丁寧語(美化語)と解釈されることが多いです。 しかし、尊敬語は相手の動作だけではなく相手の持ち物に対してもつけることができます。 この場合は、相手の時間に対して使っているので尊敬語と解釈することができます。 したがって「お時間のある時に」は、尊敬表現です。 社内の上司や社外の相手など目上の人に対して使うことができます。
「お時間がある時に」は、「時間ができたら対応をお願いします」という意味合いで使われます。 そのため急ぎの用や重要な要件については使用できません。 例えば「お時間がある時に連絡ください」などと使うと、相手は「手が空いたときに連絡すれば良いんだな」と判断します。 急ぎの要件である場合や重要な要件である場合は、「お時間のある時に」を使わずに、正確にいつまでに対応をしてほしいのかはっきりと伝えましょう。 また、重要な要件である場合は「お時間をいただけますでしょうか?」を予め確認をしておくことも大切です。
「お時間のある時に」を使用できるのは、あくまでも就業時間内です。 「お時間のある時に」を使えば、就業時間外でも依頼をすることができるというわけではないので注意しましょう。 依頼は就業時間内にすることが前提ですが、やむを得ず就業時間が過ぎてから相手に依頼する際には、「就業時間後で申し訳ありませんが、お時間をいただいてよろしいでしょうか?」などと相手への配慮を示すべきです。
相手から「お時間のあるときに〜をお願いします」などと依頼をされでも、できるだけ早く対応をしましょう。 例えば、「お時間のあるときにご連絡をお願いします」などと言われた場合はその日の内に連絡するのがマナーです。 資料など何かを確認してほしいという依頼に対しても、24時間以内に確認をしましょう。 その依頼の内容に対してすぐに対応できない場合でも、返信は早めに返すべきです。 例えば「お時間のある時にご確認お願いします」と言われた場合は、「了解しました。確認次第、ご連絡いたします」などと返信をします。
「お時間のある時に」は、特に急ぎではない依頼をするときに使います。 例えば、連絡をしてほしいときや何かを確認してほしいときに、「時間がある時で構わないので〜をしてほしい」という意味合いで使われます。 依頼をするときは、
など、クッション言葉と併用して使うとより丁寧になります。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 口頭や電話だけではなく、ビジネスメールなど文章でも使うことができます。
【件名】 資料送付のお知らせ 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 大谷彩花様 お世話になっております。 株式会社かきくけこ商品部の武藤です。 この度、弊社新製品「△△△」を発売することになり、資料を郵送させていただきます。 発送日 10月1日(月) 到着予定 10月2日(火)午前10時〜12時 送付内容 製品カタログ 2部 大幅なモデルチェンジを行いましたので、お時間のある時にご覧いただけますと幸いです。 なお、製品につきましてご質問などございましたら武藤宛にメールまたはお電話にてお気軽にご連絡くださいませ。 よろしくお願い申し上げます。 大谷
【件名】 歳末セールについて 【本文】 営業部 各位 お疲れ様です。営業部の竹本です。 先日の企画会議で議題となりました「歳末セール」について企画書を作成してみました。 お忙しいとはお存じますが、お時間のある時にご確認いただければと存じます。 何か不明点があれば竹本(内線0007)までご連絡ください。 竹本
【件名】 登録名修正のお願い 【本文】 アイウエオ株式会社 高橋様 お世話になっております。 株式会社サシスセソズ遠藤です。 先程送信していただきましたデータについて1点誤りがございましたので、ご多用のところ恐縮ですが、お時間のある時に修正していただけますと幸いです。 登録名 橋本貫太郎 正しくは、橋本甘太郎です。 ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。 遠藤
「お時間がございましたら」は「時間があったら」をいう意味の敬語表現です。 「お時間がございましたら」は品詞分解すると「お」+「時間」+「が」+「ござる」+「ます」+「たら」となります。 「時間」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 丁重語は謙譲語Ⅱともいわれ、自分の動作をへりくだり相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「ます」は丁寧語です。 「たら」は仮定を表します。 「お時間がございましたら」は、尊敬語+丁重語+丁寧語の敬語表現なので、尊敬語の接頭辞のみを使用した「お時間のある時に」より丁寧な敬語表現です。 また、仮定の「たら」を使っているため、「お時間のある時に」よりも謙虚で柔らかい表現です。
「お時間がある際に」は「おじかんがあるさいに」と読みます。 「お時間がある際に」の意味は「時間がある時に」です。 「際」には、「とき。機会。場合。」という意味があります。 「お時間がある時に」と「お時間がある際に」の意味は、同じです。 「お時間がある際に」も、時間がある時で構わないので〜という意味合いで依頼をするときに使います。 どちらを使用しても問題ありませんが、「お時間のある時に」を「お時間がある際に」とすると、より堅い表現になります。
「ご都合の良い時に」は「ごつごうのよいときに」と読みます。 「ご都合の良い時に」の意味は「状況や事情が良いときに」です。 「都合」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけた敬語表現です。 「ご都合が良い時に」は、相手の都合が良き時に〜をしてくださいなどと依頼をするときに使います。 「ご都合のよろしい時に」とすると、より丁寧になります。
「お手すきの際に」は「おてすきのさいに」と読みます。 「お手すきの際に」の意味は「手のあいてる時に」です。 「手すき」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけた敬語表現です。 「お手すき」には「仕事中の手の空いた時間、手の空いていること」という意味があります。 「お手すきの際に」も、手が空いている時に〜をしてくださいなどと依頼をするときに使います。 「お手すきの時に」ということもできますが、ビジネスシーンなどかしこまった場面では「お手すきの際に」ということが多いです。
「余裕がございましたら」は「よゆうがございましたら」と読みます。 「余裕がございましたら」の意味は「余裕があったら」です。 「余裕」は「限度いっぱいまでまだ余りがあること」です。 時間や空間、数量、経済、精神に対してなど広く使える言葉です。 「余裕がございましたら」は、「〜をする余裕があればお願いします」と依頼をするときに使います。